「気になる10代名鑑」225人目は、やすしさん（19）。東京の高校を卒業後、理学療法士を目指して、群馬の大学に進学。課外活動として、医療系学生のチャンスや選択肢を広げるためのさまざまな活動に参加しています。医療という世界の中で、新しいアクションを続けるやすしさんの、考え方のルーツに迫ります。
■やすしを知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか？
「群馬大学の医学部で理学療法について学びながら、『一般社団法人REGIE』で、医療系学生、特にリハビリ学生が、病院以外でのさまざまな働き方を体験できるインターンのコーディネート活動をしています。
そのインターンの活動の傍ら、『あつまれ！医療系学生の巣』という、医療系学生向けのコミュニティの運営にも関わっています。これは、普段交わることのない、さまざまな職種の医療系学生が交流することで、キャリアについての視野が広がったり、チーム医療のためのプラスになったりといったメリットをもたらすことを目的とした活動です」
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Q2. 活動を始めたきっかけは？
「そもそもは、高校で陸上をやっていたときに、トレーニング方法や体の仕組みに興味をもったことです。理学療法士や柔道整復師の方に、直接連絡をして、お話を聞かせてもらっていて。そのうちに、理学療法士を目指すようになりました。
さまざまな方の話を聞いたり、自分自身でも将来のことを考えたりしているうちに、医療系学生には、インターンという文化もないし、病院の実習しか働く現場を見る機会がなく、進路もほぼ病院に入ることが決まっているような世界で。
それに対して疑問を感じていたこともあり、リハビリ学生に向けたインターンの仕組みを作ろうとしている団体からお誘いをいただき、その想いに共感したことがきっかけで参加しました」
Q3. 活動をしていて大変だったことは？
「やっぱり上の年代の方へのキャリア支援というのは、想像していたよりも難しかったですね。それだけ自分に知識があるか、というのは問われてくるので。そこは人一倍勉強をしたり、多くの人の話を聞かせてもらったりすることで、埋めようと努力しました。
あとは、コミュニティのほうも、医療系学生の交流会をやりたいって漠然と思っていて、自主開催をしてみたけど、やっぱり10代って、時間もスキルもなくて、継続的に開催することは難しくて……。そんなとき、別の大学の薬学生の方に声をかけていただき、『あつまれ！医療系学生の巣』の運営に参加することになりました。
でも、10代だから感じるメリットもたくさんあって。理学療法士を目指す前にいろいろな方々からお話が聞けたのも、やっぱり高校生が純粋な興味や関心で連絡して、それで受けてもらえたっていうのはあるし。それがきっかけでさまざまなご縁をいただけたので、メリットのほうが大きいですね」
Q4. 他にどんなことに興味を持っていますか？
「大学進学のタイミングで、東京から群馬に移住したこともあって、群馬を盛り上げる活動に、微力ながら関わっています。先日は桐生市でロゲイニングという街歩きイベントの運営にも携わりました。
地方から都会へ出ていく人が多い中で、逆を行った自分だからこそわかる魅力があると感じていて。
群馬って、魅力度ランキングでも下位だし、何も取り柄がないとか言われるんですけど、よそ者の視点で見たときに、ちょっと車を走らせればすごい夜景がきれいだし、温泉がたくさんあるし。住んでみてこそわかるいいところがたくさんあるんです」
競技が終了しました！皆さま暑い中本当にありがとうございました🙇♀️1位のチームの皆さんおめでとうございます🎉#HISROGAINIG #桐生 #ロゲイニング pic.twitter.com/hyasI1ftQM
— 歴史ロゲイニング in 桐生 (@his_rogaining) August 11, 2022
Q5. 活動を通して実現したことは何ですか？
「インターンとかコミュニティとか、いろいろな機会を提供してはしてるんですけど、たくさんに人にとにかく参加してほしい、とはあまり思ってなくて。それもひとつの選択肢としてあってもいいかなっていうくらいの思いなんです。
ひとりひとりがどんなキャリアを選択しても、それは肯定されるべき。でも、そこに至る考えが不十分で、のちに後悔するとしたら、それはもったいない。いろいろな選択肢を知ったうえで、自分にとって最善と思える進路を選択できるような環境が実現できればと思っています。
僕自身の夢としては、理学療法や医療という世界にとらわれず、さまざまな分野の架け橋のような存在になれればと思っています」
■やすしのプロフィール
年齢：19歳出身地：東京都杉並区所属：群馬大学医学部保健学科理学療法学専攻、一般社団法人REGIE 学生広報、あつまれ！医療系学生の巣趣味：一人旅、キャンプ、登山、スキー、温泉大切にしている言葉：備えよ常に
■やすしのSNS
★HP
Photo：Eri Miura
