「気になる10代名鑑」の199人目は、和花菜さん(18)。国際基督教大学に通いながら、長野県辰野町にて、農業体験などをおこなう自給自足キャンプを企画する『自給自足コミュニティ』の運営メンバーとして活動しています。そんな和花菜さんに、活動を始めたきっかけや、これからのビジョンについて、聞いてみました。
和花菜を知る5つの質問
Q1. 活動について教えてください。
「起業やイノベーションを学ぶ『イノベーションチームdot』という学生団体に所属していて、その中でも、地域と食の課題に取り組むプロジェクト『もぐもぐふぁーむラボ』のメンバーが企画した『自給自足コミュニティ』で主に活動しています。
View this post on Instagram
View this post on Instagram
長野県の辰野町をベースに活動していて、月に1回、2~3泊で、借りている畑で農業を行ったり、キャンプや山菜狩りをしたりと、さまざまな自給自足体験をしています。体験企画には、『もぐラボ』の仲間や、メンバーの親しい友達を招いていて、私を含めた大学生4人で運営チームを組んでいます」
View this post on Instagram
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校2年生のときのニュージーランド留学がきっかけです。留学中、食事が馴染まなくて、初めは軽く考えていたんですが、だんだん精神的にも影響が出てきてしまって。食というのは心身にとって、すごく大切なんだなと痛感したんです。
帰国してから、高校1年生のときから関わっていた『イノベーションチームdot』の中に、『もぐラボ』があることを知って。『自給自足を通して当たり前のありがたさを感じられる』というコンセプトに惹かれて、大学受験を終えた昨年の末、『自給自足コミュニティ』にジョインしました」
Q3. 活動を通して実現させたいビジョンは?
「地域の方々との交流はもちろん、参加してくれた人にとって、この体験が人生のお守りとなってくれたらいいなと思っています。
誰にでも、不安や悩みはあると思うけど、自分の力で生きることができるし、生きていける場所がある……そのことを安心材料にしてもらえたら嬉しいです。
もっといえば、みんなが安心できる場所をつくりたい。参加者は少人数で、『もぐラボ』の仲間や、メンバーの親しい友人しか呼んでいないのですが、クローズドだからこその安心感のあるコミュニティにしていきたいと思っています」
View this post on Instagram
Q4. 留学を通して感じたことは?
「ニュージーランドは移民大国なので、ルーツや背景の異なる人がいるのは当たり前のことなんです。
だから、身の回りに差別もないし、人々もあたたかくて。私が留学中、カルチャーショックを感じていたときも、親身になって話を聞いてくれたり、外に連れ出してくれたりする友達に出会えました。
あとは、家族のありがたみも実感しました。出国前は、自分を知る人のいない場所で生活できるのが楽しみだったし、家族を少し鬱陶しく感じていたこともありました。だけど帰国してからは、自分の環境をありがたく感じるようになれて。家族とも仲良くなりましたし、特に父とは、それまでと対照的に、お互いをよく理解できるようになったような気がします」
Q5. 将来の展望や夢はありますか?
「将来的には、東京と辰野町で、2拠点生活ができたらいいなと思います。今も月1回のペースで行っていますが、行く度に新しい発見や交流があって、新鮮な感覚で楽しめています。
プロジェクトはまだ走り出したばかりですが、耕作放棄地の開墾を進めたり、DIYを教わったりと、充実した体験になっているように感じます。協力してくださる地元の方も増えてきているので、キャンプの内容だけでなく、地域との交流もさらに濃いものにしていって、辰野町を自分の心の拠り所にしたいです」
和花菜のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都
所属:国際基督教大学、イノベーションチームdot、もぐもぐファームラボ、自給自足コミュニティ
趣味:スポーツ、ドラマ鑑賞、猫と遊ぶこと
特技:書道
大切にしている言葉:勇気と優しさ
Photo : Eri Miura
Text : Daiki Ido
Edit : Takeshi Koh