「気になる10代名鑑」170人目は、りょうたさん(19) 。コピーライターをしている父の影響を受け、現在は日本大学芸術学部でCMコースを専攻しています。学業の傍ら、複数の企業やコミュニティに所属し、関わった人たちへ感謝の想いを綴った手紙を送る活動をしているりょうたさんが大切にしている想いや、活動の原点に迫ります。
りょうたを知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「誰かに想いを伝えるために、手書きのお手紙を書いて送るという活動に取り組んでいます。
いまはデジタルが当たり前となっているけど、誰かに正直に気持ちを伝えたいときや『ありがとう』の気持ちを伝えたいとき、そして自分と向き合いたいときに、手紙を書くというイベントを、不定期で開催しています。いずれは『いまの自分と向き合って、未来の自分に手紙を出そう』という企画もやる予定です。
手紙を送るという行為を通じて、手書きの手紙のよさを感じてもらったり、自分と向き合う時間をつくってもらうことで、誰かの人生が少しでもプラスになったらいいなと思っています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「言葉に支えられて、人生を過ごしてきたからだと思います。父親がコピーライターで、家族のコミュニケーションの多くに『手紙』があったんです。
友達に話すと驚かれることも多いんですが、私にとって家族との連絡手段はデジタルでの連絡ではなくて、手書きの手紙でした。手紙を渡されたり、自分の部屋に置いてあったりするのが当たり前で。単純に、親がデジタルに疎いだけだったかもしれないけど、小学生のころからずっと手紙は身近な存在だったんです。
10歳のときには、父から『2分の1成人式』の手紙を受け取りました。そこには『20歳になるまでの10個の約束』が書かれてあったんです。10個目の約束は、『りょうたはりょうたの人生を生きて!』。そして、20歳になったときにどれだけ守れているかについて、一緒にお酒飲んで話せたらいいねと書いてありました。
いまでも半年に1回は父から手紙をもらいますし、私も書いてます」
Q3. 活動を始めるときに、最初に行ったアクションは?
「ZOOMでの1on1です。初対面の人と30分から1時間ぐらい話して、自分の人生理念や価値観を共有したり、同じ志の人を見つけたりしました。大学1年生のときに始めて、5か月間で600人とお話しして。同世代が中心でしたが、中には92歳の方もいました。
私は自分の考えの整理と、他の人の考えに触れるためにやっていたけど、就活のため、友達づくりのためにやっているなど、人によって目的はさまざまでした。
その活動をきっかけに人脈が広がって、悩み相談をし合える関係を築くこともできました。もちろん、1on1で出会った人にも感謝の手紙を書いて、送りましたよ」
Q4. これまで活動をする中で印象的な出会いはありましたか?
「『町おこし協力隊』の広報を担当している、しんみはるなさんとの出会いは忘れられません。
しんみさんは父が先生として参加している、宣伝会議の『コピーライター養成講座叩き上げコース』に参加していた方で、私はしんみさんのブログをよく読んでいました。
しんみさんの文章は、言葉から生き方や想いが直接伝わってくるんです。うまく言えないけど、なぜだか『言葉』に救われたような気がして、感動しました。それから、ただ読むだけじゃなくて、自分が書き手になって誰かを言葉で支えたり、届けたりしたいと思うようになりました」
Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「将来は、地方に移住しながら、お手紙屋さんを開いて、のんびり生活したいです。
言葉と人との出会いを忘れずに、noteなど文章を書くことはやり続けたいと思っています。そしていつか、『情熱大陸』や『プロフェッショナル 仕事の流儀』などに出演できたらいいなあなんて考えたりも。
誰かが自分のがんばりを見てくれていると気づけることって、ものすごく幸せなことだと思うので。そんな存在になれるように、これからも文字を綴っていきたいです」
りょうたのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県横浜市
所属:日本大学芸術学部放送学科CMコース
趣味・特技:スイーツ巡り・カメラ撮影・手紙の執筆
影響を受けた作品:クリエイティブディレクター・岡康道さんの作品「サッポロ 大人のエレベーター」「大和ハウス」「JR東海」など
りょうたのSNS
★note
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh