「気になる10代名鑑」の133人目は、梅村時空さん(18)。卓越した技術を持つ小中高生のクリエイターを支援するプログラム「未踏ジュニア」のスーパークリエイターに認定され、現在は、オンラインマルチプレイゲームをつくることができるツール『KillinEngine』の開発に携わっています。そんな梅村さんから、活動するうえで大切にしていることについて、お話を聞いてみました。
■梅村時空を知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「岐阜県出身の18歳です。現在、明治大学1年生で、小4のころからずっと、ゲーム制作をしています。いまは、マルチプレイ型ゲーム制作ツール『KillinEngine』を開発していて、サービス開始のため、今年3月に『株式会社Killinzy』立ち上げて、その代表として事業に取り組んでます」
【ご報告】
2022年3月18日附けで
『株式会社Killinzy』を設立いたしました。キリンエンジン( @KillinEngine )を筆頭に、ゲーム及びメタバースに関連する事業に取り組んで参ります。
皆様、何卒よろしくお願いいたします! https://t.co/uCbOD4Euwr
— ぷら虫 | Haruku Umemura (@plum_very) March 19, 2022
Q2. ゲーム制作を始めたきっかけは?
「『WOLF RPGエディター』というPCの無料ソフトや、『RPGツクール』というDSのソフトを中古で買って、遊んだのが始まりです。もともと工作とか、何かをつくるのは好きだったのですが、ふと思いついてやってみたゲームづくりにドハマりしました。
中学に上がってからはさらに没頭して、ゲーム開発の全国大会である『Unityインターハイ』という全国大会で、二度、賞をいただきました」
Q3. いま開発している「KillinEngine」について教えてください。
「わかりやすく言うと、ゲームがつくれるゲームです。ゲーム制作って、どうしても技術的な難しさがあるけど、もっとゲームをするような感覚で楽しく簡単に、友達とワイワイ話しながらゲームづくりができないか、と思ったのが開発のきっかけ。
プラットフォームなので、つくったゲームを他のプレイヤーに遊んでもらうこともできて、そこで起きるコミュニケーションを楽しめることが、大きなポイントです」
#KillinEngine 法人化におけるポイント
・キリンエンジンは「ゲームエンジン」ではなく「ゲームが作れるゲーム」である。
・ボイスチャットなどでコミュニケーションを取りながら、誰でも楽しく、みんなで一緒にゲームが作れる。
・作ったゲームを気軽に共有 / 公開できるプラットフォームを実現する https://t.co/zrTJK8wBsx— KillinEngine -キリンエンジン- 公式 (@KillinEngine) March 3, 2022
Q4. いま、制作するうえで大切にしていることは?
「ゲームづくりと、そこから生まれる交流をもっと多くの人に楽しんでもらうこと。僕自身、ゲーム制作を通して居場所や仲間ができたし、いろんな人と関わることができました。なので、何かを創作することや、その創作物で遊ぶという体験を通して、生まれるコミュニケーションを楽しんでほしいです」
Q5. 趣味はありますか?
「趣味もゲーム開発なんですが、息抜きでよく友達と外に出かけます。場所は特に決まってなくて、ただ街を歩いたり、展示を見に行ったり、友達が行きたい場所に、ただついていったりもします。
日常の何気ない体験だとか、友達との会話で面白かったことって、かなり制作のインスピレーションになるので、どんなに忙しくてもその時間は大切にしてるんです」
Q6. 普段はどんな友達と過ごすことが多いですか?
「ゲーム制作を通して知り合った人たちとよく一緒にいます。この4月に上京してきてからは、『Unityインターハイ』で知り合った同期や先輩とも直接会えるようになりました」
Q7. 生きるうえでのポリシーは?
「物事に対して、初めから否定の気持ちを持たないこと。はじめは関心がなさそうな話だなと思っても、とりあえず聞いてみたら、実は面白かったりする。面倒くさいと感じても、とりあえずアクションをしてみるようにしてます」
Q8. 今後の展望は?
「『KillinEngine』は、スマホでのリリースも計画してて、電車で隣に座ってる人が、たまたま自分がつくったゲームを遊んでいる、というような世界線をイメージしてます。
ゲーム制作って、料理に似た楽しさがあると思っていて。つくるのはもちろん、つくったもので人と交流したり、喜んでもらったりする体験を、もっともっと多くの人に当たり前にしてほしいんです」
Q9. 社会が「こう変わればいい」と思うことは?
「なにかをつくって、それを見せ合ったり、コミュニケーションをとったりすることがもっと盛んになるといいかなと思います。それでコミュニティが生まれて、居場所を見つけられる人が増えてほしいです」
Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。
「好きで夢中になれることがあるなら、できるうちに没頭してみるといいと思います。あと、ゲームづくりはすごく楽しいので、ぜひやってみてほしいです!」
■梅村時空の今日のファッション
「どうしてもゲーム開発のほうにお金を投資したいので、服にかけるお金は最低限だし、無難に黒ばかりになってしまいます。このスニーカーも父から譲ってもらったものですが、けっこうお気に入りなんです」
■梅村時空のSNS
当時小学生だった僕がゲーム開発を始めたきっかけとなったインタビュー記事があるんだけど、
そのクリエイターさんとインタビュアーさん、実はいまキリンエンジンの開発でお世話になっている人たちだった…
感謝の気持ち伝えられた。憧れてたクリエイターさんたちと交流できてるの、ホントに夢みたい
— ぷら虫 | Haruku Umemura (@plum_very) May 22, 2022
Photo : Eri Miura
Text : Daiki Ido
Edit : Takeshi Koh