これからの活躍が期待される、若手俳優/女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。YOUTUBEで230万回以上も視聴された第1期、第2期に続き、第3期は劇場公開も決定しました。741名もの応募者の中から選ばれたキャストを、「Steenz」ではひとりひとりにフォーカスを当てて、単独インタビューを実施。第4回は、女優として出演しただけでなく、劇音楽も担当した片田陽依さんをフィーチャーします。
半年間、脚本を読み込んだからこそ、感情をのせて演技できるようなれた
今回の作品「あしたのわたしへ」では、角野朱莉というキャラクターを演じた片田陽依さん。役柄についての印象や、プロジェクトを通して学んだこと、さらに片田さん本人の演技にかける思いなどを聞いてみました。
―まず、「あしたのわたしへ」の脚本を初めて読んだときの感想は?
「私自身、いま17歳で、私が演じた朱莉をはじめ、今回の作品に登場するキャラクターと同世代で、やっぱり、将来に対する漠然とした不安を感じていて。先のことを考えるのが怖いていう気持ちも。でも脚本を読んで、『わからないことを楽しむ』っていう言葉に出会って、気持ちが明るくポジティブになりました」
―朱莉というキャラクターについて、片田さんと共通する部分は?
「けっこう重なる部分があって。例えば、朱莉は絵のことになると周りが見えなくなるんですけど、私も絵を描いたり音楽を作ったりするのが好きで、集中するとごはんを食べるのも、寝るのも忘れてしまうことがあるんです」
―演じるために心がけたことはありますか?
「冒頭から、恋人から別れを告げられるシーンがあって。やっぱり、朱莉の普段の性格が見えなかったので、気持ちをつくるのが、すごく難しかったです。
だから、とにかく台本をしっかり読み込んで、心境を探っていく努力をしました。撮影中に相部屋だったゆずちゃん(足川結珠さん)ともディスカッションをして、それでもつかみきれないときには、監督さんに相談にいくこともありました」
―厳しい選考を経てつかんだ今回の役。オーディションやワークショップはどうでしたか?
「オーディションは、普通は合格するかしないかというものなので、アドバイスやヒントをいただきながらの今回のオーディションでは、成長できたなって実感しました!
ワークショップは……正直なところ、大変でした(笑)。台本って読めば読むほど深いところまでいけるから、半年間ずーっと、台本のことを考えているような状態で。でも長い時間をかけて、しっかり台本を読み込んで、役に対して理解を深められたからこそ、撮影にはすごく入りやすかったです」
―撮影で印象に残ったことは?
「涙を浮かべるシーンがあるんですが、その前のセリフの変更に気づけなかったことがあって、現場で困惑してしまったんです。でも監督から、セリフが変更になった理由を説明してもらって、『そういうことか』ってやっと腑に落ちて。
その瞬間、感情でセリフが出るようになって、自然と涙が出てきました。初めての体験だったので、印象に残っていますね」
ー今回は、劇音楽も担当されたんですよね。
「そうなんです。監督が劇中で流れる曲を探しているってお話しされていて、『それなら私が……!』っていう気持ちで、『おこがましいんですけど、作りたいです』って伝えてみたんです。まさか8曲も採用していただけると思っていなかったので、すごく嬉しかったです」
演技でも音楽でも新しい挑戦を続けて、もっと影響力を高めていけたら
―片田さんのことについても教えてください。まず芸能界に入ろうと思った理由は?
「私には生まれていない姉がいて、ふたり分の影響を与えられるような人間になりたいっていう気持ちと、影響力をもって、動物や虫の命の大切を発信したいという気持ちから、女優や歌手を目指そうと思いました」
―ズバリ、演技の楽しさとは?
「実はこれまで、演技って、与えられたことをやるっていう受身な考えがあって、あまり楽しさを見出せなかったんです。でも今回の作品を通じて、自分じゃない別の人生を生きることができる楽しさを体感しました。深く役に入って、感情でセリフが出るあの瞬間は、たまらないです」
―今後、どのような女優を目指していますか?
「自分が輝くんじゃなくて、作品を輝かせられるようになりたいですね。役者って、自分をどう見せるかより、作品に応じた自分でいられるかどうかが、大事だと思うんです」
ーこれから挑戦してみたいことは?
「お芝居では、自分のイメージから想像できないような役をやってみたいんですよね! 例えば、金髪ギャルで『アゲ〜』とか言っちゃう感じのキャラクターとか(笑)。もっと演技の幅を広げたいです。
あとは、今回の作品を通して、音楽を作ることにも少し自信が持てたので、もっとたくさん音楽を作ってみたいです」
―最後に「あしたのわたしへ」をどんな人に見てほしいですか?
「いま不安や葛藤を抱えている方に、ぜひ見てほしいです。いろいろなキャラクターが、それぞれ悩みや迷いを抱えていて、きっと誰かしらに共感できる部分があると思う。そして、この作品のメッセージで、少しでも前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいです」
―ありがとうございました!
ワンピース ¥7,260/すべてビームスドット
『あしたのわたしへ 私の卒業 ―第3期―』
2022年3月18日(金)より、新宿バルト9にて限定公開中
高校の卒業は、多くの生徒たちにとって、人生における初めての大きな岐路。進学、就職と言った進路の問題や、恋人や友人との関係の変化など、その岐路において数々のドラマが生まれる。そんな高校生の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれるストーリーを提案していく「私の卒業プロジェクト」。第3期となる今回も、静岡県伊東市を舞台に、高校生たちが自身の行末に思い悩みながらも、それぞれが決断をしていく、そんなドラマが繰り広げられる。
公開情報は新宿バルト9のホームページまで!
■予告編
■作品情報
【公開】3月18日より新宿バルト9にて限定公開
【タイトル】あしたのわたしへ 私の卒業 ―第3期―
【出演】永井彩加 織部典成 / 三原羽衣 南北斗 / 立石ケン 片田陽依 足川結珠
小高サラ 加藤菜津 宮本和奏 道北陽菜 中正夕愛 木村魁希 簡秀吉 奥野太陽 桜木雅哉 さかたりさ 伊藤雛乃 菅田愛貴 八木拓海 村田寛奈 島太星 他
【脚本】松本美弥子 高石明彦
【音楽】片田陽依 高石明彦
【監督】高石明彦 北川瞳
【撮影協力】伊東市
【プロデュース】高石明彦 花田聖
【企画・制作】The icon
片田陽依プロフィール
かただひより
年齢:17歳(2022年3月現在)
誕生日:2004年11月20日
出身値:奈良県
身長:158cm
趣味:歌唱・ピアノ・似顔絵・作曲
所属事務所:ワタナベエンターテインメント
NHK公共メディアキャンペーン「MEWE 2分で爆速SDGs ジェンとダー」、東海テレビ「顔だけ先生」10話、WOWOWオリジナルドラマ ショートショート劇場「こころのフフフ」1話などに出演。明光義塾グラフィック広告メインモデルで掲載中。
Photo:Chihiro Ishino
Styling:Saori Minegishi
Hair&Make-up:Yuko Umezawa
Text:Tomoka Uendo