Teen's Snapshots

内なるモヤモヤを油絵にぶつけて。自分の感情と向き合うために描き続ける【りん・17歳】

内なるモヤモヤを油絵にぶつけて。自分の感情と向き合うために描き続ける【りん・17歳】

「気になる10代名鑑」の57人目は、りんさん(17)。都内の美術系の高校に通いながら、制作した作品を展示やSNSで発信しています。独創的で、鮮やかな色をふんだんに盛り込んだ油絵を描くりんさんの、作品づくりへの想いに迫ります。

■りんを知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「東京都出身の17歳です。今は公立の芸術高校に通っていて、油絵を描いています。学校内での展示に出品しています。

これまで、私の絵を気に入ってくださった方から依頼を受けて、販売したこともあるんですけど、仕事として本格的にはまだやっていません。今は学校の課題や受験勉強が忙しくて……。時間があれば、今すぐにでもしたい。今日もさっきまで、通っている画塾に行ってました」

 

 

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Q2. どんなことを大切にして、作品づくりをしていますか?

「何よりも、自分のために描くということ。作品制作をすると、自分の中にある感情と向き合うことができるんです。完成したイメージが自分の中にあって、それを描くというよりは、モヤモヤやわだかまりといった、自分の中にあるよくわからないものを探っていく感じ。

たとえ、向き合った結果が『やっぱりわからない』だとしても、それはそういうものだと受け入れる。無理な追求をしないようにして、絵を描いています」

Q3. どんなものから影響を受けていますか?

「自分の中の感情と向き合うために絵を描いているので、具体的にこれといったものはないですが、自然が好き。家の近くに土手があって、夏の夜の涼しい時間に、そこを散歩をしながら、いろいろ考える時間が好きです」

 

 

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Q4. 色を選ぶときに、何か意識していることはありますか?

「今は、直感ですね。でも、ちゃんと選んで、自分らしい色を出せるようになりたいなとは思っていて。色を客観的に見れるようになるために、色彩検定を受けるための勉強をしているところなんです。3年生のうちに、2級を取得するのが目標です」

Q5. どんなときに幸せを感じますか?

自分が作品を通して伝えたかったことを、絵を見てくれた方が汲み取ってくれたときですね。あとは、散歩をしていて、ふと『いいな』って思える道などに出会えたときも、幸せを感じます。美術館や博物館、地元の人しか行かないような神社を回るのが好き。特に、東京国立博物館は高校生は無料なのでお気に入りです」

Q6. 宝物を教えてください。

 家にある漫画すべてです! もともと両親の影響で、家に漫画がたくさんあったので、小さいときは、自由帳によく模写をしていました。古い作品ですけど『リングにかけろ』とか『包丁人味平』とか、あとは『サザエさん』も全巻そろっていました

Q7. 普段はどんな友達と一緒にいることが多いですか?

「中学のときから仲良くしている友だちがふたりいて、その子たちとは、趣味も恋愛観も、将来目指すものも全然違うけど、生きるうえでの価値観が近いので、一緒にいることが多いです。逆に、高校の友達は、みんなそれぞれ作品をつくっていることもあって、自分とは違った価値観をもつ子も多いです。

ひとりで出かけることも好きだけど、友達といると刺激を受けるし、くだらないことで笑っていられる。やっぱり友達の存在は大きいです」

 

 

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Q8. 生きる上でのポリシーがあれば、教えてください。

やりすぎなくらい前向きに。『ま、いっか』の精神を大事にしています。私自身、ポジティブな人間で、ストレスになるようなことがあっても、ストレスと認めたくない気持ちがあったりする。それが良いとこでもあり、良くないとこでもあるとは思うんですが、作品づくりにはそういう性格が活きてきている気がします」

Q9. 今後の目標は?

将来は、作家として活動したい。だけど、ひとつの職業に留まる必要もないと思っているので、いろいろなことに挑戦したいと思っています。

直近だと、今年の5月に、学校の有志で開かれる作品展へ出品する予定です。今年は美術館での卒業展示も予定しているので、構想を練っていかないといけないし、いよいよ美大受験に向けて頑張らなきゃなっていうところです

Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。

いろんなことが起こる中、湧いてくるいろんな感情を、みんなで大事にしていきたい。中には発信したくない、自分の中にとどめていたい感情もあるし、あって当然だと思うんですが、でも、ふさぎ込みすぎないでほしいなって思います。

大変な時代ですが、ゆっくり焦らずに、それなりに頑張っていきましょう」

■りんの今日のファッション

コート/LOWRYS FARM ワンピース/FREE’S MART バッグ/ママからのおさがり

「服へのこだわりは正直あまりなくて、その日の天気や気温で、適当に選ぶことが多いです。学校の校則は厳しくないので、髪色は自由。いろんな髪色の友達がいますし、私も遊んでいます

■りんのSNS

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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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