
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ソマリアで海賊行為が増加している現状について紹介します。
1000件以上の海賊行為
みなさんはソマリアで起きている海賊行為について聞いたことがあるでしょうか。ソマリアでは1991年にシアド・バーレ政権が反政府勢力などに倒されたことにより、中央政権が崩壊しました。治安が不安定となった結果、ソマリア海域では違法漁業がさかんに。外国の船舶が資源を搾取するようになりました。小規模漁業で生計を立てていた漁師は漁獲量の減少に直面し、その一部が海賊となったと言われています。
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海賊行為は2000年代からソマリア沿岸で横行し、2005年から7年にわたり、ソマリア沖では海賊行為が1000件以上あったと確認されています。海賊の多くは身代金目的で商船や貨物線を狙い、交渉は数か月から1年以上かかることもあったそうです。世界経済に数十億ドルの損失をもたらし、数千人の乗組員が人質に取られ、海賊行為をおこなう人々やその資金提供者に対して、4億ドルもの身代金が払われたと言います。
しかし、多国籍海軍によるパトロールの強化などにより、ソマリア沖の海賊行為は大幅に減少し、2013年以降はほとんど発生しなくなりました。
いちどは減少した海賊が復活
2026年4月以降、ソマリア周辺では8件の海賊事件が報告されており、海賊行為が再び活発化しています。
4月にはパラオ旗を掲げた石油貨物船が海賊に攻撃され、1000万ドルの身代金を要求しました。どちらの船も武装警備員を乗せておらず、9月にパキスタン人、ミャンマー人、インド人を含む5人が死亡したと報じられました。ソマリア海賊による船員の死亡は、10年以上ぶりとみられます。
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今回の作戦で容疑者16名が逮捕されました。しかし、ソマリアでは別の救出作戦でも容疑者41名が拘束されたものの、そのうち28名が刑務所への移送中に脱走する事件が起きており、治安当局の管理体制や地元警察の関与が問題視されています。
海賊行為の増加の背景にあるもの
アジアや中東からヨーロッパを目指す船舶の半数は、2023年ごろから続くイエメンのフーシ派の商戦への攻撃などの影響で、紅海やスエズ運河を迂回していました。さらに、2026年2月末に米国・イスラエルとイランの軍事衝突が激化し、中東周辺の海上輸送の安全に対する懸念が一段と高まります。
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こうした状況を受け、多くの船舶がスエズ運河を通るルートを避け、アフリカ南端の喜望峰を回る迂回ルートを利用するようになりました。しかし、このルートでは航行距離や日数が増え、燃料費などの輸送コストも多くかかります。また、航路変更によりソマリア沖の周辺を通る船舶が増えたことなどにより、海賊にとって標的となる船舶が増加したという見方もあるようです。
加えて、中東情勢の悪化により、多国籍の海軍部隊がホルムズ海峡や紅海周辺の警備に重点を置くようになり、ソマリア沖の警備態勢も手薄になっているという指摘も。このように、船舶の航路変更や海軍戦力の分散など、複数の要因が重なり、ソマリア沖で海賊行為が再び活発化する一因になっていると考えられています。
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海賊対策の強化は、地元住民の生活にも影響を及ぼしています。2026年8月、ソマリア北東部の沿岸都市では海賊が漁師に紛れて活動することへの懸念から、漁師の出漁を2カ月間禁止する措置が取られました。しかし、漁業を主な収入源とする地元の漁師たちは、収入を得る手段を奪われ、生活が苦しくなったとの声も上がっています。
一方、商船を海賊の襲撃から守るためには、船舶側の警備体制も重要です。ソマリア沖では、民間の武装警備員の乗船が海賊被害の抑止に役立ってきたとされています。中東情勢の悪化によって海上輸送の安全への懸念が高まるなか、乗組員の安全確保や経済的損失の防止に向けて、引き続き海賊対策が求められています。
References:
アフリカ日本協議会 -Africa Japan Forum-「ソマリア市民社会の声」
INSTITUTE FOR SECURITY STUDIES「Somali piracy returns: a warning from the Western Indian Ocean」
Text:Hao Kanayama






