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生成AIをあえて使わない「AIヴィーガン」が登場? 多様化するAI利用への価値観を考える【Steenz Breaking News】

生成AIをあえて使わない「AIヴィーガン」が登場? 多様化するAI利用への価値観を考える【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、生成AIが大きく進化する中で登場した、AIをあえて利用しない人々「AIヴィーガン」についてご紹介します。

進化を続ける生成AI。最新モデルが続々リリース

とどまるところを知らない生成AIの進化。今秋、多くの人が利用するChatGPTやClaude、Geminiで最新モデルのリリースが相次ぎました。

ChatGPTを開発するOpenAIは10月26日(米国の現地時間)、最新のAIモデル「GPT-6.1 Terra」を公開。これは9月に公開された「GPT-6 Astra」に次ぐモデルで、性能とコストのバランスに優れているとされ、一部の有料プランで個人でも利用できるようになっています。

Claudeを開発するAnthropicも、9月22日に「Claude Opus 5.5」を公開。前モデルから大幅なコスト削減と性能向上を実現したと発表しました。

また、Googleの生成AI「Gemini」も、10月13日にAIモデル「Gemini 4 Argon」を一般向けにリリースしています。10月28日には最新モデル「Gemini 4 Carbon」を発表。このモデルは現在、一部組織のみに提供されていますが、今後順次一般の人も使えるようになる見込みです。

国内での利用者も増加の一途をたどっている

最新モデルの投入でそれぞれの生成AIの性能が上がり、利便性が向上する中、国内における利用者数も増加し続けています。

マーケティングリサーチ事業をおこなう日本リサーチセンターが10月27日に発表した『【NRC デイリートラッキング】生成AIについて 2026年9月調査』によれば、国内の20~69歳男女を対象に調査したところ、生成AIの「利用経験率」は2026年9月に58.9%に達したといいます。

また、同調査では「現在利用率」も53.1%となり、いまや多くの人が生成AIを日常的に利用していることが明らかになりました。

一方で、AIをあえて使わない「AIヴィーガン」も登場

そうした中で最近、「生成AIをあえて使わない選択をする人々」の登場に注目が集まっています。

イギリスの大手一般紙『The Guardian』など欧米の一部メディアでは、そうした人々を動物由来の食品を一切口にしない「ヴィーガン」になぞらえ、「AI Vegans(AIヴィーガン)」と呼称して紹介。当事者へのインタビューなどもおこないながら、どのような考え方や行動をする人たちなのかを解説しています。

なお、筆者の調べでは、AI利用を拒む人たちの存在にスポットライトが当たり始めたのは2025年後半からのようです。現在では、アメリカ発のオンライン掲示板・コミュニティ「Reddit」で反AIコミュニティに数万人が参加していることが明らかとなっています。

なぜAIを拒むのか

では、生成AIの利用を避ける人たちは、なぜそうした選択をしているのでしょうか。いくつかの記事を読んでみると、理由はひとつではなく、複数あることが分かります。

まず、環境負荷の観点です。以前、Steenz Breaking Newsでも取り上げましたが、生成AIはひとつのタスクをこなすのに多くの電力と水を消費します。利便性の裏側で大きなエネルギー消費が起こっていることを問題視し、「AIを使わない」という選択に行き着く人も多いようです。

また、権利侵害などの倫理的な問題点をAIを拒否する理由に挙げる人もいます。例えば、ヨーロッパ各地のニュースを報道する『Euronews』では、生成AIの学習データにクリエイターの許可なく利用されたデータがあることを問題視した学生がAIヴィーガンに転じた様子が描かれていました。

あるいは、人間の能力低下に危機感を覚え、AI利用を避けることに決めた人もいるようです。生成AIの利用が人間の思考力などにどのような影響を与えるのかについては、まだ研究の途上にあります。しかし一方で、今年4月、カーネギーメロン大学、オックスフォード大学、マサチューセッツ工科大学などの研究者からなるチームの研究において、AIを使うことで人間の粘り強さが低下し、AIがない環境下でのパフォーマンスが落ちる可能性があることが指摘されました。そうした研究結果に見られるように、便利なAIが人間の能力や成長機会を奪うことを問題視し、AIをあえて使わない選択をとるケースもあるようです。

「アナログ回帰」のトレンドと重なる?

こうしたAI利用を避ける動きは、昨今広がっている「アナログ回帰」のトレンドに影響を受けている部分もあるのかもしれません。

編み物やデジタルカメラ、有線ヘッドホンの流行、TikTokでの「Analogmaxxing(アナログのライフスタイルを追求すること)」のマイクロトレンド化などから分かるように、近年、若い世代の間で昔ながらの趣味やツール、ライフスタイルへの関心が高まっています。コスパやタイパといった効率性を求める世界から離れ、手や足を動かして自分らしい経験を求めていく――そうした価値観の追求の中に、「あえてAIを使わない選択をする」という考え方も加わってくるのかもしれません。

AIを使うか否か。使うとすれば、どのような場面で、どのような役割をAIに担わせるのか。その判断は人によって様々です。AI活用が浸透してきた今だからこそ、「AI利用」に対する多様な価値観の存在が浮き彫りになってきていると言えるのではないでしょうか。

Text:Teruko Ichioka

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Teruko Ichioka

ライター・編集

フリーライター。好奇心の強さは誰にも負けない平成生まれ。得意領域もスタートアップ、ビジネス、アイドルと振れ幅が広い。

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