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ケニアの住宅問題に「キノコ」で挑む。持続可能で安価な新建材に注目【Steenz Breaking News】

ケニアの住宅問題に「キノコ」で挑む。持続可能で安価な新建材に注目【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ケニアで開発されたキノコを利用した家を紹介します。

ケニアで深刻化する住宅不足

アフリカでは人口増加に伴い、住宅不足が懸念されています。日本の人口増加率は-0.5%であるのに対し、ケニアは1.9%です。ケニアでは、200万戸を超える大幅な住宅不足が生じており、年間の住宅需要は25万戸に上っています。建築資材などの価格高騰も課題のひとつであり、特に中・低所得者向けの手ごろな価格帯の住宅が不足しているそうです。

国連によると、こうした住宅不足により、「キベラスラム」といったスラム街などのインフォーマル居住地には約270万人が暮らしています。住宅を確保できない人々がインフォーマル居住地に集中することは、過密化や水・衛生設備、道路、排水などのインフラ不足にもつながるとして、懸念されています。

キノコの特性を活かした建築資材

こうした問題を解決するべく、ケニアの首都ナイロビにある企業「MycoTile」は新たな技術を活用した安価な建築資材を開発しました。その主な材料は、なんとキノコ。MycoTileが保有するキノコ農場では、食用ではなく、建築用としてキノコが栽培されています。

MycoTileの代表、Mtamu Kililoは、キノコを生育する培地がレンガのように見えたことをきっかけに、自宅の食品庫で菌類を生育し、自宅のオーブンで実験を開始しました。

 

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現在、MycoTileは農業廃棄物(トウモロコシの芯、コーヒーの殻、サトウキビの搾りかす、米の殻など)とキノコ菌糸体と結合させ、建築資材を生産しています。

キノコ菌糸体とは、キノコの本体ともいえる細い糸状の構造のこと。MycoTileでは、農業廃棄物の中で菌糸を成長させ、繊維同士を結合させたあと、熱処理し乾燥させることで建材を製造しています。

こうしてできた建材は、壁や屋根の断熱材として使用でき、遮音性や難燃生も備えているそう。首都ナイロビは標高約1,800メートルに位置し、日中は20℃台でも夜間は10℃前後まで冷え込むことがあります。こうした地域では、断熱性能の高い建材を使うことで、室内の温度を快適に保ちやすくなるのです。同社によると、通常の住宅建築で使用する断熱材と比べて価格は3分の2程度。報道によると、実際にMycoTileの建材を使った住宅に住む女性は、日中は暑すぎず、夜間も寒くないと話しています。

さらに、環境面でもメリットがあります。MycoTileは年間約250トンの農業廃棄物を原料として活用。製造時の水の使用量は従来の断熱材と比較して約80%、エネルギー使用量は約50%削減できるとされています。また、菌糸体由来のパネルは生分解性があり、堆肥化も可能だといい、建材だけでなく、家具や包装資材への活用も想定されています。

 

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住宅不足、廃棄物問題の改善にも

今後も、住宅需要の増加が見込まれているケニア。現在、MycoTileはケニア産業研究開発機構(KIRDI)の協力のもと、月間約3,000㎡の建築パネルを生産しています。これまで廃棄されてきた農業廃棄物とキノコを建築資材へと変えるという発想は、住宅不足と廃棄物問題というふたつの課題を同時に解決する、新たな可能性となるかもしれません。

References:
World Bank「Population growth (annual %) – Japan」
World Bank「Kenya Data」
AAK「STATUS OF THE BUILT ENVIRONMENT REPORT」
UNITED NATION KENYA「UN Common Country Analysis Report for Kenya」
Tel「MycoTile Panels」
Mycotile「Home」
SCRIBD「Nairobi County Development Plan 2025/26」
AP「A mushroom farm in Kenya and fungi-based panels give hope for sustainable building」
Myco Stories「Kenyan Startup Turns Agricultural Waste Into Affordable Housing Mycelium Panels」
UMDIS「What We Know About Kenya’s Mushroom Industry: Trends and Insights」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

ウガンダ在住。アフリカ専門ライター/音楽フェス・イベントプロダクション等。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。

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