
「気になる10代名鑑」1414人目は、Miyabiさん(16)。アメリカ・オクラホマ州に留学し、現地の先住民族と交流した経験から、先住民族との共生社会について発信をしています。知識を増やすだけでなく、当事者の声を直接聞くことが大切だと話すMiyabiさんに、活動を始めたきっかけや留学中の出会い、将来の展望について聞きました。
Miyabiを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「世界中の先住民族との共生社会の実現を目指して、学んだことを発信する活動をしています。
きっかけは、『トビタテ!留学JAPAN』を通じてアメリカのオクラホマ州に留学したことです。現地で、ネイティブ・アメリカンの人たちと交流しながら、歴史や文化、現在抱えている課題について学びました。
先住民族というと、過去の歴史の話で、現代に生きる自分にはあまり関係のないことだと思う人も多いと思います。でも、いまも差別を受けていたり、奪われた土地の返還を求めていたり、自分たちの権利を守るために活動している人たちがいます。そうした現状を、特に日本の本州に住む人たちに知ってもらいたいと思っています。
これまでには、ラジオに出演して先住民族について学ぶことの大切さをお話ししたり、Instagramで発信したりしてきました」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校1年生の夏に、学校のプログラムでニュージーランドに3か月間留学したことがきっかけです。
最初から先住民族について学ぼうと思って留学したわけではありませんでした。留学先のハミルトンという地域で、歴史の授業で先住民族のマオリについて学ぶ機会がありました。いちばん仲良くしていた友だちのお母さんがマオリだったこともあって、自然と興味を持つようになりました。
特に印象的だったのが、学校で開かれたダンスイベントです。マオリやフィジーなど、いろいろなルーツを持つ生徒たちが、自分たちの伝統的なダンスを披露していました。その姿が本当に力強くて、自分の文化やルーツに誇りを持っていることが伝わってきたんです。
それから、マオリではないニュージーランドの友だちにも、マオリについて質問してみたんです。そうしたら、歴史や文化、現在の差別の問題まで、本当にたくさんのことを教えてくれました。
そのとき、もし海外の人から『アイヌってどんな民族なの?』と聞かれたら、自分は北海道の先住民族だということくらいしか答えられないなと思ったんです。自分の国の先住民族についてほとんど知らなかったことが、すごく恥ずかしくて。
日本でも、もっと自然に先住民族について学べる環境をつくれないかなと思ったことが、いまの活動につながっています」

Q3. 活動をしているなかで、印象的だったことは?
「オクラホマで『パウワウ(Powwow)』という、さまざまな部族の人たちが集まって、伝統的なダンスや音楽を披露するイベントに参加したことです。
当時のわたしは、アメリカの国旗に出会った人たちのサインを集めていて。でも、ある男性にお願いしたら、『アメリカの国旗に抵抗がある人もいるから、書けない』と言われたんです。
そのとき、自分がまだまだ歴史を理解できていなかったことに気づきました。申し訳なくなって謝ると、『知らなかったんだから仕方ないよ。そういう人もいるって知ってくれるだけでいいんだよ』と言ってくれて。
ほかにも、ある女性が『あなたのような若い人が学んでくれる限り、私たちの文化はなくならない』と話してくれたことも印象に残っています。
現地の人たちが本当に温かく迎えてくれて、学ぼうとすること自体にも意味があるんだと感じました。だからこそ、現地で教えてもらったことを、今度は自分が多くの人に伝えていきたいと思っています」
Q4. 活動するうえで、大変だったことは?
「先住民族について学ぶこと自体が難しかったです。
最初は日本の先住民族について知ろうと思って、アイヌ文化交流センターを訪れたり、映画の上映会に参加したりしました。でも、実際に学べる場所や機会は意外と少なくて。
それに、自分が当事者ではないからこその難しさも感じました。
以前、沖縄出身のトビタテの先輩から『琉球の人たちを先住民族だと思う?』と聞かれたことがあったんです。そのとき、そもそも自分は当事者ではないのに、誰が先住民族なのかを勝手に決めていいのかなと思いました。同じ民族の中でも、考え方や感じ方は人それぞれ違うと思うんです。
だから、知識を増やすだけではなくて、実際にその人たちの声を聞くことが大切なんだと感じました。自分が学んだことを発信するときも、そのことは大事にしたいと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「すべての子どもたちが、当たり前に夢を持つことができる社会をつくりたいです。
オクラホマで、ネイティブ・アメリカンの女優さんにインタビューをしたことがありました。その人は、ずっと夢だった俳優の仕事ができているけれど、ネイティブ・アメリカンを題材にした作品以外では、なかなか役をもらえないと話していました。『自分はネイティブ・アメリカンという枠だけで見られるのではなく、ひとりの俳優として活躍したい』と語る姿が印象的で。
その話を聞いて、いまでも自分のルーツによって、夢を叶えるためのチャンスが限られてしまう人がいるんだと感じました。先住民族について学ぶうちに、そもそも自分が自由に夢を持てるのは、平和な環境で暮らしていて、挑戦できる機会があるからなんだと気づきました。
将来は大学で国際関係や社会について学び、平和や国際交流に関わる仕事に挑戦してみたいです。加えて、先住民族について学ぶことも、もっと身近なものにしていきたいと思っています。
わたしは、争いや差別が起きる背景には、お互いのことを知らないことや、対話が足りないことがあると思っています。だから、まずはいろんな文化や歴史を知ることが大切なんじゃないかなって。
先住民族学習って、つらい歴史や差別について知るだけではないんです。オクラホマでは、伝統と現代のカルチャーを組み合わせながら、自分たちの文化を次の世代に残そうとしている人たちにも出会いました。そういう明るい部分や、いま頑張っている姿も伝えていきたいです」

Miyabiのプロフィール
年齢:17歳
出身:東京都
趣味:映画鑑賞
特技:ドラム
大切にしている言葉:置かれた場所で咲け
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuka Miyazaki






