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最終回!アメリカで実感した「自立」の正体 Ai in New Jersey #24【Steenz Abroad】

最終回!アメリカで実感した「自立」の正体 Ai in New Jersey #24【Steenz Abroad】

こんにちは。2025年8月からアメリカに留学しているAiです。

ついに連載も最終回。今回は、アメリカで何を学んだかをご紹介します。

「留学」というと、わたしはもともと語学力の上達など、アカデミックな要素が多いと考えていました。しかし、振り返ってみると、わたしの場合は「人格」に大きく影響を及ぼす経験になったと思います。同時に、それはわたしが「留学をしたから」ではなく、「留学時に自分と向き合った結果」だと強く感じています。

もちろん、英語力や異文化への理解が深まったことも留学の大きな成果です。ただ、それ以上に、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちと生活する中で、自分と他人を必要以上に比較しなくなったこと、「本当の意味で自立できたこと」は大きな変化だったと思います。

こちらは一般的なアメリカの寮の写真です。

わたしにいちばん大きな影響を与えたのは、「寮生活」でした。

寮生活が始まってわたしが最初に感じたことは「とにかく狭い」「ルームメイトが常に約2m圏内にいる」ということでした。常に人といる環境では、パーソナルスペースを自主的にとる重要性と人との距離感について考えさせられました。これまで日本で家族と暮らしていたわたしにとって、アメリカでほかの学生とともに暮らす毎日は驚きの連続でした。自炊を含む家事など、家族に頼っていた部分を異国の地でひとりでおこなうことは非常に大きな変化でした。

特に、わたしの寮では、トイレやお風呂、洗面所などがすべてフロアごとに共同であったため、24時間いつでも人と顔を合わせ、その都度英語やときにはスペイン語を使用する機会が生まれます。言語力への影響を考えるかもしれませんが、当事者になって体験してみると「ひとりの時間がない」「日常の中で常に人と合意しながら暮らさなければいけない」「掃除や洗濯、自炊などをすべて両立させる難しさ」など、多くの壁を感じました。

一方で、わたしにとっては「人の視線を必要以上に気にしなくなったこと」も、大きな変化のひとつでした。

日本にいたころのわたしは、「周囲からどう見られているか」「周りと比べて自分はどうなのか」ということを、無意識のうちに気にしていたように思います。しかし、アメリカでの生活では、周囲が想像以上に他者に興味がないことを強く感じました。ひとりでいたいときはひとりでいて、誰かに話しかければ会話が始まる。そんなふうに自分を優先する生活をするうちに「正しい生き方はひとつではない」ということを、知識としてではなく、自分自身の生活を通して実感するようになりました。

ただ、これは単に「自由になった」ということではありません。共同生活だからこそ、自分の自由と同時に、他者の自由も尊重しなければなりません。生活時間や掃除、共有スペースの使い方、友人を部屋に呼ぶかどうかなど、小さなことひとつひとつについて、相手と話し合い、互いに納得できる方法を探す必要があります。

つまり、寮生活を通してわたしが学んだ「自立」とは、何でもひとりでできるようになることだけではありません。

自分の意思を持ちつつも、他者の意思も尊重し、その間にあるズレを自分たちで調整していくこと。

それが、わたしにとっての「本当の意味での自立」でした。

まとめ

改めて、留学を終えて英語力以上に大きく変わったのは、自分自身との向き合い方でした。

自分と他人を比べすぎないこと。自分の価値観を必要以上に他人に合わせないこと。そして、自分とは異なる価値観を持つ人を「間違っている」と決めつけず、その違いをそのまま受け入れること。

頭ではわかっていても、実際にそう考えられるようになったのは留学で経験したさまざまな出来事があったからだと思います。

だからこそ、わたしにとって留学とは「海外で勉強すること」だけを意味しません。

知らない環境に自分自身を置き、これまで当たり前だと思っていた価値観を一度外側から見つめ直し、その中で「自分はどう生きたいのか」を考える時間。そして、そこで起きたひとつひとつの出来事に向き合い、自分自身について考え続けたこと。この「留学経験」が最終的にわたしを変えてくれたと思います。

これまでこの連載を読んでいただき、本当にありがとうございました!

Ai(渡邉亜衣)のプロフィール

北極に魅せられた国際活動家であり、音楽を軸に生きる表現者。17歳で訪れたグリーンランド最北のカナック村での経験をきっかけに、気候変動や地域社会への関心を深め、2023年にはドバイで開催された「COP28」に登壇し、現地の声を国際社会に届けた。音楽の分野では、国内外でライブを企画・出演しながら、社会との接点を模索。現在は国際バカロレアの知見を活かし塾講師として働く一方、大学で自らの活動をさらに深めている。

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Ai

2005年生まれ、神奈川県出身。立教大学 Global Liberal Arts Program 在学中。高校時代にはグローバルビジネスコンテストで世界一を受賞し、さらにグリーンランド最北のカナック村での体験をもとに、2023年にはドバイで開催された「COP28(国連気候変動枠組条約締約国会議)」に登壇するなど、国際的な舞台で活動を広げてきた。一方で、音楽分野では全国表彰の受賞や国内外でのライブ主催を行い、社会課題と音楽を結びつける表現に力を注いでいる。芯のある中音域とソウルフルな表現力を強みとし、演歌からゴスペルまで幅広いジャンルを歌いこなす。国際バカロレア(IB)資格保持者で、現在は留学生ライターとしても活動し、2025年夏からニュージャージーに留学している。

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