
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、国際美術展「TOKYO ATLAS」をご紹介します。
街中にアートを展開する国際美術展「TOKYO ATLAS」
2026年10月10日(土)から12月20日(日)まで、東京の湾岸エリアを舞台に国際美術展「TOKYO ATLAS」が開催されています。あえて東京の日常にアートを置き、街の光景と一体化させる試みで、多様な価値観との出会いや交流を目指して行われるものです。
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日常的に市民が利用している公園などに置かれたアートから何が見えてくるのでしょうか。今回は、テレコムセンター、台場公園やアイルしながわに展開されているアートを中心に紹介していきます。
存在感に圧倒される草間弥生のバルーン作品/テレコムセンタービル西棟
テレコムセンタービル西棟のアトリウムに登場したのは草間弥生のバルーン作品「ヤヨイちゃん」と「宇宙へ行って見た愛の花束」。草間さんは2026年8月に逝去されましたが、生前に考えられていたプランに基づいた展示となっています。
2012/2023と2021のバルーン作品を組み合わせ、5階分の吹き抜けエリアを狭く感じてしまうほどの作品として構成されています。「TOKYO ATLAS」アーティスティックディレクターで草間彌生美術館長の建畠哲氏によると「ヤヨイちゃん」は草間さんの自画像であり、「宇宙へ行って見た愛の花束」は世界や宇宙を埋め尽くす愛の象徴なのだそう。

「ヤヨイちゃん」(2012/2023)、「宇宙へ行って見た愛の花束」(2021) 草間弥生
「草間さんは常に世界の天災や戦争などの状況へ、芸術や愛の力で世界を救済するというメッセージを発していました。そして、作品作りを通して自分自身をも救済していました。このインスタレーションには自他の同時救済があり、草間さんの作品としてはとてもシンボリックなものです」(建畠哲氏)
まるでこの空間に合わせて作ったかのようなぴったり感です。吹き抜け上階にも入れるので、上からも眺めて、受ける印象の違いを感じ取ってくださいね。

「ヤヨイちゃん」(2012/2023)、「宇宙へ行って見た愛の花束」(2021) 草間弥生
歴史的背景のある地で文脈を読み解く/台場公園・お台場海浜公園

何の変哲もない砂浜に見えるが、足を踏み入れると一変する
砂浜が広がる「お台場海浜公園」。人工的につくられた砂浜ではありますが、砂を踏む感覚は柔らかく、スクイーズを触るときのような癒しの感覚が味わえます。そんな砂浜を歩いている時に、突如遭遇するのが石毛健太のサウンド・インスタレーションです。
砂浜の中に音響装置が埋め込まれており、振動と音が鑑賞者の足と耳に伝わってくる仕組み。音声は在日米軍向けのラジオだったり、お台場の歴史を英語にしたものだったり。作品と鑑賞者の意図しない出会いを作って来た石毛氏らしいインスタレーションです。

「Somthing in the Air」(2019) ジャオ・ヤオ
お台場海浜公園は、「台場公園」へとつながります。海を見ながら歩いていくと眼下の窪地に展開しているのは「Somthing in the Air」。中国四川省出身のジャオ・ヤオによる巨大なバルーン作品です。ヤオ氏は、チベット仏教を身近に感じながら育ったことから、チベット仏教からインスピレーションを得た作品をつくることが多いそう。
今回はチベット仏教で作られる「マニ石」を巨大化させています。本来の「マニ石」は経文を文字に書くもので、たくさん作ることで信仰を深めるのですが、それを64万倍にしているのだそう。書かれている文字は「精神は一切を凌駕する」。タイトル通り、ただならぬ気配が漂っていますが、それは単なる違和感なのか、信仰なのか――。
このエリアでは他にも、イケムラレイコ氏や水木塁氏などのアートが設置されています。
空気がゆがむようなアート空間/アイルしながわ
かつてはゴミの集積場として使われていた空間を、多目的施設として再活用している「アイルしながわ」。こちらでインパクトを放っているのは笹岡由梨子の映像インスタレーション「アラベスク」(2026)です。

9つのモニタと両脇の幕で構成される6分間の作品で、演劇の仮設小劇場のような雰囲気を漂わせています。しかし、その構成は単純ではなく劇場自体が生きものであるように動き、呼吸しているような気配。さまざまな物が集まり、また出て行った元ゴミ集積場である会場の記憶を引き継ぐかのような、無機物に命を吹き込むような不思議な体験ができます。
このエリアでは他にもキムスージャ氏や盛圭太氏などのアートが展開されています。
最先端のアートを見られる国際美術展「TOKYO ATLAS」
12月20日(日)までと、長めの期間が設けられている国際美術展「TOKYO ATLAS」。最先端にいるアーティストたちの作品を無料で見られるようになっています(体験イベントは一部有料)。秋の散策の目的地にはもちろん、用事でそばまで行った時に立ち寄るのもOK。外に展示されている作品は天候や時間帯によっても受ける印象が変わるので、何回も見に行くのもおすすめですよ。






