
「気になる10代名鑑」の1409人目は、岡部桃果さん(19)。高校時代に結成したバンド「Berry Pickin’」でギターボーカルを務めながら、作詞・作曲を続けています。曲のテーマにしているのは、普段の生活の中で見過ごしてしまうような小さな感情や出来事だという桃果さんに、音楽を始めたきっかけや曲づくりで大切にしていること、これからの夢について聞いてみました。
岡部桃果を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「中学生の頃から始めた音楽活動です。現在は、高校時代に結成したバンド『Berry Pickin’』でギターボーカルを務めながら、作詞・作曲活動を続けています。
このバンドは、当時軽音の大会に出場するという目標から、楽器の演奏経験があることや、オリジナル曲をやりたいと思っていることなどを条件にして、いっしょに活動するメンバーを選出しました。高校卒業後は、就職や学業の影響で活動頻度は減りましたが、ライブに誘ってもらう機会があれば、みんなで集まるというペースで活動を続けています。
わたし自身、少しでも多くの人に自分の音楽が届いてほしいという思いで音楽活動を続けているので、いつかはフジロックなどの大型フェスや、いろいろなジャンルの人が集まる場所で演奏することが夢です」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「音楽を始めたきっかけは、中学生のときのコロナ禍でした。家にあったギターを弾いているうちに、好きなアーティストのような曲を自分でもつくってみたいと思うようになり、作曲にも挑戦するようになりました。
最初は自分なりにつくってみたものの、なかなか思い通りの曲にならなくて……。空間の広がりを感じられるような音楽をイメージしていたのに、実際につくってみるとポップになりすぎたり、逆に平坦になってしまったり。頭の中にあるイメージをうまく表現できずにいました。そんななか、高校の軽音楽部の大会ではオリジナル曲で全国大会を目指せることを知って。そこから『自分の曲をもっと多くの人に聴いてほしい』という思いが強くなり、本格的に曲づくりを始めました。
当時は、アコースティックギターを片手にカラオケにこもる日々でしたね。ひたすら作曲とギターの練習を重ね、半月ほどかけて1曲を仕上げました。自分が作りたかったものをはじめてかたちにできたことで、少しずつ自分の曲にも自信を持てるようになりました」
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Q3. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「作曲をするときのテーマは、『生活』です。普段なら見過ごしてしまうような感情や小さな喜び、誰かにわざわざ話すほどではない出来事に目を向けて、『曲にしたい』と感じた瞬間をメモしています。
例えば、冬の車内で、結露した窓に指で絵を描くこと。それだけで『冬だな』と感じられて、わたしにとっては小さな楽しみのひとつです。そんな何気ない情景を、冬につくった曲では『車窓で指を踊らせる』という歌詞にしています。
作詞では、難しい言葉をできるだけ使わず、やさしくてわかりやすい言葉を選ぶことも意識しています。簡単な言葉でも、組み合わせ方によって、難しい言葉以上に的確で強い響きになると思っているからです。
以前、札幌のお店でもらったステッカーに『また、楽しくなろうね』と書かれていました。その言葉を見たとき、『こんなに簡単な言葉なのに、こんなにかっこよく響くんだ』と感動して。自分自身も楽しくなりたいと思えたし、素直に嬉しい気持ちになりました。わたしも音楽を通して、日常の何気ない感情をすくい上げて、誰かの心に残る言葉や気持ちを届ける側になりたいです」
Q4. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「レコーディングについてのワークショップに、ベースのメンバーと参加したときのことが印象に残っています。はじめて自分たちの音源を出すためにレコーディングをすることになり、そこで『音像を一致させる』という考え方を学びました。
例えば、完成した音源を聴いたときに『どこからどんな音が聞こえてほしいのか』『曲全体をどんな雰囲気にしたいのか』。そうした完成形のイメージを、メンバーみんなで共有することの大切さを知りました。それまでは、頭の中にあるイメージを自分の中だけで完結させてしまうこともありました。でも、ワークショップで学んだことを実際のレコーディングで試してみると、自分が思い描いていたイメージに、完成した音源を近づけることができたんです。
いまもデモをメンバーに渡すときには、『ここはこういう気持ちで弾いてほしい』と伝えるようにしています。ただ音を合わせるだけではなく、どんな気持ちで演奏するのかまで共有すること。それは、いまの曲づくりでも大切にしています」

Q5. 将来の展望は?
「将来は、音楽を続けられる環境を自分で整えながら、夢に向かって走っていきたいです。
音響の仕事は休みや勤務時間が不規則になることもあるので、働きながらバンド活動を続けられるような働き方を選びたいと思っています。そしていつかアルバムをつくって、フェスにも出演してみたいです。好きなバンドと対バンしたり、自分たちでライブを企画したりすることにも挑戦したいです。
何かに追われていると、自分が納得できる曲をつくれないからこそ、音楽と向き合うための余白も大切にしたいと思っています。曲をつくりたいときにはつくって、そうではないときには外へ出たり、家でのんびりしたり。そんなふうに、自分のペースを大切にしながら暮らしていきたいです。
大きなことを語るというよりも、そのときの自分が感じている身近な感情を大切にしながら、自分なりの視点で音楽をつくり続けていきたいと思っています」

岡部桃果のプロフィール
年齢:19歳
出身地:北海道札幌市
所属:北大軽音楽研究会、Berry Pickin’
趣味:音楽鑑賞、キャッチボール
特技:子供に話しかける
大切にしている言葉:
Photo:Amakata Himari
Text:Serina Hirano






