
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、より良い世界と平和の実現に向けてテクノロジーを活用した事業に挑戦する、日本発のピーステック企業についてご紹介します。
9月21日は「国際平和デー」
9月21日は、国際連合が定めた「国際平和デー」です。この記念日は、世界の人々が願う‟国際平和”を推進する日。国連はこの日だけは敵対行為を停止するよう、すべての国と人々に働きかけています。また、世界各地でも、毎年多くの地域や団体、学校などが国際平和デーを記念したさまざまな取り組みをおこなっています。
そんな世界を結び付ける記念日にちなみ、本稿では、平和の実現を目指すべくテクノロジーを活用して事業を開発・展開する「ピーステック企業」を取り上げたいと思います。
2025年、国内で『ピーステック・アワード』が始動
ピーステック企業をご紹介するにあたって、今回筆者が注目したのが、昨年よりスタートした『ピーステック・アワード』です。
この授賞式の目的はふたつ。ひとつが、デジタル技術などのテクノロジーを活用し、平和を阻害する社会課題の解決に挑むスタートアップ企業などを発掘すること。もうひとつが、そうした企業の成果をたたえ、国内のピーステック産業を創出することです。
第1回のアワードは、昨年5月19日に東京・渋谷で開催されました。応募総数150社のなかから10社がファイナリストとして選ばれ、最終ピッチ審査を経て、4社が各賞を受賞しました。
今回は特に個人の暮らしに直結する2社に着目。事業内容やミッションなどを見ていきたいと思います。
3Dプリント義足のインスタリム株式会社
まず触れたいのが、インスタリム株式会社です。同社は、『第1回ピーステック・アワード2025』でグランプリに輝きました。事業領域は、義肢装具、つまり義足です。3DプリンティングとAI技術を活用して安価かつ高品質な義足を製造し、東南アジアや南アジアの国々で提供しています。
2018年に創業した同社が課題と捉えているのは、世界中で約9000万人もの人々が義足を購入できない状況にあること。それを解決すべく、従来の義足と同程度の品質を保ちながらも価格を10分の1以下に抑えた「3Dプリント義足」を製造・販売しているのです。
製品を自社で直接販売するだけでなく、義足の3D設計・製造の技術を企業に提供して材料販売をおこなうライセンス事業や、義足の製造・販売をおこなうクリニックのノウハウなどを提供するフランチャイズ事業も展開。3つの事業を軸として、世界中で必要な人に義肢装具が届くよう企業活動をおこなっています。
これまでは東南アジアや南アジアでの事業に力を入れてきましたが、今後は日本国内での事業展開にも注力するとのこと。グローバルと日本、双方で挑戦を続けていくといいます。
水問題の解決に挑むWOTA株式会社
続いてご紹介するのは、危機管理部門賞に輝いたWOTA株式会社です。2014年創業の同社は、世界で深刻化している水不足や水質汚染など、水にまつわるさまざまな問題の解決を目指しています。

非常に大きな課題のように感じられますが、WOTAの提案する解決方法はわたしたちの身近なところにあります。それは、生活排水を水源として再利用すること。日々の暮らしで出た排水を下水道に流し、浄水場で一括処理して海や川に綺麗な水として戻すのではなく、排水が出たその場で水を処理し、生活用水として再利用しようというのです。
同社は、そうした仕組みを「小規模分散型水循環システム」として提唱。そして、使用した水の最大98%をその場で再利用できる水循環型手洗いスタンド『WOSH』や、生活排水の最大97%を安全な水に再生する家庭用水循環システム『WOTA Unit』などを開発・提供しています。これらの製品は、震災の被災地をはじめ、限られた水を使用しなければならない場面などで活用されています。
【令和8年熊本地震:応急給水支援|民間25社・個人1名による協賛を通じ、医療・福祉現場への支援体制を強化】
この度の令和8年熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。… pic.twitter.com/jnEtqdIh0i
— WOTA (@wotacorp) August 25, 2026
世界平和の実現に改めて思いを馳せてみて

昨今、気候変動による自然災害や紛争など、世界各地で人々の穏やかな暮らしを脅かす問題が発生しています。たびたび目に入る暗いニュースに憂鬱な気持ちになってしまうこともありますが、平和を目指し、社会問題の解決に向けて挑む企業の存在を知ると、少し勇気が湧いてくるかもしれません。
今年の国際平和デーは、技術活用で平和の実現に挑む「ピーステック」に着目しながら、世界で多くの人が平穏無事で豊かな生活を送れるよう、わたしたちにできることを改めて考えてみてはいかがでしょうか。
Text:Teruko Ichioka






