
「気になる10代名鑑」1383人目は、橋本康生さん(19)。弓道の動きをデータ化し、指導を支援するシステムの研究に取り組んでいます。自身の弓道経験から開発をはじめた橋本さんに、そのきっかけやこれからの夢について聞きました。
橋本康生を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「弓道をテーマに研究しています。具体的には、Webカメラで弓を引く動作を撮影し、骨格検出技術を使って肩や腕、体幹などの動きを数値化し、射形を客観的に評価するシステムを開発しています。
現在は弓道部員の協力を得ながら、熟練者から初学者までの射形データを収集し、分析を進めています。将来的には、分析結果を練習中にリアルタイムで確認できるシステムの実現を目指しています。
また、研究活動とは別に、最近は地元鹿児島の奄美大島の学生を対象に、学生同士が交流し、夢や進路について考えるきっかけをつくる『HACK DOM』という団体を設立しました」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「中学時代から弓道部に所属していることです。
その中で、射形の指導では指導者の経験や感覚に頼る部分が多く、自分の射がどの程度正しいのかを客観的に確認する難しさがあると気づいて。
ぼく自身、先生によって指導の基準が異なることで、自分の射を見失い、悩んだ経験があります。そこで、熟練者と初心者の射形をデータとして比較すれば、熟練者に共通する特徴を明らかにでき、それを初心者の指導に生かせるのではないかと考えました」
Q3. 自身の活動に影響を与えたものは?
「柳明日菜監督・主演の映画『レイニーブルー』です。高校生だった柳さん自身が映画部を立ち上げ、脚本を書き、街を観察しながら映画をつくっていく姿を描いた作品です。鹿児島では上映されず、同じ九州の熊本でも観る機会も逃してしまったので、愛知まで観に行きました。
高校生が自分で映画をつくるために行動していることに惹かれて観に行ったのですが、周囲から理解されなくても、自分がやりたいことに向かって動き続ける姿が強く印象に残って。
『やりたいことがあるなら、自分の価値観を大切にして動いてみよう』とすごく背中を押してもらいました」

Q4. 活動するうえで、印象的だった出来事は?
「全国の高専生や大学生、大学の先生、企業の方など、学校の外にいるさまざまな人との出会いです。
研究を始めてから、学会やコンテストに積極的に参加するようになり、少しずつ学校の外での出会いが増えていきました。
特に印象に残っているのが、第26回理工系学生科学技術論文コンクールで特別賞を受賞した経験です。大学生や大学院生の受賞者と交流する中で、研究を続けながら新しい学問に挑戦している同世代や先輩の姿に刺激を受けました。それまで就職を考えていましたが、こうした出会いをきっかけに、大学に進学してさらに研究を続けたいと思うようになりました。
ひとりで研究しているだけでは出会えなかった人たちと関わることで、新しいアイデアや進路、次の挑戦が生まれていったことが、ぼくにとって大きな経験です」
Q5. 将来の展望は?
「将来は、工学博士を取得し、大学教授になることが夢です。
研究活動の中でさまざまな人と出会う中で、自分の進路について考え直すようになり、来年4月から大学に進学することを決めました。
大学・大学院でも研究を続け、現在取り組んでいる弓道の指導支援システムを全国の弓道場に広げたいと考えています。また、弓道に限らず、工学やデータをスポーツと組み合わせ、一人ひとりの身体や特徴に合わせた練習方法を提案できる研究にも挑戦したいです。
一方で、研究だけでなく教育やエンタメにも関心があります。いつか、さまざまな学生が集まり、『研究って楽しい』『これをやってみたい』と思えるような『世界一楽しい研究室』をつくりたいです。
最近設立した団体『HACK DAM』でも、これまで自分が人との出会いからもらってきた『挑戦するきっかけ』を、今度は誰かに渡していきたいと思っています」

橋本康生のプロフィール
年齢:19歳
出身地:鹿児島県鹿児島市
所属:鹿児島工業高等専門学校
趣味:シール集め、シール交換
特技:双子を見分けること
大切にしている言葉:「勉強は楽しい!仕事は楽しい!人生は楽しい!」「挑戦のコスパとタイパどっちも最高!!」
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