
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、宇宙から地球に物資を輸送する機器や技術の開発とその事業化に取り組む日本発のスタートアップ企業についてご紹介します。
9月12日は「宇宙の日」
今日から4日後の9月12日は「宇宙の日」です。この日は毎年、JAXAなどが宇宙についての普及・啓発を目的としたさまざまな取り組みをおこなっています。

「宇宙の日」は、1992年に定められました。制定のきっかけは、1992年が国際宇宙年(ISY)、つまり世界中の国々で協力して宇宙や地球環境について考えようという年だったこと。日付は、毛利宇宙飛行士がスペースシャトルで宇宙へ飛び立った日であることから9月12日に決まりました。
進化を続ける宇宙開発。今年4月には月の周回に成功
「宇宙の日」にちなみ、ここからは少し、最近の宇宙開発について振り返ってみましょう。
宇宙を目指す人類にとって、直近で最も大きな話題といえば、やはり「Artemis Ⅱ(アルテミスⅡ)」ではないでしょうか。これは、アメリカの航空宇宙局(NASA)による有人の月探査ミッションのことです。
このアルテミスⅡでは今年4月、4名の宇宙飛行士が宇宙船で月の周りを飛び、地球へと帰還することに成功しました。人類の宇宙開発はいまや、月を周回できるほどに進化を遂げたのです。
It’s not just a phase 🌕
Artemis II astronauts captured these views of the Moon as the Orion spacecraft flew around the far side of the Moon on April 6, 2026. pic.twitter.com/lT7245Gp28
— NASA (@NASA) April 8, 2026
しかし、まだ技術開発が求められる分野も
しかし、当然のことながら、宇宙と地球を自在に行き来できるような未来の実現には、まだ技術開発の余地が多く残されています。
そのうちのひとつが、宇宙から地球へと物資を輸送する技術です。現在、世界では年間でおよそ300回以上のロケットが打ち上げられているそう。一方で、宇宙から地球に戻ってくる便は年に数回程度だといいます。

宇宙開発を進める上では、宇宙環境がどのようなものかを深く理解するためにも、宇宙での実験や技術実証が欠かせません。さらに言えば、実験だけでなく、そのサンプルを地球に持ち帰り、詳しく分析することで見えてくるものもあります。ですが、宇宙からの帰還方法が限られてしまっていると、そうした貴重なデータを取得する機会を減らしてしまうかもしれないのです。それは、ひいては宇宙開発の可能性を狭めてしまうことにつながりかねません。
「宇宙からの帰還技術」に挑むスタートアップ企業
そうした課題と向き合い、宇宙からの帰還・輸送技術の開発に取り組む日本のスタートアップ企業が、株式会社ElevationSpaceです。
同社は2021年に創業。「誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにする」というミッションを掲げながら、無人で宇宙環境を利用し、物資を回収できるプラットフォーム「ELS-R」や、有人拠点から無人で高頻度に物資を回収するサービス「ELS-RS」などを開発・提供しています。
ElevationSpaceの強みは、「大気圏再突入・回収技術」にあります。日本が得意とする小型衛星の大気圏再突入・回収技術を基盤とし、大気圏への再突入に必要な推進装置から再突入カプセルまで、一連の仕組みや装置を自社開発しているそうです。
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熱真空試験を実施しました!🛰️
\当社の開発する初号機「AOBA」フライトモデルの熱真空試験を実施しました。
本試験により、軌道上環境で想定通りの熱設計ができていることを確認できました。… pic.twitter.com/B1iOnRbRTX— ElevationSpace (@ELS_inc_PR) August 27, 2026
なぜ「宇宙からの帰還・輸送」に取り組むのか?
では、ElevationSpaceはなぜ、宇宙からの帰還・輸送技術をターゲットとして事業化に取り組むのでしょうか。その答えは、創業者で代表取締役CEOの小林稜平さんの学生時代にありました。
秋田県で高等専門学校に通っていた小林さん。在学中、19歳のころに「宇宙建築」という分野と出会います。その後、小林さんは東北大学に編入。大学で宇宙建築の知見をさらに深める中で、宇宙で人が生活するためには建物以外のインフラを整備する必要があることに気がつき、宇宙からの輸送手段が欠けていることに思い至ったそうです。その結果、ElevationSpaceの創業と現在の事業展開につながったといいます。
【プレスリリース🛰️】
このたび、ElevationSpaceはシリーズBラウンドにおいて、総額64億円の資金調達を実施しました。これにより、2021年2月創業以降の累計調達額は約101億円に達しました🚀
👇詳細はこちらhttps://t.co/KHa2pmmWgM
— ElevationSpace (@ELS_inc_PR) June 19, 2026
ElevationSpaceは今後、2027年以降に予定されている小型再突入衛星「あおば」の打ち上げならびに地球への帰還プロジェクトなどをはじめとして、さまざまな取り組みを進めていく計画を明かしています。それらの計画が実現されれば、日本発の技術とサービスが、世界の宇宙開発に欠かせない要素となる――そんな未来が訪れるかもしれません。
Text:Teruko Ichioka






