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夢は、生きる力を与えるミュージカルダンサー。心と体の声に耳を傾け、自然の摂理に抗わない踊りを目指す【吉居諒子・19歳】

夢は、生きる力を与えるミュージカルダンサー。心と体の声に耳を傾け、自然の摂理に抗わない踊りを目指す【吉居諒子・19歳】

「気になる10代名鑑」1393人目は、吉居諒子さん(19)。小学5年生のときに観に行った劇団四季「キャッツ」の舞台に魅了され、以来ミュージカルの道を目指し、フリーで活動しています。「優等生的な生き方をするのではなく、自分がやりたいと思ったことをやっていきたい」と力強く語る吉居さんに、そう考えるようになったきっかけや将来の展望を聞いてみました。

吉居諒子を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

「ミュージカルダンサーを目指しています。高校卒業後はフリーのダンサーとして、アルバイトをしながらジャズダンス、バレエ、タップダンス、歌、演技など週に10回ほどレッスンに通う毎日です。

勉強も嫌いではなかったので大学進学を考えたこともありましたが、夢を叶えるためにはひとつに集中するべきだと思い直しました。プロのレベルを意識して、でも自然の摂理に抗わない表現を大事にしながら、日々自分のからだと向き合っています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「小さいころから、家で流れている曲で踊ったり親の前で歌ったりと、自由な表現が大好きでした。4歳から近所のバレエ教室に通いはじめましたが、5歳のときにたまたま見かけた新体操教室に魅了されて。バレエのしなやかさとは裏腹に、爆発的な身体表現である新体操に心惹かれました。

ミュージカルへの道が開けたのは、小学5年生のとき、作曲家や彫刻家など芸術一家で育った母が連れて行ってくれた劇団四季『キャッツ』の舞台でした。キャストたちの極限の肉体が、音に包まれ、光を浴びて、舞台の上にあることが本当にかっこよくて。

まさに小さいころ、わたしが家でやっていたことが、この舞台の上で実現されている感動もあり、『ここで踊ったらきっと楽しい、この舞台から放たれるエネルギーのうちのひとりになりたい』と思ったんです。

その後舞台芸術を学べる高校へ進みダンス部に入り、高校2年の夏から本格的にミュージカルダンサーを目指し始め、いまに至ります」

 

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Q3. 活動する中で、印象的だった出会いは?

「昨年の夏からバレエとジャズダンスを教わっている先生は、ダンスを見ながら力んでいるところを見抜いてくれる人で、わたしが大事にしている“抜き”を体現したような踊りをします。軸がありながら、余計な力はまったくない……。なぜか見てしまうような、自然の摂理に則った踊りをするんです。

わたしのルーツは5歳から始めた新体操で、『休まない』『膝に力を入れてピンと伸ばす』のような新体操ならではの美の価値観を自分も内面化してしまっている気がします。だからこそ、いままでの正しいから少しでも違うことをするのが怖いと感じることもあります。

でも、ずっと力いっぱいな踊りは見ていてやっぱり苦しいと思うんです。コントロールの中にふと緩みを感じた瞬間に、人はすっと引き込まれます。わたしのダンスもエネルギッシュさの中に“抜き”をつくり、自然や物理の法則の中に存在しているような、“偶然”や“緩急”を意識して練習しています」

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

「高校卒業後フリーとしてレッスンに励む日々を選びましたが、自分の人生を自分で決めていくことの葛藤や迷いは常にあります。もともと成績や周囲からの評価を気にしてしまう性格でしたが、フリーになってから感じたのは『結局どこへ行っても、自分が変わらないと評価を気にする自分は変わらない』ということでした。

実は中学2年生のとき、摂食障害を患い、入院するほど危険な状態まで自分を追い込んだことがあります。社会は痩せていることを讃え、努力できる人を評価します。そうした世間的に良いとされていることを、とにかく頑張ればいいと思っていました。でも、その結果自分自身が壊れてしまったんです。この経験から、ダンスだけでなく日々の生活でももっとからだの声を聞いたり休むことの罪悪感を減らしたり、“抜き”を大切に生きるようになったんです。

いまでも、『舞台で活動する仕事は、サイズ感とか見られるよ』と言われますし、自分もそう感じることもあります。自分のなかに『体育会系の自分』と『抜きなさいとささやく自分』が共存している感じです。

これからは優等生的な生き方をするのではなく、自分の心が少しでもやってみたいと思ったことを抑え込まずにやっていきたいです」

Q5. 将来の展望は?

「しばらくは、日々のレッスンの積み重ねを頑張って、へこたれない強靭さを身につけたいです。

今年11月初旬に、高校生の頃から通っている教室の公演に出る予定です。人の前で演技と歌を披露する貴重な機会なので、実際立ってみたらどういう気持ちになるのか、いまから楽しみです!そうやって場数を踏んで色々経験して、成長していきたいですね。

将来は、劇団四季に入り、自分が舞台を観て感じたような『明日も頑張って生きよう』という気持ちを届けたいです。劇団四季は、25歳まで応募できる研究生制度があり、歌やダンスを1年間学ぶことができます。その後即戦力になるとすぐ舞台に出るという仕組みなので、まずは25歳までに研究生になることが目標です。『いろんなことをやっているうちに、夢はすぐ近くに来ることがある』という親の言葉を信じて、後悔ないように毎日を過ごしたいです」

吉居諒子のプロフィール

年齢:19歳
出身地:神奈川県藤沢市
趣味:踊ること
特技:計画を立てること、新体操
大切にしている言葉:堂々としていればいい。

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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa

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ライター

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