
「気になる10代名鑑」1359人目は、色川歩杜さん(19)。 宮城県女川町と仙台市の二拠点生活を送りながら、サマースクール運営や地域の名産である銀鮭を広める活動をしています。自身もサマースクールでの経験や出会いをきっかけに、深い女川愛を育てていった色川さんに、その出会いについてのお話や将来の夢を聞いてみました。
色川歩杜を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「大学に通いながら、宮城県仙台市と女川町の二拠点生活を送り、女川町でふたつの活動に従事しています。
ひとつは、高校生向けサマースクールを運営する一般社団法人HLABで、『HLAB サマースクール MIYAGI-ONAGAWA』の財務・広報統括をしています。
ぼく自身も、高校生のときにこの活動を通じて、自分というひとりの人間を受け入れてくれる地域や大人に出会い、人生観が大きく変わる経験をしました。いまはかつての自分のような高校生に向けて、多様な生き方に触れるきっかけを提供しています。
さらに、女川町で活動人口を増やすために、地域資源である『銀鮭』を発信することにも力を入れていて。特定非営利活動法人アスヘノキボウのスタッフとして、4月にオープンした飲食店『女川銀鮭広報部』の副店長を務めています。
女川町は銀鮭の生産量が35年以上日本一なのですが、意外と知られていなくて。その魅力を発信しながら、SNSなどを通して、女川を知るきっかけをつくることがいまのぼくの使命です」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「高校1年生のときに、『宮城県内の学生は参加費が安いから』という軽い気持ちで、HLABに参加したことがすべての始まりでした。
HLABは、高校生と大学生、そして社会人が寝食を共にしながら、リベラルアーツをベースに学び合うプログラムを提供していて。地域で過ごすうちに、たくさんの大人にも出会えて、自分自身の大きな成長につながったと思っています。
その後、HLABの運営に関わる中で、アスヘノキボウの代表理事の後藤大輝さんに出会ったんです。後藤さんが語る女川町の復興の話や、町の人たちの熱い思いに触れ、この場所をもっと深く知りたいと思うようになりました。
そこで、2月から約2カ月間、女川での『お試し移住』を決意し、後藤さんの家でいっしょに暮らしながらインターンを始めることになりました」

Q3. 活動する中で、印象的だった出会いは?
「やはり、後藤大輝さんとの出会いがいちばん大きいです。お試し移住での共同生活を通じて、後藤さんはひとりの人間として、ぼくの得意な部分や可能性を深く見てくれました。
特に印象的だったのは、インターンとして活動を継続したいと伝えたときのことです。後藤さんは『学生だから補助業務を』と考えるのではなく、新しくオープンする飲食店の副店長という大きな役割を任せてくれました。
年齢に関わらず、信じられる人間に責任ある仕事を託すという後藤さんの采配に驚くと同時に、自分をひとりの大人として認めてくれたことが、本当に嬉しかったです。
あのとき後藤さんのそばで過ごした時間が、いまの活動の原動力になっています」

Q4.活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「周りのインターン生と比較して、自分の仕事のスピードが遅いことや、一度に抱えられるタスクの量が少ないことに気づいたときは、壁を感じて落ち込むこともありました。
自分は革新的なアイデアを次々と生み出すタイプではなく、いまあるものをかたちにしたり、発信したりするほうが得意だと感じていたので、推進力のある周囲と比べて焦ってしまったんです。
当時、いっしょに住んでいた後藤さんは、ぼくの様子を見てタスクを減らすのではなく、『どうすればそのタスクをこなせるようになるか』を考えてくれました。そのおかげで、他人と比較するのではなく、自分がやりたいことに向き合えるようになったんです。
いまでは当時よりも多くの仕事を抱えられるようになりましたし、後藤さんがいなければ、いまの自分はいないと強く感じています」
Q5. 将来の展望は?
「短期的には、『女川といえば銀鮭』というイメージを定着させたいです。そして長期的には、町と出会う人を増やしていきたい。
移住定住だけを目指すのではなく、HLABや飲食店の活動を通じて、女川町で活動することの魅力をひとりでも多くの人に知ってもらい、人と地域が交差する瞬間を増やしていくことが目標です。
自分自身の将来については、特定の完成形を決めるのではなく、『将来ありたいと思える姿』を描き続け、そこに向かって常に歩み続けられる人間でありたいと思っています。
時代に合わせて自分を変化させながら、常に成長し続け、誰かに求められる存在でいたいです」

色川歩杜のプロフィール
年齢:19歳
出身地:宮城県仙台市
所属:東北学院大学地域総合学部政策デザイン学科、特定非営利活動法人アスヘノキボウ、一般社団法人HLAB
趣味・特技:カメラ、ドライブ、旅行、料理(作り置き)、プレゼン
大切にしている言葉:誰かがいるから成り立っているというように思えるということは、誰かも自分に対してそう思っているということ。
色川歩杜のSNS
この投稿をInstagramで見る
Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






