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同級生の半数が修学旅行に行けない現実を見て。沖縄県の貧困を解決すべく挑戦を続ける宮古島出身の大学生【平戸凰雅・19歳】

同級生の半数が修学旅行に行けない現実を見て。沖縄県の貧困を解決すべく挑戦を続ける宮古島出身の大学生【平戸凰雅・19歳】

「気になる10代名鑑」1378目は、平戸凰雅ひらどおうがさん(19)。大阪・関西万博のイベントでグランプリを受賞した、琉球工芸と現代ファッションを掛けあわせたアイデアをきっかけに、地元・沖縄県でのビジネスを構想しています。なかでも、高校の同級生たちの姿から目の当たりにしたという構造的貧困の解決に取り組む平戸さんに、活動のきっかけや原動力、そして将来の展望について聞いてみました。

平戸凰雅を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

沖縄県宮古島出身の大学1年生です。沖縄県北部にある北山高校で寮生活をした経験から、沖縄県の構造的貧困問題に関心を持ちはじめ、現在は問題解決に向けたソーシャルビジネスを立ち上げる準備をしています。

高校3年生のときにはじめて2500名規模の『高校生みんなの夢AWARD in大阪・関西万博』に出場しました。そこで沖縄の伝統工芸品を守るために現代のファッションを掛けあわせてラグジュアリーブランドを立ちあげるというビジネスを発表し、グランプリを受賞してから、一層本気スイッチが入ったんです。

中学・高校時代に陸上選手として培った、目標に対して貪欲に自分らしく進みつづけるという非認知能力を活かして、いろいろ挑戦しているところです

 

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Q2. 活動を始めたきっかけは?

沖縄県は南北格差が激しく、ぼくが行った高校のある本島北部は日本の中で最も貧困地帯と言われています。

実際に、学年の約半数が費用を払えずに高校最後の修学旅行に行けなかったり、生活保護の対象で塾に通うお金がない状況を目の当たりにして。どこかこの問題を解決しなくてはいけないという義務感を抱くようになりました。

そして高2の2月に、県費で中国に短期留学したときにプログラムの一部として、沖縄の伝統工芸品を紹介したんです。久米島紬などの染め織物の歴史や風通しのよさ、風土との相性、また現代のファッションと掛けあわせた新たな伝統工芸のかたちをAIを使って提示したところ、想像以上に周りからの反応が良くて。

『高校生みんなの夢AWARD in大阪・関西万博』では、昔はカジュアルだったものをいま、『ラグジュアリー』なものに昇華させる、つまり昔と現代の当たり前を掛けあわせることに挑戦しました。話を聞いた博多人形の職人さんが、伝統とは魂は大事にしながらかたちを少しずつ変えていくもの、伝承とはかたちを変えずにそのまま受けつぐものだと言っていたことが印象に残っています。

自分のファーストビジネスにするには負担が大きすぎるために一旦このアイデアは寝かせている段階ですが、大会でグランプリを受賞したことは、いまの活動の原動力になっています

Q3. 活動をする中でつらかったことは?

沖縄の構造的貧困問題は決してひとりでは、一代では解決にいたることができない問題です。その上、歴史的そして環境的な要因も絡んでいるため、どの軸で活動していったらぼくだからこそできる貢献ができるのか、まだまだ模索中です。

また、大学に入学して現在東京に住んでいるため、なかなか沖縄の地元でのビジネスに取り組みづらいことも悩みですね。もちろん現地での調査や作業ができないこともありますが、東京でのコネクションも薄いです。

せっかく日本の首都にいるので、これからどんどん、自分が置かれている環境をうまく活用していきたいと考えています

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?

他の人から学ぶ、素直に助けを求めるということを大切にしています。

ビジネスコンテストに向けて準備していたとき、実績なども全くなかった高校生の自分に、幼馴染が彼の親の知り合いという宮古島のある企業の社長を紹介してくれて。さらに、その社長が市長にもつなげてくれて、1時間話をしたことがありました。沖縄県の、小さなコミュニティだからこそ人同士をすぐにつなげてくれる文化に助けられたましたね。

そしていまはビジネスパートナーのような関係の父をはじめとした、家族との関係も大きいです。親は陸上でのスカウトを受けて偏差値38の高校に行くという決断も応援してくれましたし、自分と対等な立場に立ってぼくの意志を尊重してくれます。実はいまも、親が運営している沖縄そばのお店でAI導入を任せてくれていて。ぼくが目指している、貧困問題をめぐるソーシャルビジネス立ちあげへの一歩を彼らのおかげで踏みだせたと思います

Q5. 将来の展望は?

誰もが夢を見れる社会』を目指してボトムアップの支援をおこない、沖縄県の貧困問題を解決することです。ぼくはこの活動を長期プランで考えていて。理想論に聞こえるかもしれませんが、実際にその現実を目の当たりにしたからこそ、理想論でもそれを追求していきたいです。

直近の目標では、学生のうちに起業を経験して、自分が持つ知識やアイデアがビジネスの世界でどのように機能するのかを見極めたいと思っています。国際的なビジネスの流行やAIについて勉強するのも好きなので、ステーブルコインを取りいれたビジネスはどうだろうか、などいろいろと考えを巡らせています。これも、大学生のうちに一本の軸に定めたいですね。

最終的には上場企業を設立して沖縄県で登記し、沖縄の良さを活かした、貧困問題を直接的に解決するビジネスをやっていきたいです。そして沖縄の外に住んでいる人たちにもぼくの愛する沖縄を見てほしいと思います

平戸凰雅のプロフィール

年齢:19歳
出身地:沖縄県宮古島市
所属:早稲田大学社会科学部
趣味:海に行くこと 走ること
特技:陸上、駅伝
大切にしている言葉:いちゃりばちょーでー

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Photo:Nanako Araie
Text:Ririka Takashima

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Ririka Takashima

ライター

2006年生まれ。早稲田大学国際教養学部にて、英文学を中心に比較文化学や認知科学、国際関係学など多領域を横断して学ぶ。「一期一会」をモットーに、世界中の価値観に触れながら自らの感性をアップデート中。境界線のない自由な視点で、新しい世界の切り取り方を探求している。

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