
こんにちは。2025年8月からアメリカに留学しているAiです。今回は、わたしが感じる教育やキャリアの考え方について、アメリカと日本の共通点や違いについて紹介します。
人との信頼関係が重要
まずは、共通点の話ですが、「海外に行くなら言語力がいちばん大事」だと思っている方、かなりいるのではないでしょうか。わたしも最初はそうでした。もちろん、言語力は大切です。しかし、それ以上に、「人との信頼関係を築く姿勢や誠実さ」は、国や文化が違っても共通して価値のあるものだと感じました。海外に挑戦する上で本当に必要なのは、「完璧な英語」ではなく、「相手を尊重し、信頼を積み重ねる姿勢」なのではないかと思います。
英語が完璧ではない留学生でも、授業中に積極的に発言するし、約束をきちんと守ったりする人は、多くの友人や教授から信頼を得ていました。反対に、英語が流暢でも、約束を守らなかったり、自分の利益だけを優先したりする人は、深い人間関係を築くことが難しい印象を受けました。
笑顔で挨拶をすること、分からないことは素直に「教えて」と伝えること、相手の話をしっかり聞くことを意識するだけで、言語力以上に「この人なら安心して話せる」と思ってもらえるようになり、自然と友人の輪が広がっていきました。
努力する人は評価される
アプローチの方法は違っても、継続的に努力して成果を出す人が評価されるのは日本でもアメリカでも共通していると感じました。わたしの留学先では、授業中の学生同士の評価が最終成績に反映されていることもありました。毎回課題に真剣に取り組む学生には、学生からも教授からも高く評価されていました。日本でも同様に、元々の能力が高い人だけが評価されるのではなく、「成長しようと努力している姿勢」を見てくれる文化が高校に内申点(生活態度や授業への取り組み)として存在していたことを思い出しました。
わたしも、最初はグループディスカッションで思ったように話せず悔しい思いをすることが何度もありましたが、毎日少しずつ発言し、分からないことはそのままにせず質問し続けた結果、その姿勢を周囲も認めてくれ、グループワークや大きいプロジェクトでリーダーを任せてもらえるようになりました。
環境や国が変わっても、地道な努力を積み重ねる人は必ず誰かが見ていて、評価してくれるということを学びました。
自己主張の仕方には違いがありそう
一方、アメリカと日本でことなるところのひとつ目は自己主張の仕方です。
まず、わたしが留学生活でいちばん学んだことは、「個がアイデンティティを理解しあう社会の構造」です。わたしは留学先の学校で最初の2週間、自分の内向的な性格を隠し、みんなに好かれるような明るいキャラクターを演じていました。しかし、そんな自分を作り続けることは長くは続かず、積極的にさまざまな人に声をかけつつも、自分らしさを大切にするように意識しました。
その結果、無理をせず自然体でいられる友人関係を築くことができたんです! アメリカでは、「みんなポジティブで社交的」と思われがちですが、多種多様な人がいる環境だからこそ、自分らしさを持ちながら人と関わることがとても大切だと思います。
でも、日本では、自分自身を主張すること以上に、相手の立場や気持ちを考え、空気を読みながら行動することが重視されますよね。一人ひとりが周囲に配慮することで、円滑な人間関係や信頼関係が築かれ全体の調和を保ちながら役割を果たすことによって、お互いを尊重し合う関係づくりをして、お互いに安心して協力できる環境をつくる印象です。お互いが尊重しあえる関係づくりの方法には違いがあるんだと思います。

キャリア観にも差がある
アメリカでは、転職は前向きな選択として捉えられているように、経験やスキルがあればどんどんキャリアアップしていくようです。逆に企業は大卒であっても、ある程度即戦力となるスキルや経験を持った人材を採用する傾向があります。評価も年齢や勤続年数ではなく、「どのような成果を出したか」が重視されるため、自分の専門性を磨き続けることが重要です。
一方で日本では、ひとつの会社で長く働きながら経験を積み重ねる文化が根強く残っています。そのため、新卒採用では現在のスキルだけでなく、将来性や人柄を重視し、時間をかけて育成する企業が多いですよね。また、個人の成果だけでなく、チームへの貢献や周囲との協力も評価されるため、組織全体で成果を生み出す姿勢が大切にされていると思います。
議論重視の教育・授業。正解よりも「あなたはどう思う?」
アメリカの授業では、知識を覚えるだけではなく、自分の考えを相手に伝えて、議論する力が重視されます。授業中には「あなたはどう思う?」と意見を求められる場面が多く、正解を答えることよりも、自分なりの考えを根拠をもって説明することが評価されます。わたし自身も留学中は積極的に発言する姿勢が求められ、考えを言葉にする力の重要性を実感しました。
一方、日本では、基礎知識を正確に身につけることを重視した授業が多く、教員の説明を聞きながら理解を深める講義形式が一般的に多いと思います。もちろん近年は生徒や学生が能動的に参加する「アクティブラーニング」も増えていますが、知識を着実に積み重ね、正確に理解する力が教育の土台となっています。そのため、集中力や継続して学ぶ姿勢が育まれやすい環境だと感じます。
アメリカと日本に合う人、合わない人。
アメリカでは、自分から行動し、チャンスをつかみにいく姿勢が高く評価されます。多様な価値観を持つ人々と関わる機会が多いため、自分の考えをうまく言語化して、伝えながら多様な相手の違いも受け入れられる柔軟性が重要です。また、「待つ」のではなく、自ら機会を探し、失敗を恐れず挑戦し、新しい経験を積み重ねられる人ほど活躍しやすい環境だと感じました。
一方、日本では、ひとりで成果を出すことだけでなく、周囲と協力しながら組織全体の成果に貢献できる人が評価される傾向があると思います。周囲に気配りをしつつ、協調性と責任感を持って、継続して努力する姿勢を大切にする文化があり、チームを意識しながら日々の積み重ねることによって信頼を築いていくことが、長期的なキャリア形成につながるのではないでしょうか。

アメリカと日本では、文化や価値観に違いがあるものの、根底にある人との信頼関係を大切にし、努力する人が評価されるという点では共通しています。一方で、アメリカでは自己主張や個人の実績が重視され、日本では協調性やチームでの成果が重視される傾向があります。これらが、教育やキャリア形成の考え方になっているんだと思います。
改めて、アメリカでの留学生活を通して最も学んだことは、「自分らしさを大切にすること」の重要性でした。海外で活躍するために必要なのは、必ずしも完璧な英語力ではありません。必要なのは、自分の考えや個性を無理なく表現しながら、周囲と関係を築いていく力だと感じています。
そして、どちらの国でも、自分の意見を持ちながらも相手を尊重できる人が活躍していく人になるとわたしは思います。これからのグローバル社会、日本国内でも多様な人々であふれていくと思います。そんな中で、自分自身の特性をきちんと自己認知していくことが羽ばたく鍵になると感じました。
Ai(渡邉亜衣)のプロフィール
北極に魅せられた国際活動家であり、音楽を軸に生きる表現者。17歳で訪れたグリーンランド最北のカナック村での経験をきっかけに、気候変動や地域社会への関心を深め、2023年にはドバイで開催された「COP28」に登壇し、現地の声を国際社会に届けた。音楽の分野では、国内外でライブを企画・出演しながら、社会との接点を模索。現在は国際バカロレアの知見を活かし塾講師として働く一方、大学で自らの活動をさらに深めている。






