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一度は離れたテニスで、もう一度全日本優勝へ。プレッシャーに打ち勝ち、人ではなく「なりたい自分」を目指す【辻岡史帆・19歳】

一度は離れたテニスで、もう一度全日本優勝へ。プレッシャーに打ち勝ち、人ではなく「なりたい自分」を目指す【辻岡史帆・19歳】

「気になる10代名鑑」1339人目は、辻岡史帆さん(19)今年プロ転向予定のテニス選手で、過去には全豪オープンジュニアでのベスト8進出、そして全日本選手権も経験しています。一度離れたテニスで、もう一度世界を目指す辻岡さんに、選手活動のモチベーションと将来の展望について聞いてみました。

辻岡史帆を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

埼玉県上尾市のFテニスに所属している左利きのテニス選手です。

次の試合に向けてひたすら練習する毎日を送っています。平日は5時間、土日は3時間半程度、コートで練習します。最近はより力強いプレーを目指して週に3回程度、トレーニングしています。

日本のテニス選手だと粘るプレーをする人が多いですが、小さい頃から海外遠征を経験しているため、早いタイミングで攻撃するプレーができることが自分の強みです。これは小学生の頃から練習しはじめたのですが、通常ボールが弾んで落ちてくるときに打つところを、ボールが弾んで最高到達点に到達する前に打つというスキルです。

オフの日には、読書や映画、アニメ鑑賞をして過ごしたり、自然に触れられる場所へ出かけたりすることが好きなんです。オンとオフを切り替えてリラックスできる時間が、テニスへの原動力にもなっていると思います。」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

はじめてテニスをしたのは3歳のときです。仲のいい従兄弟が地元でテニスを習っていて、兄といっしょにその見学に行ったことがきっかけです。すぐに自然とテニスの魅力にハマりこんでしまいました。

ほかにも幼稚園から小学校低学年にかけて水泳、チア、ヒップホップダンスなどを習いましたが、いちばんしていて楽しかったのがテニスだったんです。

小学校4年生に上がるときに、中学受験を目指すか、テニススクールだけにしぼって本格的にテニスプレーヤーを目指すかという選択を迫られました。

勉強も得意なほうだったのであきらめるのはもったいないという塾の先生、いい学校・いい職業についてほしいという親、そしてテニスの道を極めてプロになろうという情熱的なテニスのコーチなど、まわりにはいろいろな意見があって。それでも、最終的にはテニスをしているときの純粋な楽しさ、そして自分のもつ可能性を試してみたいという思いで、中学受験の塾を辞めました。

このときから、海外遠征にも積極的に行き、テニスと本格的に向きあいはじめました

Q3. 活動をする中でつらかったことは?

12歳で初めて全国優勝し、シード権がついて、周りの人からのプレッシャーをより強く感じるようになりました。そのせいで、14歳で出た試合ではあまりいい結果を残せなくて。

グランドスラムの予選試合などでも本選に上がりたい、上がらなくてはいけないというプレッシャーがあり、本来の自分だったら勝てたところを、競ったあとに手が震えて最後の一点が取れなかったりしました。そしてそのままテニスの楽しさを昔のように感じることができずに、16歳のときにずっと通っていたテニススクールを辞めたんです。

当時は高2で周りが大学受験や将来のことを考えはじめているなかで、母はわたしをアメリカの大学に行かせたがり、コーチはプロにさせたがりました。わたしは、そのとき自分がなにを求めているのかわからなくて。テニスをやめようと思って3ヶ月くらい休みを取りました。でも休んでいる間にも、テレビやスマートフォンでプロテニスのグランドスラムの試合を見ては、自分もこんなふうにプレーできたら、とイメージを膨らませていました。

そんなとき、父が偶然近くで仕事があったときに上尾のテニススクールの話を聞いてきてくれて。とりあえず行ってみたら、久しぶりに純粋にテニス自体が、ボールを打つことが楽しかったんです。そして今のFテニスに所属することになりました

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?

アスリートとして、メンタルを安定させることは常に意識しています。テニスの試合中は頭の中で考えすぎて、足が動かなくなることもあるんです。わたしは『まあ大丈夫。どうにかなるっしょ』的なポジティブマインドはないので、あったらよかったなと思いますね。

だからこそ、所属しているZEN大学では、実際に海外遠征のときにも役に立っていると感じる英語や経済学以外にも、心理学の授業を自分で選び学んでいます。

テニスから離れていた高2の3ヶ月の間に初めて読んだエッセイ本『365日のWONDER ブラウン先生の格言ノート』をときどき読みかえすこともしています。テニスの世界では自分の力を証明できる方法が結果しかなかったので、やっぱりプレッシャーを感じたり、同じ世代で勝ち上がっている人が気になったりします。でもこのエッセイを読んで、人を目指すのではなく自分がなりたいものを目指す、自分のやり方で、このままでもいいんだなと思えるようになりました

Q5. 将来の展望は?

「直近の目標は、全日本選手権で優勝すること、そして2029年までにグランドスラムの舞台に立ち、日本代表として世界と戦うことです。最終的な夢は、グランドスラムのタイトルを獲得して世界一になり、わたしのプレーやその裏にある想いを通して多くの人に勇気とエネルギーを与えられる存在になることです。

いろいろな選手を部分別に参考にしているのですが、特にわたしと同じ左利きで攻めるプレーがかっこいい土井みさき選手や、『イライラしたときに標識の止まれを思いうかべる』というメンタルのコントロール方法が印象的なロシアのミラ・アンドレーワ選手は、ロールモデルです。

自分にとってのいちばんのサポーターは家族です。テニスに詳しいわけではないけれど、送り迎えをしてくれたり、試合前に『勝ってきて』ではなく『楽しんできて』と言ってくれたりと、わたしの体調面でも精神面でも本当に支えになっています。そんな家族の存在があるからこそ、自分がやり切ったと思えるところまで挑戦しつづけたいと思います

辻岡史帆のプロフィール

年齢:19歳
出身地:埼玉県所沢市
所属:Fテニス、ZEN大学
趣味:読書、映画・アニメ鑑賞
特技:お手玉
大切にしている言葉:Just be who you want to be, not what others want to see.

辻岡史帆のSNS

Instagram

Photo:Nanako Araie
Text:Ririka Takashima

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Ririka Takashima

ライター

2006年生まれ。早稲田大学国際教養学部にて、英文学を中心に比較文化学や認知科学、国際関係学など多領域を横断して学ぶ。「一期一会」をモットーに、世界中の価値観に触れながら自らの感性をアップデート中。境界線のない自由な視点で、新しい世界の切り取り方を探求している。

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