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トランスジェンダー当事者のティーンと監督が紡いだ8年間。映画『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』レビュー【Steenz Breaking News】

トランスジェンダー当事者のティーンと監督が紡いだ8年間。映画『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』レビュー【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、2026年7月18日(土)より公開中の映画『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』をご紹介します。

LGBTQ+先進国なメキシコ。その実情は?

メキシコ発のドキュメンタリー映画、『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』。トランスジェンダー(※)の小学生が成長していく8年間を、同じくトランス男性の監督がともに紡いだ作品です。

中南米は、世界的にもLGBTQ+の権利における法整備が進んでいます。その中でもメキシコは、全国で同性婚が合法化されている、トランスジェンダーの権利が認められているなど、LGBTQ+フレンドリーな国だと言えるでしょう。

そんな明るい兆しがある一方で、トランスジェンダーの人々に対する社会的な根強い差別や暴力事件は後を絶たず、負の側面も色濃く存在しています。中南米では、トランスジェンダー女性の平均寿命は35歳ととても短命であるのが実情です。差別による他殺をはじめ、性産業への従事、HIVなどに感染した際の医療アクセス不足なども背景として挙げられます。

※トランスジェンダー:生まれたときに割り当てられた性別と、自身が認識している性別が一致しない人のこと。

メキシコの小さな町で生きるトランス少女

主人公のカルラは、そんなメキシコの小さな町で、パンクでヒッピーな料理人の両親の元に生まれました。「どんな作品にしたい?」と15歳のカルラと監督のカニが語り合うシーンから作品はスタートします。

トランスジェンダーの活動家として6歳のカルラに出会ったカニは、ジェンダーにとらわれず自由に自身を表現するカルラに惹かれ、撮影することにしたのだそう。

大人側の視点で一方的に映画を作るのではなく、カルラ自身の言葉で語ることに重きを置こうと考えたカニ。そのため制作は。共同脚本で進められました。

ときには詩的、ときにはコミカルに、カルラの小学生のころから現在までを回想をする形式で作品は進んでいきます。

舞台はメキシコの山あいのスピリチュアルな伝統が息づく町「テポストラン」。独自のカルチャーを目的に、世界からも来訪者が絶えません。しかし都市部とくらべると多様性への理解は進んでおらず、ティーンのカルラにとってはおもしろいと思える刺激もないため、生きづらさや閉塞感のある場所として描かれています。

男女別の列のどちらにも並べない自分、保護者たちから浴びせられるロングヘアへの批判、好きな人からバカにされた日……。カルラの日々からは、ただ「普通の女の子として生きたい」そんな願いがひしひしと感じられるのです。

共感とハッピーがあふれるカルラの青春物語

筆者が特に注目したのは、カルラが親友と30代の自分たちへ贈るメッセージビデオを撮影する一幕。豪邸に住んで、養子をもらって……と夢を膨らませながらも、気候変動や戦争を心配する、現代のティーンらしい一面ものぞかせます。

冒頭で触れた通り、中南米におけるトランスジェンダー女性の平均寿命は35歳です。そのため、30代の自分たちへ贈る言葉には、自身だけではなく同じような境遇の人々へ向けた希望やエンパワーメントの意味も持つのです。

自分の場所で自分らしく生きるために戦うカルラや友人たち、優しく見守る両親。

メイクの練習をしたり、友達とふざけ合ったり、ときには親の目をくぐり抜けて夜遊びをしたり。日本や他の国々ともきっと変わらないティーンの日常がそこにはありました。

どんな作品にしたいか?と問われたカルラが「たいていのトランス映画は殺される結末だったり、主人公がかわいそうなセックスワーカー。だからこの映画はハッピーなものにしたいの」と語る姿が印象的でした。

『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』概要

7月18日(土)〜 渋谷・シアター・イメージフォーラムにて公開
監督カニ・ラプエルタ
メキシコ、ドイツ|2025年|スペイン語|84分|カラー|16:9
原題:Niñxs|字幕:吉田ひなこ|協力:肌蹴る光線|配給:ノーマルスクリーン
公式サイト:https://normalscreen.org/kitto

参考:
メキシコの32州のすべてで同性婚法案が採択され、正式に婚姻の平等が達成されました

Text:Kagari

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ライター/エシカル・コンシェルジュ

フリーのライター/エシカル・コンシェルジュ。学生時代、100本以上のドキュメンタリー映画を通して、世界各国の社会問題を知る。事務職を経て独立後、ソーシャルグッドに関連する記事を執筆。都会暮らしからはじめるエシカルな暮らしを実践中。 Twitter:@ka_ga_r_i Instagram:@kagari_ethicallifejapan

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