
「気になる10代名鑑」1333人目は、yuさん(17)。自律移動型ロボットのサッカー大会「RoboCup Soccer Light Weight」に向けて、ロボット開発に情熱を注いでいます。1年目の世界大会で味わった挫折をバネに、3年目には私生活のすべてを開発に捧げるほど没頭したというyuさんの歩みと、その先に描くビジョンに迫りました。
yuを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「自律移動型ロボットによるサッカー競技『RoboCup Soccer Light Weight』に出場するため、部活動としてロボット開発に励んでいます。これまでには、国内大会を勝ち抜き、世界大会にも挑戦してきました。
この競技は、2対2のチーム戦になります。スタートボタンを押したあとは、ロボットは人間が一切触れることができない完全自動制御で動き、センサーを使って周囲の状況を認識し、自ら判断してプレーします。
ぼくはプログラム開発や基板設計を担当していて。大会中に不測の事態が起きても対応できるように、メンテナンス性が高いハードウェアと、どのような状況でも動き続けられるソフトウェアを意識して開発に取り組んでいます」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「もともと工作やモノづくりが大好きで、幼稚園のころからレゴに触れていました。小学生のときには、大好きだったクレーンゲームを家でもやりたいと思い、プログラムができるレゴを使って、自分で仕組みを考えて再現したりしていました。
ロボカップに興味を持ったのは、中学1年生のときです。当時はレベルが高すぎて自分には無理だと感じて一度は諦めたのですが、中学3年生のときに友人から誘いを受けて、『やっぱりチャレンジしてみよう』と決心しました。
実際に始めてみると、自分の書いたプログラムや組んだ回路でロボットが動くことに大きな魅力を感じ、どんどんのめりこんでいきましたね」

Q3. 活動をする中で、印象的だった出会いは?
「チームに加入して1年目の世界大会での経験が、いちばんつらかったです。
当時はまだ実力が不足していて、すごく頑張ったつもりでしたが、本番ではぼくのプログラムではなく、より安定している先輩のプログラムが採用されることになりました。結果は、競技順位7位、プレゼンなども含めた総合順位で11位。
少しでも貢献したいと競技のほかに控えていたプレゼン資料の作成も担当しましたが、難しい英語表現を使いすぎてしまい、時間内に終わらせることができなかったんです。
先輩との実力差を目の当たりにしただけでなく、プレゼンの失敗から『自分はこのチームのためになれていない』と落ち込んで。宿泊先のホテルでひとりで涙を流しましたね。
しかし、この悔しさがあったからこそ、基礎から学び直して本気で成長しようと思えるようになりました」

Q4. 活動をする上で、大切にしていることは?
「3年目の活動では、とにかく『全力でやり切ること』を大切にしました。
この1年間は、これまでの3年間の中でも特に部活にのめりこみました。学校で作業するだけでなく、ロボットを家に持ち帰って開発を続け、気づいたら朝になっていたこともありました。休日もすべて開発に捧げていましたが、チームメンバーと試行錯誤しながら機体を強くしていく過程が、何よりも楽しかったです。
熱中して開発を進めた結果、当初の予定を上回るペースで改良が進み、3年目の最初と最後では、ほぼ別の機体と言えるほど進化させることができました。
結果としては全国大会では総合4位となり、目標としていた世界大会出場には届きませんでした。
でも、後悔がないように日々できることに向き合ってきたので、本番で自分たちの力を発揮することができたと感じています。
だからこそ、自分でも『本当にやり切った』と胸を張って言える、最高に濃い1年になりました」
Q5. 将来の展望は?
「将来は、社会の課題を解決できる自律移動ロボットを開発する技術者になりたいです。
例えば、いまの配送システムでは、共有ボックスが満杯で荷物が受け取れないといった再配達の問題があります。そのような課題に対し、共有ボックスから各家庭まで自動で荷物を運ぶロボットなど、物流の現場で役立つ仕組みをつくってみたいと考えています。
競技を通じて培った技術を活かし、ロボットが特別な存在ではなく、誰にとっても身近で便利なものになる社会を実現させたいです」

yuのプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京都
趣味・特技:ロボット制作、歌うこと、おいしいフライドポテトを作ること
大切にしている言葉:やるからには全力で
yuのSNS
Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






