Teen's Snapshots

ミュージカルと大学での対話で見つけた本当の自分。ありのままの美しさを体現し、広める表現者【ちか・19歳】

ミュージカルと大学での対話で見つけた本当の自分。ありのままの美しさを体現し、広める表現者【ちか・19歳】

「気になる10代名鑑」1313人目は、ちかさん(19)。大好きなミュージカルでの表現のかたわら、それを深めるための「対話」に力を入れています。昔は周囲の目を気にしてしまう性格だったと話すちかさんに、対話の経験を通して得られたことや、将来の展望について聞いてみました。

ちかを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

ミュージカルです。2026年4月に、NPO法人『コモンビート』が主催する『100人100日ミュージカルプログラム』という舞台に参加しました。

これは、年齢や職業がバラバラな100人が100日間かけてひとつの作品を作り上げる活動で、大学生のわたしにとって、参加者の9割が社会人という、とても刺激的な環境でした。

100人100日ミュージカルでは、自ら役を決めることができるのですが、わたしはセーシェル諸島の島の娘役を演じました。自分のルーツである長崎の風景をセーシェルに重ね合わせ、外の世界への憧れと怖さの狭間で揺れる心を体いっぱいで表現しました。

また、『カズプロ』という自主勉強グループにも参加しています。『カズプロ』は、在学している武蔵野大学ウェルビーイング学部の中村一浩教授が、学生や社会人の仲間と運営している自主勉強グループです。ここでは長野で自然と共生するお庭をつくったり、カレーを作ったりしながら、対話をし、人生の意味についてみんなで考えています。

わたしにとって、このカズプロでの学びは、ミュージカルで自分をさらけ出すための大切な準備運動のようなものです。この場があることで、ありのままでいいという安心感を持って、ミュージカルにも飛び込めています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

きっかけは、中学生のときに観た映画『グレイテスト・ショーマン』です。劇中の『This Is Me』という曲を聴いて、ありのままでいていいのだと、心の底から勇気をもらいました。

実は地元にいたころは、中高一貫の女子校で上下関係が厳しく、常に先輩や周囲の目を気にして過ごしていました。本当の自分を出せずに、どこか窮屈さを感じていたんです。

大学に入って、もっと自分の『好き』に正直になりたいと考えたとき、幼いころに少しだけ経験していたミュージカルへの情熱がふつふつと再燃してきました。

あのとき映画で受け取った『これがわたしなんだ』という強いメッセージを、今度は自分で体現したいと思ったのが始まりです」

Q3. 活動するうえで、大切にしていることは?

自分の感じたまま、思うままに表現すること。そして、その根底をつくってくれる『対話』を大切にしています。

以前のわたしは、元気がなくても無理に笑顔をつくってしまうことがよくありました。ですが、学部での学びやカズプロで、いまの心の状態を共有する『チェックイン』という習慣に出会ってから変わったんです。『元気がないと言ってもいいんだ』と安心できたことで、素の自分をさらけ出す怖さが消えていきました。

実はミュージカルの仲間たちにも、わたしの大学の教授を招いて、幸せについて語り合う『しあわせ会議』を自分で企画して開いたんです。ミュージカルという『表現』と、大学でこれまで習慣的にしてきた『対話』がつながった瞬間でした。ありのままの感情を共有することで、舞台の上でもより深く自分を表現できるようになったと感じています」

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

自分のよさを見つけたあとに、それをどう社会へとつなげていくか、という点に壁を感じています。

大学やミュージカルを通じて『ありのままの自分』でいることの幸せはわかってきました。でも、それを卒業後のキャリアや生活にどう結びつけ、お金を稼ぐ仕組みにしていけばいいのか、まだ具体的には見えていません。

生きていくためにお金は必要ですが、お金を稼ぐことだけが目的の人生にはしたくない。自分の好きな表現や、ウェルビーイングの学びをどう生かして、自分らしく働き、暮らしていくか。いまも楽しみながら模索している真っ最中です」

Q5. 将来の展望は?

いちばんは、わたし自身が幸せを感じて生きること。そして、ミュージカルという表現の場を、もっと身近な場所に広げていきたいです。

特に、いま通っているウェルビーイング学部の学びの中に、学生も社会人も混ざって感情を爆発させられるような表現の場をつくりたいと考えています。普段の生活では見せられない姿を全開にして、全身でありのままの自分を表現する姿は、本当に美しいものです。

最初は恥ずかしくても、最後には『これでいいんだ』と誰もが自分を肯定できる。そんな温かい居場所を、大好きな人たちといっしょにつくっていきたいです」

ちかのプロフィール

年齢:19歳
出身地:長崎県長崎市
所属:武蔵野大学ウェルビーイング学部、カズプロ、一般社団法人COAs
趣味・特技:お花屋さん巡り、人の笑顔を引き出すこと
大切にしている言葉:The most important thing is to enjoy your life – to be happy – it’s all that matters.(何よりも大切なのは、人生を楽しみ、幸せに生きること。それこそがすべてだ)

ちかのSNS

★Instagram

Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa

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Seruna Iwasa

ライター

2004年生まれ、埼玉県出身。立教大学コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科在学。カナダの高校に通っていた際に「セントリベル」を立ち上げ、現在も代表を務める。中高生のキャリア教育に関わる「ディスカバ!」でもメンターも担う等、幅広く活動している。

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