Teen's Snapshots

「人権」という大切な権利を絵本で伝える。アメリカでの幼少期の経験から平和な未来を紡ぐ高校生【櫻井志保・16歳】

「人権」という大切な権利を絵本で伝える。アメリカでの幼少期の経験から平和な未来を紡ぐ高校生【櫻井志保・16歳】

「気になる10代名鑑」1320人目は、櫻井志保さん(16)。世界人権宣言(UDHR)をテーマにした、小学生向けのバイリンガル絵本制作プロジェクト『UDHR for kids』を立ち上げ、ストーリー制作を担当しています。幼い頃からの海外生活で自ら経験した葛藤を絵本に落とし込んでいる櫻井さんに、当時のエピソードや絵本を作り上げるまでのお話を聞きました。

櫻井志保を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

友人と立ち上げた、小学生向けの日英バイリンガル絵本を制作するプロジェクト『UDHR for kids』に力を入れています。

絵本では珍しい、『世界人権宣言』を題材にしていて、わたしは文章制作を担当しています。人権という抽象的で難しい内容を、3人の主人公が冒険を通して学んでいくストーリーにすることで、子供たちが親しみやすく、自然に理解できるかたちをめざしています。

現在は、制作費を集めるためのクラウドファンディングや、活動を広めるためのピッチイベントへの参加にも積極的に取り組んでいます」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

幼いころからアメリカのコネチカット州やマサチューセッツ州、カリフォルニア州などで生活してきた経験が大きいです。

現地では人種や肌の色による偏見を目の当たりにしたり、英語を話せない生徒がいじめられているのを目の当たりにしたりと、心が痛む場面に何度も遭遇してきました。

テーマの『世界人権宣言』は、重要な権利であるはずなのに、現実の世界では守られていないことが多いと気づいたんです。大人になってから学ぶのではなく、いちばん柔軟な子供のころから人権について考える機会をつくりたいと思って、友人と活動を始めることになりました」

Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?

まずは世界人権宣言の内容を深く読み込むことから始めました。

30条もある宣言はどれも重要ですが、そのままでは子どもには難しすぎるため、内容が似ているものをカテゴリーごとにグループ分けして、構成を練り直しました。

昔からファンタジー小説の続きを自分で書くほど物語をつくることが大好きだったので、その経験を活かして、キャラクター設定やストーリー構成をイチから組み立てていきました。

多様性を意識して、異なるバックグラウンドを持つ3人の主人公が、妖精といっしょに世界を旅する物語に仕上げています」

Q4. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

起業家や投資家が集まるピッチイベントに参加したことです。

自分のアイデアを大勢の人の前で発信するのはとても緊張しましたが、多くの人から『子供向けの絵本というかたちにすることに意味がある』と評価していただき、大きな自信になりました。

これまでは学校や家庭という小さな世界しか知りませんでしたが、社会で活躍するプロの人たちから真剣なアドバイスをもらったり、応援の言葉をかけてもらったりしたことで、自分の活動が社会とつながっていることを実感できた貴重な体験でした」

Q5. 将来の展望は?

この絵本を通して、だれもが自分や他人の権利を自然に大切にできる、思いやりのある社会を実現させたいです。

将来は、動物の生態系を研究する研究者になりたいという夢を持っています。世界中を旅して野生動物の行動や生態を観察しながら、人と自然がどのように共生していけるのか、その関わりについて理解を深めていきたいです。

今回学んだ『複雑な問題をわかりやすく伝える力』を大切にしながら、将来は異なる分野からも社会に貢献していきたいです」

櫻井志保のプロフィール

年齢:16歳
所属:茗溪学園高等学校国際バカロレアコース
趣味・特技:ミュージカルを聴くこと、フルート、ピアノ、水泳、かぎ針編み、動画編集
大切にしている言葉:Sometimes you will never know the value of a moment until it becomes a memory(その瞬間が思い出になるまで、その大切さに気づかないことがある)

櫻井志保のSNS

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Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa

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Seruna Iwasa

ライター

2004年生まれ、埼玉県出身。立教大学コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科在学。カナダの高校に通っていた際に「セントリベル」を立ち上げ、現在も代表を務める。中高生のキャリア教育に関わる「ディスカバ!」でもメンターも担う等、幅広く活動している。

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