Teen's Snapshots

25年後も「おいしい」が続く日本へ。大好きな発酵の魅力を伝えるマルシェを主催する大学生【三輪祐友・19歳】

25年後も「おいしい」が続く日本へ。大好きな発酵の魅力を伝えるマルシェを主催する大学生【三輪祐友・19歳】

「気になる10代名鑑」1292人目は、三輪祐友みわゆうすけさん(19)。静岡・焼津を拠点に「発酵大学生」という肩書きで、地域の事業者と連携した商品開発や、約400人を動員した「発酵マルシェ」の主催・運営、月一回の発酵食堂の店長など、さまざまな活動をおこなっています。「ただの発酵好きです」と笑う三輪さんに、活動を始めたきっかけや印象的だった出来事について聞いてみました。

三輪祐友を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

発酵大学生を名乗って、発酵の魅力を広めるための活動をしています。活動拠点である静岡県の焼津は港町で、麹や味噌が古くから根付いている町。そして何よりも、鰹節など魚に関する発酵が盛んで、調べれば調べるほどおもしろいんです。

いちばん力を入れているのは、年に一度開催している『発酵マルシェ』です。昨年11月に第1回をやって、今年は6月28日に第2回を予定しています。地域の発酵事業者さんに出店してもらい、ぬか床の販売や味噌づくり体験、発酵定食の提供をしています。

ほかにも月一回の発酵食堂の店長を務めたり、発酵食材の商品開発をしたりしています。高校生のころには、いちご味の発酵グラノーラを開発して販売したこともあります。果物に砂糖をつけると浸透圧で酵素シロップになるんですよ。ただ発酵が好きだから発酵に関わり続けているんですが、発酵を軸にいろんなことに活動がつながっていくのが楽しいです」

 

この投稿をInstagramで見る

 

静岡の発酵大学生(@hakk0u_u2)がシェアした投稿

Q2. 活動を始めたきっかけは?

高校時代に夢中になった『アクアポニックス』という循環型食糧生産システムの研究開発がきっかけです。地元の第一次産業が衰退してしまっていて、その復興のために、従来は淡水でおこなうアクアポニックスを塩水でやってみる、という研究をしていました。

そのなかで装置の核になる濾過装置の改良に取り組んでいたんですが、そこで微生物のすさまじい能力に魅了されたんです。とくに『ニトロソモナス』っていう微生物が推しです。アンモニアを窒素に変えて、植物の栄養にしてくれるんですよ。アンモニアが蓄積していたら、魚も植物も死んでしまう。でも微生物たちのおかげで生きている。

毎回数値を測ってニトロソモナスの活動を観察していると、目に見えないところでひそひそと働いてくれているのが、健気で愛おしく思えてきて。この経験から未知の微生物の世界に引き込まれて、微生物が人間の食を豊かにする仕組みである発酵に深くハマっていきました」

Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?

ゼロベースで『発酵マルシェ』を立ち上げたことです。発酵への愛と魅力を広げたいという衝動から、頭で考える前に動き出していました。大規模なマルシェをつくるべく、焼津で発酵に関わる事業者さん20店舗に出店交渉に行きました。

最初はめちゃくちゃ怖くて、ドアの前で深呼吸してから入ったのを覚えています。でも『ぼく、発酵がめちゃくちゃ好きで。いっしょに出店してほしいです』と伝えると、みなさん受け入れてくれました。発酵が好きな若者なんて珍しいから、おもしろがってくれたんだと思います。焼津は港町で、外から来た人を拒まない地域性もあったのかもしれません。

結果、9店舗に協力いただきました。当日は焼津産の材料で作った自家製ぬか床の販売や味噌づくり体験、全ブースの商品が食べられる20食限定の発酵定食などを企画。SNS発信や静岡新聞の掲載、ラジオ出演、チラシ配りで広報をして、約400人のお客さんに来てもらうことができました。前例のない、よそから来た大学生がひとりでやるイベントを応援してくれた地域の人たちが大好きになったし、もっとこの焼津で活動をしていきたいと思えた経験でした」

Q4. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

地域の発酵事業者さんを訪ねた際に、発酵界隈にいるプレイヤーたちの凄まじい熱量に圧倒されたことです。アポイントなしに出店交渉に行ったのに、ぼくと話をしようと社長がじきじきに出てきてくれて、2時間くらい発酵への想いを語り合ったこともあります。

発酵事業者の社長さんは、40代くらいの職人気質な方が多くて、最初は本当に怖かったんです。でも、一生懸命話をしていると、社長さんも発酵事業を始めたきっかけや、いままでどうやって生きてきたかを語ってくれました。彼らと話をするのは本当に面白いし、話をするたびに胸が熱くなります。自然の力を相手に手間暇をかける職人さんたちの言葉には、ネットでは絶対に得られない重みとロマンがあるんです。

話を聞いているうちに彼らの生き様に惚れ込んでしまって。『この人たちといっしょに頑張りたい』『この人たちの商品をもっと知ってほしい』と心から思いました」

Q5. 将来の展望は?

25年後も『おいしい』が続く日本をつくりたいと思っています。守りたいのは単なる味覚としての美味しさではなく、豊かな土壌、生産者の誇り、食卓の笑顔が響き合う地域の風景そのものなんです。

具体的には、発酵マルシェの規模を拡大して、いつかは全国の発酵事業者さんを集めて焼津で開催したい。あとは、旅する発酵食堂を開いたり、松の葉から酵素ドリンクをつくったり、農家さんといっしょに発酵ドレッシングを開発したり、やりたいことが山ほどあります。

最終的には、発酵の力で食に困る人をゼロにしたい。発酵は栄養価が高くて保存もきくし、少ない材料でつくれる。それぞれの国や地域に合った発酵食品を生み出して、世界の飢餓問題の解決にも挑戦していきたいです」

三輪祐友のプロフィール

年齢:19歳
出身地:山口県長門市
趣味:発酵、旅(アジアや日本をひとり旅)
特技:ぬかを均一に混ぜること

三輪祐友のSNS

 

この投稿をInstagramで見る

 

静岡の発酵大学生(@hakk0u_u2)がシェアした投稿

Photo:Nanako Araie
Text:Rinna Koike

SNS Share

Twitterのアイコン

Twitter

Facebookのアイコン

Facebook

LINEのアイコン

LINE

KoikeRinna

View More