
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ユニコーン企業の仲間入りを果たした、日本出身の起業家によるスタートアップ企業についてご紹介します。
日本出身の起業家がアメリカで創業したスタートアップがユニコーン企業に
2026年1月15日、日本出身の起業家がアメリカ・カリフォルニア州で立ち上げたスタートアップ企業とそのグループ会社が、ユニコーン企業(※)となったことが明らかになりました。
その企業の名前は、AlpacaDB Inc.(以下、アルパカ)。テクノロジーを活用し、革新的な金融サービスなどを創出する「FinTech」の領域で事業をおこなうスタートアップ企業です。具体的には、株式や暗号資産、債券などの証券取引を24時間可能にする仕組みを金融機関に提供しています。金融機関はアルパカの仕組みを活用することで、独自システムを作らずとも、自社サービスの中に証券取引機能を組み込めるようになるのです。このサービスはすでに世界40カ国で300社以上が導入しているといい、グローバルな事業展開も投資家やスタートアップ関係者などに評価されています。

スタートアップ企業として、安定的に収益を生み出せるようになった「シリーズD」というフェーズにいるアルパカ。先日、国内外の投資家から1億5000万ドルの資金調達を完了したといいます。その結果、企業評価額が11.5億ドルに到達。晴れてユニコーン企業の仲間入りを果たしました。
なお、一部報道によれば、日本出身者のみで創業したスタートアップ企業がアメリカでユニコーン企業となるのは初めてとのこと。そのため、アルパカのユニコーン企業化のニュースは、多くのビジネスパーソンの注目を集めました。
※ユニコーン企業:その企業が持つ経済的価値(企業評価額)が創業10年以内に10億ドル以上となった、先端テクノロジーを扱う未上場のスタートアップ企業のこと。
日本よりもはるかに大きいアメリカのスタートアップ市場
起業文化が盛んなアメリカ。世界中のスタートアップ企業をリサーチし、データを蓄積している『StartupBlink』によれば、アメリカには現在、93,112社のスタートアップ企業があるそうです。そのうち642社がユニコーン企業だといい、その中には生成AIの「ChatGPT」を手がけるOpenAIや「Claude」を運営するAnthropic、イーロン・マスク氏による宇宙開発企業のSpaceXなどが名を連ねています。
そうした環境にあるアメリカのスタートアップ市場の規模が、日本よりもはるかに大きいことは明白です。実際、世界のベンチャー・スタートアップ企業のデータベース『Crunchbase』によれば、アメリカのスタートアップ市場は2025年に投資額ベースでおよそ2,740億ドルに達したとのこと。一方、日本の2025年のスタートアップ市場は、投資額ベースで7,613億円〜9,727億円と推計されています。日本の市場規模を約1兆円と見積もると、アメリカの市場規模との差は40倍以上です。

非常に大きな市場を抱え、スタートアップが激しい競争環境下にあるアメリカで、日本出身の起業家がユニコーン企業を生み出した。アルパカはそんな前人未踏の功績を残し、日本の起業家に新たなロールモデルを示したと言えるでしょう。
世界へと羽ばたく日本出身の起業家たち
近年、日本出身の起業家が世界に羽ばたくケースを目にすることが増えたように思います。以前、Steenz Breaking Newsでも取り上げた、AIの研究開発をおこなうSakana AIや翻訳アプリ「CoeFont通訳」を手がけるCoeFontなども、そのひとつの事例です。筆者がこれまで取材したスタートアップ企業の中でも、大学での研究成果をもとにアメリカで新サービスを創出した企業など、最初から世界展開を視野に入れて起業した会社がいくつかありました。

各国の経済がシームレスにつながり、インターネットなどの力によってサービスが国境を越えて普及しやすくなった時代だからこそ、起業家にも世界を見ることが求められているのではないでしょうか。今回ご紹介したアルパカのような事例が増えることで、まだまだ発展途上にある日本のスタートアップ環境も大きく変わっていくのかもしれません。
Text:Teruko Ichioka






