
「気になる10代名鑑」1268人目は、商旭さん(18)。災害用ドローンの研究を通じて、「あるのに使われていない」テクノロジーをどう社会に実装するかを探究しています。2026年の夏からは中国で本格的に研究をスタートさせる予定だという商さんに、そのきっかけや活動での悩みについて聞いてみました。
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商旭を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「中国でのドローンの研究です。
2026年の夏ごろからは本格的に現地へ渡り、ドローンに使用するLEDフィルムの提供を受けながら、企業や研究機関といっしょに災害用ドローンの開発に取り組む予定です。
また、『在日ママ読書会』というNPO法人にも所属して、新たに青年部を立ち上げました。日本に暮らす中国人の家族を支援するこの活動を通じて、言語や文化の壁を教育や交流で埋めていくことを目指しています。特に意識しているのは、大きな政治の枠組みではなく、あくまで『人と人』のレベルで相互理解を深めていくことです」
Q2. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「『想像できるのに、技術があるのに、解決できないのはもったいない』という気づきがテーマになっています。きっかけは、6歳のころに父に連れられて行った、ビッグサイトや幕張メッセの展示会でした。
そこで、ルンバやPepperくんなどの最新技術を目の前に、すごくわくわくしたんです。一方で、『こんなに便利な技術があるのに、なぜ日常に普及していないんだろう』という違和感が残って。それなら、自分が社会にその技術を届ける役割を担いたいと、起業を志しました。
また、その社会実装の場として、『日常の豊かさ』を守ることを掲げています。ぼくが考える豊かさとは、毎日ご飯が食べられて、同じ場所で眠れるといった当たり前の日常のことです。その平穏を災害から守るため、岩手県陸前高田市を訪れて被災地の声を聴いたり、能登半島地震のボランティアの話を聴いたりしてきました。
いまある技術がきちんと届くようになれば、もしものときに被害を最小限に抑え、日常を一日でも早く取り戻すことができる。その手段として、いま研究に励んでいる災害用ドローンがあると思っています」
Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?
「徹底的に人に会うことです。
わからないことがあったとき、本を読んで知識を得るよりも、その分野に詳しい人に直接聞きにいったり、現場に足を運んだりするほうが、ずっと早く本質的な情報が得られると考えています。
だからこそ、中国へも実際に行って、現地の生の声を聴きながら研究を進めることに決めました。自分の目で見て、耳で聴いたリアルな視点を大切にしながら活動することで、より説得力のあるアウトプットができると信じています」

Q4. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「NPO法人の青年部の立ち上げです。日本で生まれ育ち、中国にルーツを持つ僕は、幼少期に学校などで差別的な言葉を投げかけられることもありました。その経験から、『日中関係を草の根のレベルから人間性でつなぎ直したい』と強く願うようになったんです。
また、活動を進める中で『たかが学生でしょ?』と大人に軽くあしらわれ、悔しい思いをしたことも一度や二度ではありません。
ですが、そうした壁を結果と行動で乗り越えていきたくて。そして、それを同世代の仲間が主体的に動けるコミュニティをつくっていきたい。現在はイベント企画などを通して、次世代が日中のリアルな架け橋になれるような場づくりに挑戦しています」
Q5. 将来の展望は?
「将来は、日本と中国それぞれの技術やリソースを掛け合わせながら、世界中で当たり前に使われるプロダクトをつくっていきたいです。例えば、スマートフォンのように、多くの人の生活に溶け込み、気づかないうちに価値を生み出すのが目標です。
そのためにも、いま取り組んでいる研究やNPOでの活動を通して、技術力とマネジメント力の両方を磨いていきたいです。常に高い基準を持ち続け、テクノロジーで社会に貢献できる人間になりたいと思います」

商旭のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都国分寺市
所属:NPO法人在日ママ読書会 青年部、学生団体D、smiles to u、NPOセントリベル
趣味・特技:サイクリング、音楽鑑賞、筋トレ、バドミントン
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Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






