
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、ブラジルのファベーラのプロジェクトについてご紹介します。
リオデジャネイロのファベーラを襲った土砂崩れ
2010年、ブラジル・リオデジャネイロで豪雨が発生し、各地のファベーラ(スラム街)が多大なる被害を受けました。なかでもプラゼレス地区では、数十年間斜面を覆っていたゴミが一因となり、土砂崩れが発生。30人以上が死亡し、355世帯が家を失うことになったそうです。

廃棄物管理が一因で発生したこの災害。地域の人々や活動家たちは同じ過ちを繰り返さないために、環境保全の取り組みを始めました。
悲劇を繰り返さないために立ち上げられたプロジェクト
「ReciclAção」と名づけられた同プロジェクトでは、地域全体に設置されたエコポイントから、毎月1トン~1.5トンのリサイクル可能な資材を回収しています。また資材以外にも、下水に流れ込むのを防ぐために使用済み食用油の回収も実施。これまでに、2,600リットル以上を回収しました。
この投稿をInstagramで見る
活動は資材や食用油の回収だけに留まらず、設立から5年で地域住民向けの朝食会を180回、地域清掃活動を45回、廃棄物再利用に関するワークショップを250回開催しました。地域住民に参加してもらうことで、住民一人ひとりが自分ごととして考えられるようになれば、ゴミの捨て方や環境に対する意識も変わるでしょう。プロジェクトを立ち上げたメンバーも、「住民を巻き込むことが重要」だと述べています。

回収された使用済み食用油は石鹸や洗剤にアップサイクル
使用済み食用油の回収もおこなう「ReciclAção」ですが、実は回収した油を石鹸や洗剤にアップサイクルし商品化もしています。石鹸づくりは最低限の材料と設備があれば製造可能なため、市販品と同等の性能を持ちあわせた製品が低コストで製造できるのだそう。

また経済面では、女性が地域社会で働きながら収入を得られる点や、低所得者層が抱える正規雇用市場にアクセスするためのハードルを下げられる点が期待されています。このように、水質汚染の防止だけでなく低所得者の収入源確保につながっているのです。
災害対策だけでなく、環境や雇用問題まで改善
悲惨な自然災害が原因となりスタートした「ReciclAção」は、環境問題や地域の雇用問題の解消にもつながる、多様な取り組みになりました。今回の事例は、ごみ問題を抱えている他の地域の参考にもなるでしょう。同プロジェクトをひとつでも多くの地域が参考にして、同じ悲劇が繰り返されないことを願いたいですね。
Reference:
Recycling to Stop Landslides: Second Sustainable Favela Network Exchange Visits Morro dos Prazeres|CatComm
Waste Oil Upcycling Transforms Pollution into Income in Brazilian Favelas|Happy eco news
Text:Yuki Tsuruda






