
「気になる10代名鑑」1259人目は、栗本大馳さん(19)。同世代の若者たちをつなぎ、新たな居場所をつくりだすコミュニティマネージャーとして活動しています。ラグビー部での挫折を乗り越えたことで、新しい道を見つけ出した栗本さんに、当時のエピソードや将来の展望について詳しく聞きました。
栗本大馳を知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?
「コミュニティマネージャーとして、若者世代同士の出会いを仲介して、『挑戦してみたい』『面白いことをやってみたい』というチャレンジを応援しています。直接の仲介だけでなく、イベントを通して新たなコミュニティの醸成やマネジメントもしています。
具体的なイベントとしては、高校生のときから3か月に1回のペースで、渋谷でゴミ拾いをする企画があります。所属しているITエンジニア向けのコミュニティが、IT分野に限らずにいろんな人が参加してくれるイベントを考えてほしいと、ぼくに依頼してくれたことから始まった企画で。これまでも多くのボランティアやプロジェクトに関わってきた経験を活かして、誰でも気軽に参加できるようなゴミ拾いを思いついたんです。
直近では、川崎で新たなコミュニティづくりをしようと試みています。市で問題になっている空き家を再利用しようと考えていて。公民館だったり、子どもが自由に遊べるような場所というイメージで、目的が無くてもみんなが帰ってこられるようなところを目指して動いています」
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Q2.活動をはじめたきっかけは?
「高校に入ってからラグビーをはじめたのですが、股関節を負傷してしまって。完治するまでに2年間かかる怪我でした。それによって部活に馴染みきれず、無気力感に襲われて。変われない自分に悔しさを覚えて、2年生で辞める決断をしました。
辛い時間を過ごしていた自分に、見かねた親が紹介してくれたのが『3×3Lab』というサマーカレッジでした。社会課題の最前線で動いている大人の話を聞いて、3日目に社会課題に対してどういったアプローチができるのかをグループ発表するプログラムで。勇気を出して行ってみたものの、参加者の学生は、みんな意識が高くて打ちのめされましたね。
でも、その後も足を運ぶうちに、自分も変わらなくちゃという気持ちが芽生えるようになって。次第にとりあえず行動を起こしていこうという意欲につながりました。
まずは地域活性に興味があると思ってボランティアから始めましたが、やればやるほどに自分ができる限界値に気づいて、本質的な部分がわからなくなっていって。そこから方向転換をして、いまに至ります。
でも、いまは若者の選択肢を増やすきっかけや人とのつながりを生み出せたら、最終的に地域を盛り上げることにもつながるんじゃないかとも思えてきていて。活動内容は変わりましたが、軸はずっと一貫しているんだと思います」

Q3.活動するうえで、大切にしていることは?
「やっぱりコミュニケーションですね。最近はオンラインの便利なツールがたくさんありますが、オフラインでの会話を何よりも大切にしています。
その場にいるからこそ感じ取れるものもあるし、表情を直接見ることで、その人が考えていることが雰囲気でわかることもあるので。
会話では、相手の活動の核となるものを導き出すことを意識しています。特に生い立ちや趣味から、共通点のある人を紹介しますね。最初から仕事の話で繋げられるのは、少し怖いじゃないですか。いきなりお仕事としてというより、その前段階として友だちになれるように人を繋ぐことを意識しています。
あとは、5歳から怪我をするまでやっていた空手も、人格形成にすごく関わっています。怪我をするまで続けていて、全国大会に出場するほどに打ち込んでいたんです。礼儀の心だったり、他者への感謝、努力して突き詰めることは武道の精神から学びましたし、自分のなかで大事にしています」

Q4.活動のなかで、悩みがあれば教えてください。
「学生というブランドに悩まされることはありますね。もちろん、学生であるからこそ無条件に応援してくれたりサポートしてくれる大人がいるのはすごくありがたいと感じています。可能性を期待して機会を提供してくれるからこそ、できていることもたくさんあるので。
ですが、自治体や企業と関わるなかで、『学生だから』と、本当に最後まで関わりきれるのか信頼してもらえない部分もあって。他にも、学生ボランティアという名目で丸一日拘束されて、思うような経験ができなかったこともありました。
はじめはとにかく経験を積まなくてはと考え、全部こなしてたんですけど、限界を感じてしまって。最近はコミュニケーションを通して、自分にきちんと向き合ってくれる人と活動しようとしています」
Q5.将来の展望は?
「ぼく自身、自分が何をしたいのかわからない状態でもがいてた時期があって。そんな中、がむしゃらにいろんな人と関わっていくことで、やりたいことの選択肢が増えたというのが経験としてあるので、可能性を増やすきっかけとなるような居場所づくりをしていくのが、やりたいことの終着点なのかなと思っています。
最近は、実践だけでなく学びを得ることも大事にしようとしていて。日本だけでなく、東南アジアのコミュニティを見に行ったりしています。この春には、韓国、タイ、ラオスを訪れ、現地のコミュニティやノマドワーカーのことを勉強してきました。理論と実践を繰り返して、将来は社会から『やりたいことがわからない』をなくしたいと思っています。機会の格差を、コミュニティやイベントを通して減らしていきたいです」

栗本大馳のプロフィール
年齢:19歳
出身地:茨城県龍ケ崎市
所属:法政大学、LULL TECH BEACH、学生団体ニューコロンブス
趣味:旅、御朱印巡り、城巡り、食べること
特技:空手
大切にしている言葉:愚直にやり抜く
栗本大馳のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa






