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CCKという言葉に、居場所を感じた。研究とイベント運営で多文化ルーツの若者に活躍の場をつくる高校生【金生ベカ美愛・17歳】

CCKという言葉に、居場所を感じた。研究とイベント運営で多文化ルーツの若者に活躍の場をつくる高校生【金生ベカ美愛・17歳】

「気になる10代名鑑」1260人目は、金生かのおベカ美愛みあさん(17)。フランスと日本にルーツを持ち、Cross-Cultural Kids(CCK)という言葉を世間に広めるべくサミットを立ち上げた一方で、アカデミックな研究も進めています。「第1回目のサミットは、参加者が6人だったんです……」と当時を振り返る金生さんに、CCKの言葉に出会ったきっかけや大切にしていることについて詳しく聞きました。

金生ベカ美愛を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。

CCKという言葉を社会に浸透させていくために活動をしています。CCKはCross-Cultural Kidsの略語で、国際結婚や移民関係などを背景に、多文化で生きる子どものことを指します。似たような言葉で、TCK(Third-Culture Kids)という、両親の文化圏以外で育った子どもを表すものもあるのですが、それよりあとに生まれた定義で、世間ではあまり認知されていないのが現状です。

わたしは、CCKの当事者として、日本初の探究イベント『CCK/TCK Summit』をひとりで立ち上げました。イベントの4回目以降は学生NGO『Global Sparks』として組織化し、さらなる規模の拡大を目指しています。

第4回目はSHIBUYA QWSを会場に、協賛会社として猿田彦珈琲を招待しました。午前はスペシャルゲストによるトークと参加者交流、午後は社会課題解決ワークとプレゼン発表の場を設けました。社会課題に対して、多様な背景を持つCCKが自分の経験を活かす機会をつくり、『ここが自分の居場所だ』と思えるグローバルなコミュニティを築くこと、その力をアクションに変えることを目指しています。

また、昨年『異文化背景が起業家の意思決定に与える影響』をテーマにアカデミックな研究もしていて。論文をカリフォルニア大学サンタバーバラ校に提出し、最高評価のGrade Aをいただきました。ほかにも、スタンフォード大学発の起業家育成プログラム『e-Entrepreneurship Japan』にも参加し、CCKだった過去を持つ起業家との議論を通じて、自分の活動をどのように社会へ還元していくかを探究してきました」

 

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Q2.活動をはじめたきっかけは?

小学校まではインターナショナルな環境にいて、自分のアイデンティティについて考えたことが無かったのですが、中学生になって周囲の環境が変化してから色々と悩むことが増えて。

日本にいれば『外国人っぽい』と言われ、父の母国フランスに行けば『完全なフランス人ではない』と見られる。どの環境にいても、完全に当てはまる場所があるわけではないという感覚がありました。周囲と関係を築くなかで、本来の自分の出し方を少しずつ調整していた時期もあって。もともとは積極的な性格なのですが、周囲に馴染もうとして授業中に手を上げるのを控えたり、何かに立候補することも我慢していたんです。

そんななか、高校2年生のときに偶然CCKという言葉を知って、抱えていたモヤモヤが晴れた気がしました。自分の悩みが定義されて、その概念に居場所を感じたんです。そこからは、殻に閉じこもることをやめました。似た境遇の人が少しでも楽になって、多文化的な経験を発揮することができたらと思い、CCKを広める活動をはじめました」

Q3.活動をする中で辛かったことは?

『CCK/TCK Summit』は昨年の7月に第1回目を開催したのですが、最初は参加者が6人でした。企画、集客、運営を一人でこなすなかで、『やっている意味があるのかな』と落ち込んでしまった時期もありましたが、来てくれた人たちからいい反応をもらえたことで、気持ちを持ち直しましたね。

第2回は30人以上募りたいと思い、ケンブリッジ大学のサマーキャンプに参加しているときに、現地の日本人留学生に片っ端から声をかけてイベントの勧誘をしました。

放課後には、友人のいる学校にも立ち寄ってフライヤーを配ったりして。この前の第4回は55人に来てもらえました。この経験を通して実感したのは、アイデアだけでは社会は動かないということです。自分の足で動き続けた分だけ、少しずつ周囲を巻き込み、形になっていく手応えを初めて掴みました」

Q4.活動において、大切にしていることは?

わたしの活動は、多方面からアプローチをかけているところが特徴的なのかなと思っています。

先ほど話したようなアカデミックな研究とリアルイベントの開催に加え、3月に開催された第16回全国高校生未来会議では、プロジェクトリーダーを務めました。このイベントは、高校生が政治家と意見交流し政策提言までおこなうもので、リーダーとしてみんなを引っ張りながらも自分の活動テーマである多文化共生の声を大人に届けようとしました。

活動では、人と関わるなかで、自分に取り入れられるところがないかを意識しています。人の価値観や、何を頑張ってるのかを聞くのが大好きなので、話を聞くなかで自分の活動の改善に使えないかと考えていますね。ほかには、参加者と対等に関わることや、自分が意味のあるアクションを起こせているのかにも気を付けています」

Q5.将来の展望は?

サミットを100人クラスの規模に拡大していきたいです。

CCK Summitのようなコンセプトを持つイベントは日本初だったのですが、サミットに来てくれた子たちが別の場所で同じようなアクションを起こしてくれていて。嬉しくもあるのですが、そこに負けないように頑張っていきたいですね。最近はポッドキャスト配信を企画しています。いろんな手段でコミュニティの拡大を図りたいですし、過去に参加してくれたOBOGのためのコミュニティイベントもやりたいと思っています。

いまは起業に興味があるのですが、将来の展望はまだまだ模索中です。研究もアクションもライフロングな視点で続けて、積極的に動いていきたいと思います!

金生ベカ美愛のプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京都
所属:法政大学高等学校生徒会副会長、NGO L’Atelier de Mia 代表、学生NGO団体Global SPARKS 代表、CCK/TCK Summit主宰、第16回全国高校生未来会議プロジェクトリーダー、NPO法人I-CAS2025 夏のインターンリーダー、令和7年度港区平和青年団
趣味:料理、ランニング、読書
特技:フィギュアスケート、ヨガ
大切にしている言葉:The right train won’t pass you by.

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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa

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