
「気になる10代名鑑」の1256人目は、古澤琴子さん(18)。廃棄予定のキャベツをアップサイクルした和紙で和傘を製作するプロジェクトに取り組んでいます。地元・福岡で失われゆく自然と自身のカナダ留学をきっかけに活動を始めた古澤さんに、留学先での出来事や活動にかける思いについて聞きました。
古澤琴子を知る5つの質問
Q1.いま力を入れている活動について教えてください。
「廃棄されてしまうキャベツの外葉をアップサイクルして和紙を作り、その和紙で和傘を制作する『紅凜_green』というプロジェクトに取り組んでいます。
文科省が行う『トビタテ!留学JAPAN』でアメリカ・ポートランドに留学し、環境意識の高いまちづくりや人々の暮らしに触れたことで、身近なところから環境問題に向き合う方法があるのではないかと考えるようになりました」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「幼い頃から自然の中で遊ぶことが多く、山や川がとても身近な存在で。ところが、ある時期からメガソーラー開発によって家の近くにある山が大きく切り開かれていき、いままで見ていた緑の景色が銀色のパネルに変わってしまったんです。
当時はまだ小さくて、何が起きているのかさえわかりませんでしたが、地域の人たちが反対活動をしている姿を見て『何かおかしい』というモヤモヤした感覚がずっと心に残っていて。
その後、上京や留学を通して環境について考えるようになり、あるとき地元のスーパーでキャベツの外葉が大量に廃棄されていることを知りました。捨てられていく葉の緑が、地元で失われていく山の緑と重なって見えて。『廃棄されるものを美しいものに蘇らせよう』と思いついたんです」
Q3. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「日本文化と環境問題を掛け合わせることです。
留学中に狂言や盆踊りなどの日本文化を紹介する活動があったんですが、アメリカの人たちのその真剣な眼差しが印象的で。日本文化には、年齢や国籍を越えて人と人をつなぐ力があると感じたんです。
失われつつある自然と同じように、国内では廃れつつある日本文化ですが、海外ではこれだけの人気を誇っている。これらを掛け合わせると面白いんじゃないかなと思って、まず伝統工芸品にたどり着きました。
そこから和傘を作ろうと思ったひとつの理由は、母や祖母が日本舞踊をしていて、和傘に親しみを感じていたことです。幼い頃から見ていたからこそ、傘を開いた形がキャベツが花開く姿と重なって見えたんです。
もうひとつは、日本の歴史です。かつて和傘は日用品として使われていましたが、現在は安価で手軽なビニール傘に置き換わっています。こうしたもともとあったエコロジーの精神を見つめ直すきっかけになればと思い、和傘を最初のアイテムに選びました」

Q4. 活動の中で印象に残っている出会いはありますか?
「同じ学校の先輩の存在が大きかったです。その先輩は学生でありながらクラウドファンディングに挑戦していて。学校に貼られていたポスターを見て『学生でもこんなことができるんだ』と驚きましたね。
その先輩の姿を見て、前に出る活動に意義を感じるようになり、若い世代でも社会に影響を与える活動ができるんだと感じたんです。
実際に話す機会もあり、活動のことを相談させてもらう中で、行動することの大切さを学びました。その出会いがあったからこそ、自分もプロジェクトを始めてみようと思えたんだと思います」

Q5. 将来の展望は?
「まずは、和傘だけでなく、照明など別のアイテムにも展開したいです。
また、紙漉き体験のワークショップなどもおこないながら、キャベツの外葉から和紙を作るプロセスを実際に体験してもらえる場を広げていきたいです。特に子どもたちに触れてもらうことで、『廃棄されるものがこんなふうに生まれ変わるんだ』というワクワクを実感してもらえたらと思っています。
将来的には、全ての活動の原点になった環境問題に向き合いたいと思っています。いまは啓発活動のようなかたちで、人々のマインドに働きかける間接的なアプローチを大事にしています。それがいつか、地域行政や社会、企業をつなぐ架け橋になって、環境問題の解決につながればいいなと思っています。
特に、地元のメガソーラー問題などにもつなげ、将来的に地元に還元していきたいです」

古澤琴子のプロフィール
年齢:18歳
出身地:福岡県飯塚市(中高は神奈川県で寮生活)
所属:Co-Innovation University 、紅凜_green
趣味:カフェめぐり、サイクリング、カメラ
特技:自まつげにマッチ棒をのせること
大切にしている言葉:1分の1になれ。とことんことこ。何事にも始まりはある。
古澤琴子のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuka Miyazaki







