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ステージマネージャーってどんな仕事?Michiho in New York #08 【Steenz Abroad】

ステージマネージャーってどんな仕事?Michiho in New York #08 【Steenz Abroad】

こんにちは、現在ニューヨークの大学で演劇を専攻しているみちほです。今回はわたしが大学で専攻している「ステージマネジメント」とはどんな仕事なのかについてお伝えしたいと思います。

ステージマネジメントとは

まず、みなさんは「ステージマネジメント」と聞いて何を思い浮かべますか?英語版ウィキペディアのステージマネジメントのページでは、このように説明されています。

「ステージマネージャーの仕事には、幅広い責任が含まれます。これには、事務的・運営的な業務の処理、リハーサル中の演出家の補助、公演が始まってからの進行管理などが含まれます。ステージマネージャーは、各部署間の連絡を担当し、スケジュールを作成し、作品のあらゆる要素を記録し、リハーサルや公演が円滑かつ安全に進行するようにする役割を担います。」

この説明で、なんとなくイメージはつくでしょうか?ざっくり言うと、演劇やダンス、オペラなどの舞台作品において、稽古から公演までの進行全般を担うリーダー的な役目です。

日本の業界でいう「舞台監督」や「演出助手」などを思い浮かべている方がいれば、それらはステージマネージャーとは少し異なります。ステージマネージャーは演出助手のように稽古の進行を行いますが、演出助手よりもデザイナーや裏方の人々との密な連携が必要になります。一方、日本の舞台監督とは違い、リハーサルに最初から参加するため役者との距離は近いものの、舞台機構などに直接関わることはあまりありません。

このようにさまざまな役目の”間”に立ち、それぞれの分野の橋渡し役を担うのがステージマネージャーです。

ステージマネージャーの実際の仕事と責任

ダンスやオペラ、音楽ライブなどのステージマネジメントと、わたしが大学で勉強している演劇公演のステージマネジメントは少し異なりますが、簡単にわたしが日頃しているステージマネジメントの仕事について説明します。

プロダクションに関わる情報がまとめられているCall Board

わたしたちの仕事は大きく「リハーサル期間」と「公演期間」で分けられます。

まずリハーサル期間中は、リハーサルの日程やその日ごとのタイムテーブルを、役者の予定や演出家と相談して決めます。リハーサル中はタイムテーブルに沿って進行しつつ、演出家がつけた役者の動きや小道具の動きを記録したり、その日に出た変更点のうちデザイナーやその他裏方の人とのコミュニケーションが必要なものをまとめて連絡をしたりします。リハーサルには基本的に毎日参加し、1日の終わりには「リハーサルレポート」という、その日の進捗や変更点などをまとめた報告書を作成します。

劇場に入って照明や音響、舞台装置などの確認を行うテクニカルリハーサルに入ると、役者や演出家だけでなく、音響スタッフや照明デザイナーとも連携してシーンをひとつずつ作りあげていきます。どの役者のセリフや振り付けがどの照明のキュー(きっかけ/合図)と重なるのか、どの音楽の入りがどの舞台転換と重なるのかなどを確認していきます。(これを cue to cueと言います)。

テクニカルリハーサル中の舞台

そして公演中では、音響・照明・舞台装置(オートメーション)などにキューを出して、適切なタイミングで適切な音や照明が出るようにします。また、公演期間中は毎日役者の体調を確認したり、ショー全体の時間がどれくらいの長さだったか計ったり、その日あったアクシデントなどをまとめて「パフォーマンスレポート」というその日の公演の報告書を作成します。これは、ステージマネージャーにその公演が開幕した時からのクオリティや内容をキープする責任があるからです。

いちばんワクワクする時間

わたしがステージマネジメントの仕事を楽しいと思う瞬間はいくつもありますが、特にテクニカルリハーサル中は最もワクワクする時間です。今までリハーサルで俳優が積み上げてきた演技に衣装、音響、照明、小道具、セットが加わり最終的な作品が完成します。そのすべての分野の橋渡し役を担うのはプレッシャーもありとても忙しいですが、やりがいを感じられます。

時には演出家と役者、デザイナーと黒子など、人と人の間に挟まれてしまって上手くコミュニケーションをとらければならない場面もありますが、それもまたやりがいの一つです。わたしは役者としてもデザイナーとしても演劇作品に関わったことがありますが、より沢山のプロダクションメンバーと知り合い、親睦を深められるのはステージマネージャーとして作品に参加している時だと感じています。わたしはそんな人と人を繋ぐこの仕事がとても大好きです。

今回はステージマネジメントの仕事についてお伝えしましたが、次回はローワーイーストサイドの魅力について、詳しくお話しできればと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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島﨑 みちほ

ライター

2005年生まれ。東京都出身。幼い頃から出演者・裏方として演劇に関わる。大学進学を機に渡米し、現在はニューヨークにあるフォーダム大学シアタープログラムに在学中。ステージマネジメントを専攻しており、学内外でステージマネージャー・照明デザイナー・プロデューサーとして活動中。

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