
「気になる10代名鑑」1262人目は、伊藤華さん(19)。ルワンダの女性たちが作った雑貨を日本で販売し、その売り上げを寄付することで、現地の雇用促進と経済支援の両立を目指しています。2週間のルワンダ留学での経験を通して、現地の力になりたいと思いを強くしたという伊藤さんに、当時のエピソードや将来の展望について詳しく聞きました。
伊藤華を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。
「高校3年生のときから、ルワンダの新人テイラーの女性たちが作った人形や小物を日本で販売しています。
おもにオンラインやJICAのイベントブースで商品を取り扱っていて、直近では昨年12月に『多文化ふれあいフェスタ』で出店しました。人形の売り上げは、ルワンダの貧困地域の親子160人分の1年の健康保険代として寄付しました。現地の市場で売っているお土産用の人形を参考にしていて。私が生地を選んだり、綿の量を考えてから、現地の女性たちに依頼して作ってもらったんです。
アフリカには、洋服を作るテイラーになるための職業訓練所があるのですが、卒業できても職を得ることが難しくて。テイラーになれるのはほんの一握りなんです。わたしの活動が現地の雇用創出にも貢献できるのではないかと考え、はじめてみることにしました」
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Q2.活動をはじめたきっかけは?
「高校のオープンスクールでフィリピンでボランティアをするプログラムが紹介されていて、それがものすごく魅力的に感じたんです。そのときから途上国でのボランティアに明確に興味を持ったんだと思います。結局、別の高校に通うことになったのですが、それなら自分で海外ボランティアに行こうと考えるようになりました。
SNSで色々と調べていくうちに、ルワンダで山田美緒さんという人が運営している『KISEKI』という会社を見つけて。そこでは、現地のシングルマザーの雇用創出を目指して、託児所の運営をしていたんです。寄付ではなくビジネスとして成り立たせながら、現地の子どものために学校の運営や給食の提供もしていることがすごいと思って、高校2年生でトビタテ!留学JAPANの奨学金を利用して、2週間現地に行ってみることにしました。
現地では託児所であるナーサリーのお手伝いと、日本から洋服をたくさん持ってきて寄付したのですが、服を選んでもらうための準備をしているなかで、気に入ったものを現地のスタッフが隠して盗もうとしてしまったことがあって。このことから、物資の寄付ではカバーできないような根本的な支援ができないかと思い、山田さんに相談して、人形の販売企画を始めたんです」

Q3.活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「もともと、ルワンダには法律に関わることを勉強するために渡航しようとも考えていたんです。
ルワンダはプラスチックの持ち込みが禁止されていたり、過去に起きたジェノサイドに関する法律があったりして。それに対して一般の人はどう感じているのかを知りたくて、留学したときに現地の人へアンケートを配りました。
でも、文字が読めなかったり、法律の内容を知らないといった感じで、十分な回答が得られなかったんです。そこから、もっと社会の根本的な部分に目を向けるべきだと思い、貧困に関わる問題への興味を強めることになりました。
今年の春休みにタンザニアで食品会社のインターンに参加したことと、ケニアのNPOでボランティアをしたこともいい経験になりましたね。渡航前はNPOの方が資金面での継続性がないイメージがあったのですが、企業であってもNPOであっても国際協力に携わることかできると実感することができました。ですが、それと同時に、支援に持続性を持たせることの大変さも感じました」

Q4.活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「はじめに話したように、人形の売り上げは100パーセント寄付していたのですが、それが本当に大変で。自分にお金が入ってこないということと、大学生になってから忙しくなってイベントへ頻繁に出られなくなったことで、方針を維持することが難しいと感じるようになりました。それでも人形の販売で終わりたくなくて、エプロンやシュシュを作って日本に送ってもらったりしていたんです。
支援をしたくても、完全なボランティアだと続かないと気付いたので、小物の販売では2割を寄付して、残りは活動資金にすることに決めました。
資金面をはじめ、個人で活動することの難しさはありますが、わたしの性には合っていると思っています。現地を直接見てきたからこそ、行動したいという気持ちを維持できていますし、自分のペースで活動することができるのも良い点ですね」
Q5.将来の展望は?
「活動を通して引き続きアフリカの地域に寄付をしていきたいのはもちろんですが、もっといろんな国に行ってみたいです。アフリカの54カ国それぞれに特徴があるので、西アフリカのほうにも行ってみたいですし、東南アジアの貧困地域も訪れたいと思っています。
将来は国際協力に携わっていきたいのと、アフリカで現地の人と直接関わる仕事に就きたいと考えています。起業というよりは、団体や組織に入って、駐在というかたちで活動できるのが理想ですね。継続できる支援を大切にしながら、現地の経済発展と幸福に直接貢献したいです!」
伊藤華のプロフィール
年齢:19歳
出身地:埼玉県さいたま市
所属:慶應義塾大学総合政策学部、日本ルワンダ学生会議、AIESEC
趣味:海外旅行、ライブに行くこと
特技:ダンス
大切にしている言葉:Worry is misuse of imagination.
伊藤華のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa






