
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、日本最速でユニコーン企業となったAIスタートアップ・Sakana AIについてご紹介します。
世界で注目度が高まる「AIスタートアップ」
昨今、各社がこぞってグローバルに開発競争を繰り広げているAI(人工知能)。日進月歩で技術が進化し、一般の人にも生成AIが浸透する「AIブーム」が巻き起こっている中、AIスタートアップにも世界の投資家から注目が集まっています。

世界最大級のベンチャー企業データベース『Crunchbase』によれば、2025年におけるAI分野への投資額は2,120億ドル(2026年3月現在のレートで約33.7兆円)に達し、前年比で85%も増加したそう。過去10年を見てもこれほどの投資額を集めた年はないとのことで、2026年もこの勢いは続くとみられています。
日本発のAIスタートアップもユニコーン企業の仲間入り
そうした環境下において、日本発のAIスタートアップが、すでにユニコーン企業の仲間入りを果たしています。
ユニコーン企業とは、その企業が持つ経済的価値(企業評価額)が創業10年以内に10億ドル以上となった、先端テクノロジーを扱う未上場のスタートアップ企業のこと。2025年11月現在、世界には1,300社以上のユニコーン企業が存在しています。その中には、ChatGPTを開発した「OpenAI」やTikTokを運営するByteDance、イーロン・マスク氏が設立した宇宙開発企業のSpaceX、世界中で人気を博しているオンラインゲーム『Fortnite』を手がけるEpic Gamesなども名を連ねています。

そんなユニコーン企業の一員となったのが、AIの研究開発を手がけるSakana AI株式会社です。同社は2024年9月に発表した資金調達で、創業から約1年という速さでユニコーン企業となりました。
Sakana AIとはどんな企業?
Sakana AIは、東京に拠点を置きながらグローバルに活動するスタートアップ企業です。GoogleでAI研究に携わっていたライオン・ジョーンズ氏とデイビッド・ハ氏、日本の外務省での勤務やメルカリでの執行役員の経験を持つ伊藤錬氏の3人によって、2023年に設立されました。
Sakana AIが、Forbesによる「Top 50 AI 2025」リストに日本企業として唯一選出されました。 https://t.co/jqFY8lxyIx
大規模モデルの可能性と限界がより明確になる中、AIの実用化が本格化する2025年。 目まぐるしく変化するAI分野の最前線を、Sakana AIは開拓し続けます! pic.twitter.com/TMaX6l7pHi
— Sakana AI (@SakanaAILabs) April 11, 2025
Sakana AIの事業は、世の中に役立つAIを研究し、開発すること。ChatGPTを開発したOpenAIやClaudeを手がけるAnthropicなどと同様の事業をおこなっていますが、その開発手法は大きく異なっています。
OpenAIなどによる既存のAI開発の現場では、現在、大量の予算を投じてAIの性能を高める方針をとっています。一方、Sakana AIは、複数の小規模なAIを掛け合わせて性能を上げる「進化的モデルマージ」という独自手法を採用。公にリリースされているAIモデルを混ぜ合わせ、大量のモデルを作った後、優れたモデルだけを残して再び混ぜ合わせるというサイクルを繰り返すことで、高性能のAIを低予算で実現しています。
Sakana AIが提案した「進化的モデルマージ」により構築した画像生成モデル「EvoSDXL-JP」を公開しました。構築したモデルは日本語に対応しており、従来の日本語モデルと比べ10倍高速に画像を生成できます。
ブログ → https://t.co/6NkcyT86BF
デモ → https://t.co/CQtkfSyhAC… pic.twitter.com/LFGI16SWhQ— Sakana AI (@SakanaAILabs) April 22, 2024
また、2025年にはAIモデルを自動的に改善する方法も開発。研究開発コストを大きく削減できる可能性が高いとして、国内外で注目を集めています。
世界最先端の技術で日本の課題解決を目指す
省エネやコスト削減などの観点で持続可能なAI開発につながる可能性が高いため、世界中の多くの関係者から熱い視線が注がれているSakana AIの技術。しかし同社の視線は、意外にも日本国内に存在するさまざまな課題に向けられています。
創業者のひとりである伊藤さんが複数のインタビューで語っていた内容によれば、Sakana AIは今後、世界最先端の技術を使って日本の課題解決に挑むとのこと。少子高齢化社会の中でいかに生産性を上げるか、地政学リスクがある中で防衛産業をいかに強化するか、日本の金融業や製造業をAIでいかに強くできるか……。こうした問題の解決に向け、国内企業とタッグを組みながら事業を進めていくといいます。
Sakana AI は「日本発の、日本のためのAI企業」として、先日の Sakana Chat のように皆様の日常で役立つ基盤技術の開発と、世界をリードする最先端のAI研究の双方に全力を注いでいます。
“Towards end-to-end automation of AI research”https://t.co/rvS3cybrOq
今回の @Nature 誌への掲載を一つの…
— Sakana AI (@SakanaAILabs) March 26, 2026
これまでのやり方とは一線を画す方法でAIの研究開発を手がけるSakana AI。AI開発では後れを取っていると言われてきた日本ですが、同社の活躍により、いつかAI分野で日本の存在感が増す日がやってくるかもしれません。Sakana AIの今後の動向に注目必至です。
Text:Teruko Ichioka






