
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカで文化継承に貢献してきた「語り手」について紹介します。
「生きた歴史書」とも呼ばれるアフリカの語り手
世界の歴史や文化は、文書や遺物として保存されるだけでなく、語りや儀礼といった実践を通じても受け継がれてきました。とくにアフリカの多くの社会では、口承が文化継承において重要な役割を担ってきました。
口承文化は、アフリカのさまざまな地域で見られます。多くの地域で、語り手は、子どもが生まれたときや結婚式、王に重要なできごとを報告するときなど、社会の大切な場面で呼ばれました。人々の中には、語り手が神のような力を持つ、と考える者もいたそうです。ときには、次の統治者が誰になるのかを人々に伝える役目を担うこともあったといいます。
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西アフリカでは、歌や楽器演奏を用いて民族の歴史、伝統を語り継ぐ人のことを「グリオ」と呼びます。多くの場合、世襲でその役割を受け継ぎ、コラ、ンゴニ、バラフォンといった楽器を演奏しながら、歌にのせて歴史や文化を伝えます。
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どこで語り手に出会える?
現代のグリオとして著名な人としては、プロのコラ奏者として世界で活躍する「Sona Jobarteh」が挙げられます。彼女はガンビアの、7世紀にもわたる伝統をもつグリオの家に生まれました。
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近年、アフリカの音楽というとアフロビーツといった商業的な音楽が世界中でヒットする中、彼女は伝統的なグリオとして成功を収め、世界でツアーもおこなっています。彼女はモダンなスタイルも取り入れながら、グリオの継承者としてアフリカの歴史や文化を語り継いでいます。
アフリカ各地でも、語り手の活動は盛んです。たとえば、筆者の住むウガンダでは文化センター、結婚式、学校、サファリツアーなどでも語り手のパフォーマンスを見ることができます。
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語り手の話の中にはさまざまな内容がありますが、植民地以前からウガンダに存在していた王国や王さまのこと、民族の歴史などを語ると言います。最近は英語で翻訳する語り手もおり、現地語がわからない人でも内容が理解できるようになっているそうです。
ウガンダ人の友人に「語り手は社会的に重要か」と聞いてみると、「ウガンダでは現地語で書かれた本などがあまりない。語り手は歴史を保存し伝える役割として重要だと思う」と教えてくれました。

語り手は、口承文化が発達してきたアフリカにおいて、何世代にもわたって文化や歴史を受け継いできた大切な存在です。
読み書きやテクノロジーが発達した現代でも、その役割は途絶えることなく、語り手たちは今も誇りをもって、文化や歴史を未来へとつないでいます。みなさんもぜひ、アフリカの語り手について調べてみてはいかがでしょうか。
Text:Hao Kanayama






