
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、ストックホルムで導入された「宙に浮くフェリー」についてご紹介します。
14の島々からなる都市特有の交通問題
北欧スウェーデンの首都であるストックホルムは、14の島々が50以上もの橋で繋がるユニークな地形の都市です。水路や運河が多い地形のため、水上交通機関も移動手段のひとつになっています。
しかし近年、水上交通機関は船行速度が遅く移動に時間がかかることや、一日の出航便も少ないこと、二酸化炭素排出量の多さなどが問題視されているようです。
問題解決を目的に導入された宙に浮きながら移動するフェリー
問題を解決するため、ストックホルムでは、2024年後半からカンデラ社の完全電動の水上シャトル「P-12」を導入。ストックホルム中心部とエケロ郊外を結ぶ89号線にて、定期公共交通サービスを開始しました。
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時速約25ノットで運行し、エネルギー効率も高いと言われていますが、注目したいのがその船行方法です。なんと、水面から浮上した状態で進むとのこと。仕組みとしては船体の下に炭素繊維製の翼が3枚付いており、この翼を利用してコンピュータ制御で飛行するそうです。この船行方法により、従来の船舶が受けていた水の抵抗やエネルギー消費量を大幅に削減できます。それに加え、バッテリー電力のみで長距離移動・高速船行が可能になりました。運行中も静かに進み、乗り心地もよいそうです。
実際に運用してみた結果は?
「P-12」の運行開始により、さまざまな変化がおきています。まず、これまで55分かかっていた移動時間が約30分に短縮されました。この大幅な時間短縮は、乗客からも大きな評価を得たそうです。試験運行期間中には、乗客数が22.5%増加したとの報告もあります。その他にも環境面では、二酸化炭素排出量が94%も削減されました。これまで、フェリーによる二酸化炭素排出量は、地域の公共交通機関が排出する総量のほぼ半分を占めていましたが、「P-12」の導入が増えれば大幅な削減に繋がるでしょう。
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また、浮きながら進むことにより波の発生率も少なく、海岸線の浸食や環境への悪影響も軽減されます。費用面でも、充電設備をアップグレードする必要が少ないため、ディーゼル船に比べて燃料費やメンテナンス費を低く抑えられるそうです。
水上交通機関の発展に貢献!
宙を浮き進む「P-12」の存在は、ストックホルムの交通問題を解消し良い影響を与えつつあります。今回の導入事例は、水上交通が生活に欠かせない土地の参考にもなるでしょう。長期的な導入より課題が発生する可能性もありますが、そうした点も踏まえて「P-12」の活躍を見守っていきたいですね。
Reference:
Stockholm’s electric flying ferry successful on all parameters|CANDELA
Quiet, comfortable and low emissions: How this ‘flying’ ferry is transforming Stockholm’s waterways|euronews
World’s fastest electric ‘flying’ ferry to make commuting in Stockholm faster than cars and metros|euronews
Text:Yuki Tsuruda






