
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、富士山の噴火に備えて進んでいる被害シミュレーションについてご紹介します。
2月23日は富士山の日
昨日、2月23日は「富士山の日」でした。一般社団法人 日本記念日協会によると、「223」を「ふじさん」と読む語呂合わせに加え、2月は富士山がきれいに見えることが由来だそう。山岳展望や地図に関するソフトを軸に、情報交換や啓発活動をおこなうインターネット上の団体「山の展望と地図のフォーラム(FYAMAP)」によって制定されました。
また、富士山がある静岡県と山梨県も条例で2月23日を「富士山の日」と定めています。この日は毎年、富士山にちなんだイベントやキャンペーンが実施されるそうです。
活火山の富士山
自治体や団体によって記念日が制定されるほど、日本に暮らす人々にとってなじみ深い存在である富士山。実は、いつか火山活動が起こるかもしれない「活火山」なのをご存知でしょうか。

気象庁の火山噴火予知連絡会は、過去1万年以内に噴火した火山と現在活発な噴気活動がある火山を「活火山」と定義。国内で111の山を活火山と指定し、活動の活発度により上からA、B、Cとランクづけをしています。富士山はランクBの火山です。他の活火山と共に、噴火の予兆が見られないか観測が続けられています。
富士山はいつ噴火してもおかしくない
富士山は標高が3,776mもあり、日本で最も高い山です。そのため、もし噴火した場合、広範囲に影響が及ぶのは想像に難くありません。
ではこの先、いつ噴火する可能性があるのでしょうか。専門家によると、富士山はもともと非常に活発に活動していた火山で、平均すると30年に1回ほど噴火してきた歴史があるそう。しかし、最後の噴火は1707年でした。江戸時代に発生して以来、すでに300年以上も静かな状態が続いており、次の噴火はいつ起きてもおかしくないと言われているようです。
噴火に備えて進む、被害想定のシミュレーション
いずれ必ず訪れる噴火の日に備え、政府や自治体では被害想定のシミュレーションが進んでいます。
内閣府では2025年3月、富士山の大規模噴火を想定し、「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」を取りまとめました。また、同年8月には降灰などの被害イメージを伝える啓発動画を公開。火口から飛び出す「大きな噴石」、流れ落ちる「溶岩流」や「火砕流」、「融雪型火山泥流(熱で山の斜面の雪が解け、土砂や岩石を巻き込みながら広範囲に流れる大量の水のこと)」、遠方にまで影響を及ぼす「降灰」の5種類について、起こりうる被害の状況を解説しています。
動画の中で特に印象的なのが、降灰の影響です。富士山の噴火で発生した火山灰は、山梨県や静岡県、神奈川県といった近隣県だけでなく、茨城県や福島県、栃木県などにも到達する可能性があるといいます。降灰の程度によっては木造住宅が倒壊するほか、道路の通行が不可能になったり、鉄道や電力供給がストップしたりするおそれも。また、火山灰には鉱物の結晶やガラス粒子などが含まれているため、目や鼻、喉、肺などに健康被害をもたらす危険性も指摘されています。
こうした被害想定は東京都でもおこなわれました。都は、2025年8月に生成AIを活用した被害シミュレーション動画を公開。「富士山降灰特設サイト」もオープンし、想定される被害の内容・状況や家庭で取り組める防災対策について伝えています。
国内初の実証実験もスタート
今年1月には、富士山の噴火による建物への被害を調べる実証実験が始まりました。実施主体は山梨県です。同県は富士河口湖町にある屋外の実験場で、1976年に建てられた木造建築物の屋根の上に約20トンの火山灰を乗せ、影響を約3カ月にわたって調べるといいます。火山灰がどの程度降り積もると建物が変形し、雨などの影響でどのように倒壊してしまうのか。さまざまなデータを集めることで、倒壊前に避難を始めるための基準づくりに活かすそうです。
直近の発生は300年以上も前のため、誰ひとりとして経験したことのない富士山の大規模噴火。影響が及ぶかもしれない地域に住んでいる場合、改めて対策方法をチェックし、地震などの備えに加えて必要なグッズを揃えておきたいものです。
Reference:
「富士山の大規模噴火と広域降灰の影響」 動画の公表について
Tokyo富士山降灰特設サイト
Text:Teruko Ichioka






