
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカを舞台にした映画を紹介します。
映像で知るアフリカ
2023年にも「映画を通してアフリカを知ろう。アフリカ在住ライターがオススメする映画5選」で、アフリカを題材とした映画をご紹介しました。今回は第2弾として、さまざまな視点からアフリカ社会を描いた映画5作品、最新作も含めてご紹介します。
性と差別と自由の狭間で/The legend of underground
同性を愛することが“悪”とされているナイジェリアで、差別と闘う性的マイノリティの若者たちを追ったドキュメンタリーです。
性的マイノリティであることを理由に、アメリカに難民として渡ったナイジェリア人の男性が、10年ぶりに母国へ帰国します。そこで彼が目にしたのは、同性愛者であることを理由に家族から拒絶され、実の父親の葬儀にさえ呼ばれなかった息子や、見知らぬ人からの暴力、不当な警察逮捕を経験してきた若者たちの姿でした。
彼は、かつての自分と彼らを重ね合わせ、いまも母国で続く厳しい現実に心を痛めます。それでも、「当たり前の人権」を求めて闘い続ける若者のインフルエンサーや弁護士、活動家たちの姿に希望を見出し、彼らにエールを送ります。
ワカリウッド・フォーエバー!ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウガンダ/Once Upon a Time in Uganda
アメリカにはハリウッド、インドにはボリウッドがあるように、ウガンダには「ワカリウッド」が存在します。
ウガンダのスラム街・ワカリガに由来する、ワカリウッド。映画で使うヘリコプターや銃、血のりだけでなく、コンピューターや防犯カメラまで手作りし、低予算で映画製作をおこなっています。「ワカリウッド・フォーエバー!ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウガンダ」は、そんなワカリウッドの舞台裏を描いた作品です。ウガンダ人の監督は、建物が崩壊するシーンや血が吹き飛ぶ演出まで、すべて独学で映画を製作しています。製作所は監督の家。あるとき彼のもとを訪ねてきたアメリカ人男性も巻き込みながら、製作は進みます。
ワカリウッドが目指すのは「ホラーでもアクションでも、とにかく笑ってもらうこと」。撮影現場では、監督や俳優だけでなく、巻き込まれた周囲の人々までが夢中になり、楽しそうに笑っている様子が印象的に描かれます。
ザ・モール/The Mole
北朝鮮との文化交流団体「KFA」にスパイとして潜入した、元シェフのデンマーク人男性を追ったドキュメンタリーです。彼はスパイとして北朝鮮にも渡航し、関係者との信頼を深めていきます。
KFA会長の信頼を得た彼は、さまざまなビジネスの場に同席するようになります。そこで彼が目撃したのは、麻薬や武器を製造する北朝鮮の闇でした。
北朝鮮を描いた作品かと思いきや、物語は思わぬ形でアフリカとの関係性へと広がっていきます。北朝鮮が大規模な違法ビジネスのために、アフリカの人々や土地が計画的に搾取されている現実が明らかになるのです。本作を通して、国際的な犯罪に利用されているというアフリカの一面を知ることができます。
シティ・オブ・ジョイ 世界を変える真実の声/City of joy
1990年代後半から続くコンゴ紛争では、これまでに約540万人の尊い命が犠牲となりました。この戦争で大きな問題となっているのが、性暴力です。女性や子どもへの虐待行為が、ときに軍事行動として組織的におこなわれることもあると言います。
そうした状況の中、コンゴ民主共和国で性暴力の被害を受けた女性たちの人生を変えるために設立された団体が「City of Joy」です。
この施設では、治療や教育、職業訓練を通して女性たちが自信とリーダーシップを身につけていきます。これまでに2,240人以上の女性がプログラムを修了したそうです。City of joyは、2018年にノーベル平和賞を受賞した医者のデニ・ムクウェゲ氏などの支援も受けながら、20年以上にわたって性被害に遭った女性を無償で治療しています。
スクリーンから伝わるアフリカのリアル
これらの映画は、アフリカを「遠い世界」ではなく、同じ時代を生きる社会として映し出しています。苦しみの中にも、声を上げ、笑う人々がいます。そんな人々の強さを映画を通して感じてみてはいかがでしょうか。
References:
Terra Renaissance「コンゴの紛争とは?―長期化する根本的な原因と、私たちの生活との関わりー」
Panzi「CITY OF JOY: A SANCTUARY FOR HEALING, EMPOWERMENT, AND LEADERSHIP IN THE HEART OF THE DRC」
Text:Hao Kanayama






