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表現は「舞台に立つ人だけのもの」ではないから。静岡市で大人や子どもと舞台を手がける高校生【みなみ・18歳】

表現は「舞台に立つ人だけのもの」ではないから。静岡市で大人や子どもと舞台を手がける高校生【みなみ・18歳】

「気になる10代名鑑」の1210人目は、みなみさん(18)。静岡市で開催予定の舞台作品の公演に向け、総合演出として準備に励んでいます。普段は演者として活動しているため、今回初めて脚本づくりに挑戦したというみなみさんに、そのきっかけや表現者としてのこだわりについて聞いてみました。

みなみを知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

舞台作品『星降る日、花さき日和びより。』の総合演出として、脚本や振り付けづくりや、演者の指導に力を入れています。

この作品は、静岡市を拠点に若者の力でゼロから舞台作品を生み出すプロジェクト『TSUMUGU ART PROJECT(ツムプロ)』の第2回公演として3月に開催することが決まっていて。これまで演者としてほとんど活動してきたわたしですが、立ち上げの際に『脚本に挑戦してみたい』と話してみると、周囲の人たちが背中を押してくれて。今回初めて作品全体を手がけてみることになったんです。

とくに、脚本を書くのは初めてでした。小学4年生から社会人まで幅広い年代の演者がいるので、演者の人柄を参考にそれぞれの登場人物のキャラクターを決めていって、脚本を書き上げました。

作風はファンタジーですが、実はわたしの実体験が根底にある作品です。派手さはないけれど、苦しいときや心が限界に近づいたとき、ふと頭の片隅に浮かんでくるような、あたたかい作品にしたくって。ステラとキキョウという2人の主人公の関係性の変化が注目ポイントです!

 

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Q2.活動を始めたきっかけは?

中高生と大人がいっしょにひとつのダンス作品を創り上げるプロジェクト『SPAC-ENFANTS-PLUSスパカンファンプラス』に参加して、ダンスが壁を超えて人と人とをつなぐ瞬間を体感したことがきっかけです。

わたしは昔から、言葉で自分の気持ちを伝えることが苦手で……。何か学校で意見を求められた時に、思っていることをそのまま伝えたいけれど、気づけば『これは言わないほうがいいのかもしれない』と、自分の感情を内側に押し込めてしまっていたんです。本音とは違う無難な言葉でその場をやり過ごしていると、いつしか感情を表に出すこと自体が怖くなっていってしまって。

そんなときに、SPAC-ENFANTS-PLUSで振付師メルラン・ニヤカムさんと出会って。メルランさんがどんな表現も否定せずに受け止めてくれたおかげで、表現しているときだけは本当の自分を解放することができて、自分を好きになれていったんです。

イヤホンをつけて、好きな曲を流してダンスを踊っているときには、普段はなかなか出しきれない本当の自分に出会えて、心から生きられている感じがあります。わたしがわたしらしく生きていくため、創作活動は必要不可欠なんです」

Q3.活動で大切にしていることは?

表現において、本当の自分に寄り添うことを大切にしています。

言葉には限りがあるけれど、からだはそうじゃないから、いくらでも自由に表現を作り出すことができる。言葉で表現するのが苦手なわたしには、身体表現は感情をそのまま外に出せる大切な手段なんです。

ダンスや演劇のために舞台に日々立っていると、普段の生活を過ごしていては意識することがない人生の有限さに気づく場面が多くて。役にはもちろん期限がありますが、わたしは感情移入するあまり、『自分が演じて役に命を吹き込むのに、公演を終えたらこの役は死んでしまうの? わたし自身も役といっしょに消えてしまうの?』と葛藤してしまうことも多いんです。

それでも、限りがあるからこそ、観客の前でその一瞬をどう輝かせるのかを考え抜く意味があるんじゃないかって思うんです」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

「出身地である静岡県を『いちばん舞台芸術とパフォーマンスを愛する人が集まる県』にしたいです。静岡市は『まちは劇場』と掲げていて、街を歩けばどこかで音楽や表現に出会える風景が大好きで。

でも、わたしは表現とは、必ずしも舞台に立つ人だけのためのものとは思っていなくって。表現とは自由で、本来誰にでも与えられているものだと思うんです。創作に出会う前、わたしが自分の気持ちを塞いでしまったように、やりたいことがあってもためらってしまう子が、まだどこかにいるんじゃないかって。

わたしが舞台に立ったり作品を手がけたりして表現を追求することで、それを観てくれた人が、少しでも自分の気持ちに素直になって、表現に前向きになってくれたら嬉しいんです」

Q5.将来の展望は?

ダンサーや役者といった肩書きに縛られずに、マルチな表現者であり続けたいです。

わたしは、いまは踊ることも、演じることも、言葉にすることも含めていろいろな表現手段を磨いている最中で。ひとつの肩書きに縛られず、どの切り口からでも表現できる人になりたいんです。

そのために、大前提わたし自身が万全で、精神的に自立して、自分の気持ちをきちんと受け止められる人でありたいと思っています。ゆくゆくは誰かが一歩表現に踏み出そうとするときに、背中を押せる存在になれたらなって。

まずは引き続き目の前の表現に真摯に向き合って、舞台作品『星降る日、花さき日和。』の公演を必ず成功させます」

みなみのプロフィール

年齢:18歳
出身地:静岡県富士宮市
所属:静岡県立清水南高等学校、TSUMUGU ART PROJECT、Studio ONEDaydream
趣味:寝ること、妄想、人間観察
特技:諦めないこと
大切にしている言葉:Chance favors the prepared mind(幸福は用意された心のみに宿る)

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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami

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Taishi Murakami

ライター

ライター。2025年4月にSteenzへジョイン。大学生活の傍ら「気になる10代名鑑」をメインにインタビューから執筆まで記事制作を担当している。スタートアップ、建築、メディアまで多方面への関心を活かして活躍中。

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