
「気になる10代名鑑」の1198人目はmaokikiさん(19)。地元加古川では「from 8」という音楽ユニットで活動する傍ら、maokikiとして個人での音楽制作もおこなっています。上京により新たな音楽や文化、人との出会いが生まれ、さまざまな心境の変化があったというmaokikiさんに、これまでの活動のことから、いまの悩み、そして将来の展望までを聞きました。
maokikiを知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?
「音楽を作っています。地元兵庫県加古川の同級生と組んでいる『from8』というユニットと、ソロ名義の『maokiki』というふたつの活動があります。
ただ、昨年の4月に大学進学で上京してからは、音楽を作ることそのものはお休みしています。大学を卒業する四年後にまたfrom 8として音楽をやろうと約束しているので、インプットに力を入れつつ、今年はmaokiki個人としての活動を充実させたいと思っています。
地元の加古川にいたときは、ライブができるお店のオーナーや、ローカルなミュージシャン、そしてバンドの仲間など、人のつながりが豊富でした。東京に出てきて、それまでの人脈はリセットされ、頼れるのは自分だけという状況になり、新しいジャンルの音楽やそれ以外の表現に触れたり、いままでにない刺激的な環境に戸惑ったりしています。そんな中で自分が表現したいもの、自分が他人に与えられるものはなんだろうと自問することが、いまいちばんの活動と言えるかもしれません」
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Q2.活動を始めたきっかけは?
「小学生のころ、父の勧めでお芝居を始めました。
両親ともに芸能を生業としていたので、表現することそのものがかなり身近にあったと思います。幼いころは人前に立つことが苦手な性格だったのですが、劇団でお芝居をしていくうちに、自分も表に立っていいんだと意識が変わって。自分の感性を表現することこそ、ぼくをいちばん活かせることなんじゃないかと思うようになりました。
高校時代からは音楽を演奏することが表現の中心になっていきました。ただ、自己表現の方法がお芝居から音楽に転換する具体的な出来事は明確にはなくて。日常の生活を過ごす時間も、ぼくにとっては創作や表現の一部という感覚です」

Q3.活動を始めるときに、最初におこなったアクションは?
「音楽活動の起点でいうと、お芝居から離れた時期です。人前に出ることをぱたりと辞めると、漠然と外に出たいと思う気持ちが膨らんでいて、ギターの弾き語り動画をInstagramにアップするようになりました。
もともと、ひとりで好きな曲を弾き語ることが好きだったのですが、正直なところ演奏そのものは拙くて、恥ずかしいと思う気持ちもありました。それでも、恥ずかしさに押しつぶされずに続けることができたのは、徒然草の第150段、『能をつかんとする人、』から始まる一節をどこかで読んでいたからだと思います。ぼくはその段を、下手なうちでも人前に出すことそのものに意味があると解釈して、初期のモチベーションにしていました」

Q4.活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「辛さは常に感じてしまいます。音楽を演奏するにあたって、技術的に足りない部分を痛感するときは言わずもがなですが、『自分とはなにか』が揺らぐ瞬間がいちばん辛いです。
地元から遠く離れた場所に来て、ありとあらゆる物や人に出会うなかで、さまざまな文化やチャンスに巡り合うことができる東京という場所、そしてそこに幼いころから居た人たちを羨ましく思う気持ちがあって。性格的に、自分を評価するときに自分を中心に置くのではなく、周囲との比較をもとにしてしまうので、『自分とはなにか』を見失うことが少なくありません。
でも、先日帰省をして、東京と物理的に離れてみると、その気持ちも若干変化しました。この一年間はジャズやファンク、ソウルなどのいわゆるブラックミュージックをたくさん摂取してきたのですが、実家で音楽を聞いていると、結局自分が戻ってくるのはインディーロックやオルタナティブ音楽だなと感じて。加古川を離れて、そしてまた戻ってきたことで、自分の軸になる、居場所の音楽を見つけられたように思います」
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Q5.将来の展望は?
「4年後にfrom8の仲間と音楽をすること、それから、音楽そのものだけではなく、自分が自分であることを表現できる空間を作りたいとも思っています。いまは音楽が表現の手段ですが、別に音楽に限る必要はなくて、一手法のひとつであると捉えています。
ぼくの所属している学科には、音楽だけでなく、文学、アート、写真映像、ファッションなどあらゆる文化に造詣の深い人がたくさんいます。みんながそれぞれ面白いものを見つけてきて、持ち寄って議論する時間がたまらなく楽しいんです。いまはみんなアイデアを溢れるほど持っている状態なのですが、それをくすぶらせず、きちんとかたちにしたいという気持ちがあります。
自分が自分であることを表現する、つまりどんな人でも背伸びせず、自分の思うままにうっとりできるような空間を主催したいです。ぼくの創作に触れたみんなが幸せに生きているのを感じることが夢だと言えるかもしれません。そしてそれがいつか自分の幸せを見つける手立てになると信じています」

maokikiのプロフィール
年齢:19歳
出身地:兵庫県加古川市
所属:立教大学文学部文学科文芸思想専修 、立教大学軽音楽部RLMS、from8
趣味:街を歩く
特技:共感
大切にしている言葉:少しの期待をしまって、髪をくくる。
maokikiのSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Manami Tanaka






