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一部の人の善意に頼らない海洋保護を。「海の教科書」を全国各地に届ける高校生【片岸拓也・17歳】

一部の人の善意に頼らない海洋保護を。「海の教科書」を全国各地に届ける高校生【片岸拓也・17歳】

「気になる10代名鑑」の1194人目は、片岸拓也さん(17)。幼い頃から慣れ親しんできた海を守りたいという想いから、海洋教育を行う学生団体の代表を務めています。直近ではラグジュアリーブランド立ち上げに向けて奮闘するなど、多方面から海の未来を守る活動を進める片岸さんに、活動のきっかけや実現したいヴィジョンについて聞いてみました。

片岸拓也を知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

学生団体Blue Campus(ブルーキャンパス)の代表として、海を守るための教育活動に取り組んでいます。

Blue Campusでは、団体の仲間と『海の教科書』をゼロから制作しています。これまでにも中高生向けの教科書をつくって全国各地の学校に届けてきたのですが、ぼくたちよりも若い世代や海外にも海洋教育を広げたいと考えていて。英語版や小学生版の教科書の製作が進んでいます。

また個人的には、海の美しさを五感で感じるラグジュアリーブランド LE MARÉL(ル・マレル)の立ち上げに挑戦中です。先日、かながわ学生ビジネスアイデアコンテストで特別賞を受賞できました。世界各地の海の香りを閉じ込めた香水のコレクションや、加工時に有害な排水を出さないラボクラウンダイヤを用いたジュエリーの2種類のプロダクトを開発しています。

教科書や商品を手に取るだけで、海が身近になっていけば、自発的に海を守りたいと思ってもらえる人が増えるんじゃないかって、そんな想いを原動力にしています」

Q2.活動を始めたきっかけは?

幼い頃から、逗子や葉山、大磯など、父にいろんな土地の海へ連れて行ってもらったことがきっかけです。

中学生になって、漁業をテーマに探究活動をするようになって。そこで海洋問題にも興味を持って、海洋保護について学ぶために『トビタテ!留学JAPAN』という制度を活用してタイに留学したんです。現地では初めてダイビングに挑戦してみたのですが、上から眺めるだけだった海に潜って、下から海面を見上げる体験がすごく新鮮で……。

大好きな海をそれまで以上に近くで体感して以来、海洋問題が一気に自分ごととして、手に取るように感じられるようになったんです」

Q3.活動で大切にしていることは?

活動で大切にしているのは、『時間を人生の解像度としてみる』という感覚です。

もっと平たくいうと、目の前の一瞬を『その場限りの時間』ではなく、人生全体につながる時間として捉えるというものです。いまの選択や行動が、数年後、もっと先の自分や社会にどう影響していくのかを意識しながら、小さな挑戦を重ねていくことが大切だと思っています。

その考えのもとで意識しているのが、フレームワークばかりに気を取られるのではなく、現場も見てみることです。実際に見て、肌で感じ、心が動く体験があってこそ、人の行動は変わる。だから、人に行動や変化を強いるのではなくて、自分から行動を起こしたくなるような、そんなフレームワークを社会の仕組みとして残せたら嬉しいんです」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

「海と向き合うことが、特別ではなく当たり前の選択として仕組み化されている社会をつくりたいです。

現在の海洋保護は、どうしても専門家や研究者が中心になって進められていたり、一部の人の善意に頼りすぎな印象があって……。ただ、そんな現状に『多くの人が無関心だ』と簡単に片付けてしまいたくなくて。人が関心を持った先に具体的な行動を起こせる選択肢や環境が、社会に十分に用意されていないだけなんじゃないかって考えているんです。

だからこそ、海を学ぶ機会や美しさに触れて、次の行動に繋がるという流れを、学生団体とブランドの両軸で生み出しています。日常の中で無意識に選ぶ行動の先に、結果として海を守る選択があれば理想ですね」

Q5.将来の展望は?

将来は、海と社会の間にある距離を、価値観の設計からつなぎ直す人間になりたいです。

当面は、Blue Campusを通じて世界の学生とつながり、地球規模で海洋問題に向き合っていくことと、LE MARÉLでデザインや体験を通じて直感的に『海って、海洋保護っていいな』と思う人を増やす取り組みを続けていきます。

環境保護の現場で活動する人と、経済の論理の中で意思決定をする企業は、どちらも社会にとって欠かせない存在です。お互いの正しさがぶつかることもありますが、正しさをぶつけ合うのではなく、両者が自然につながり、結果として海を守る方向に社会が動く仕組みを設計するようにしたいです。

海は、ぼくにとっては全ての活動の原点であると同時に、帰ってくる場所です。愛すべき海とこれからも生きていきます」

片岸拓也のプロフィール

年齢:17歳
出身地:神奈川県相模原市
所属:神奈川県立横浜国際高校、海洋保護学生団体 Blue Campus 2026代表、海洋保護ラグジュアリーブランド LE MARÉL 代表 (起業準備段階)
趣味:海へ出向くこと・サッカー・語学学習・ピアノ
特技:ダイビング・デザイン・俯瞰力
大切にしている言葉:0を変えると100が変わる。100を変えたいなら0を変える

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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami

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Taishi Murakami

ライター

ライター。2025年4月にSteenzへジョイン。大学生活の傍ら「気になる10代名鑑」をメインにインタビューから執筆まで記事制作を担当している。スタートアップ、建築、メディアまで多方面への関心を活かして活躍中。

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