
「気になる10代名鑑」の1187人目は、子佛師KEIKEIさん(16)。中学1年生から木彫を始め、現在は「大佛師」という高い目標を掲げながら、日々の佛像制作に打ち込んでいます。作品を通じて、現代の「祈り」を追求したいと語る子佛師KEIKEIさんに、活動の原点や今後の展望について、詳しく聞いてみました。
子佛師KEIKEIを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「佛像彫刻です。中学一年生のときに木彫の佛像を彫り始めてから、日々制作を続けています。将来の目標は、大佛師になることです。これは佛像を制作する職人・佛師のなかでも、特に優れた佛師に与えられる称号なんです。
写実的で躍動感のある表現が好きで、特に鎌倉時代の佛像に惹かれています。日常の中で当たり前に目にしている物の質感が、硬い木を使ってリアルに表現されていることに気づいたとき、強い衝撃を受けて。自分の心が動いたように、見る人の心を動かす佛像とは何かを考えながら、制作に向き合っています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?
「幼い頃から佛像が好きで、家にある佛壇を眺めているうちに『自分でも作ってみたい』と思うようになりました。最初の作品は、小学4年生の自由研究で作った紙粘土の釈迦如来像です。
本格的に木彫を始めたのは中学1年生のときです。最初はノミの使い方もわからず、見よう見まねで学び始めました。一度削れば後戻りができない緊張感がありますし、木目の方向に沿って刃を入れないと綺麗に削れないなど、思い通りにいかないことの連続で。でも、木の温かみに触れるうちに、どんどん木彫の奥深さに引き込まれていきました」
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Q3. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「作品ごとに明確なテーマを決めているわけではありませんが、常に意識しているのは『衣のシワ』です。運慶や快慶が作った佛像を見て感動した理由を振り返ると、そこに彫られた衣のシワの美しさや力強さに惹かれていることに気づいたんです。
佛像彫刻は佛様の慈悲をかたちにする作業だと思っています。たとえ怒っているような表情をしていても、その奥には優しさや祈りがあって。単なる美術作品ではなく、見た人にとって意味を持つ佛像を彫りたいと考えています」
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Q4. 活動する中で、印象的だった出会いは?
「中学1年生のときに出会った、佛師・松本明慶先生の存在はとても大きいです。『情熱大陸』で松本先生が特集されているのを見て、佛像が人の手で作られていることを改めて実感して。小学校以来、一度離れかけていた佛像へのワクワクが一気によみがえりました。その後、個展で実際にお会いし、工房にも訪ねることができたんです。
この出会いにインスピレーションを受けて制作したのが、『平熱大陸』という映像作品です。佛師を目指す自分を主人公に、番組の構成をオマージュして撮影・編集しました。この作品が学校のコンクールで彫刻作品2点とともに入選して。彫刻専攻への入学が叶わず悔しい思いをしましたが、映像専攻での経験も活かし、学校での学びがより楽しく思えるようになりました」

Q5. 将来の展望は?
「将来は大佛師として、ひとに寄り添う佛像を彫り続けたいです。いま日本では、飢餓や戦争といった、生死に直結する切実な願いは少なくなっているかもしれません。それでも多くのひとがそれぞれに尽きない悩みを抱え続けていて。いまの時代の『祈り』とは一体何か、どうしたらそれを癒すことができるのか、制作を通じて考え続けていきたいと思っています。
今後どれだけ技術が磨かれても、見てくれる相手を思って、自分の手で彫っているということを忘れずにいたいです。佛像を通して、言葉では表現できない思いをかたちにしたり、いつか個展を開いて、作品に出会った人がふと明るい気持ちになれるような瞬間を届けていきたいと思っています」

子佛師KEIKEIのプロフィール
年齢:16歳
出身地:調布市
所属:都立総合芸術高等学校美術科
趣味:佛像彫刻、お寺めぐり、お絵描き
特技:佛像が置かれている寺院を当てる。
大切にしている言葉:いまやらねばいつできる、 わしがやらねばたれがやる(平櫛田中のお言葉)
子佛師KEIKEIのSNS
まず自らの幸せに気づくことが大事ではないでしょうか。そう問われているように見えます。
レリーフ像に挑戦しました。
楠の枝の根元です。#佛像彫刻 #仏像彫刻 #仏師 #佛師 #佛像 #仏像 #彫刻 #平和 #レリーフ #仏像好きとつながりたい pic.twitter.com/8KU7tGIjn3— 子佛師 KEIKEI (@kobusshi_keikei) September 6, 2025
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Photo:Nanako Araie
Text:Mizuki Maeda






