
「気になる10代名鑑」1168人目は、AYAさん(17)。地元川崎で、子どもの権利の啓発や給食の残食問題に取り組む高校生です。子どもの権利を守るには、大人の権利や居場所を守ることも大切と語るAYAさんに、活動のきっかけや今後の展望をお聞きしました。
AYAを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「 地元の川崎市子ども会議に参加しています。2025年11月からは、昨年も参加していた川崎若者未来プロジェクトに10期生として参画しています。
川崎市子ども会議は、小中高学生を対象として、地元川崎の街づくりや子どもの権利について活動する場を提供しています。今年のテーマは『子どもの権利』なのですが、チャイルドラインをつくった人や地域の先生を呼んで話を聞き、2026年3月に川崎市長へ提言をする予定です。
川崎若者未来プロジェクトでは、給食の残食問題を研究しています。いまは『残食なんじゃもんじゃゲーム』の作成に向けて準備中で、栄養士や長年中学校給食の取材を続けている人へインタビューをしています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?
「もともと自然環境が好きで、漠然と環境問題の根本原因である人間の理不尽さに怒っていました。
それで、自分にできることを探そうと思って身近な問題に着目したら、給食の残食量の多さに違和感を持ち始めたんです。小学生のときには、給食委員会に『もっと残す人を減らすために声かけとかできないんですか?』と物申したこともあります。
川崎子ども会議で、より詳しく問題を学ばせてもらい、いまはプロジェクトとして具体的に取り組むことができています」
Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「地震発災後の能登半島に行き、被災者の話を聞く機会がありました。
『災害時の居場所』をテーマに能登に暮らす親子に話を聞いたときに、『児童館は避難所として使いたくない』と話してくれたのが印象的で。理由を聞くと『だめ!』が多いからだと教えてくれました。児童館って、意外とルールが多いそうなんですね。
この話を聞いて、多くの人が求めているのは“口出しされない居場所”なのかなと感じて。同時に、大人の権利や居場所の確保の重要性を実感しました。
子どもが自由でいられるためには、その子どもを取り巻く大人も余裕をもって子どもを見守れるようにしなくてはいけません。そのために行政がやるべきことは、まず大人の権利をどう守るか考えることなのかなと思って。大人が自由にいられる場所をまずは確立したいと思うようになりました」

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「子どもの権利や大人の居場所の重要性についてSNSなどを通して発信したい気持ちはあるものの、SNSのリスクや発信の怖さを考えて、なかなか前に進めません。デジタルがそもそも苦手というのも関係あるのかもしれませんが……。
でも、デジタルが苦手な代わりに、対面で直接人と話すのが好きなんです。先日も、鹿児島に行って子どもの権利フォーラムで講演をしてきました。わたしにできる発信のかたちは、こういう地域密着型なのかなと気づいて。でも、SNSで広く情報を発信することにもいつか挑戦してみたいですね」
Q5. 将来の展望は?
「将来は、小学校の教師になりたいです。川崎子ども会議や保育園のインターン、ひとり親支援活動などを通して、自分は子どもと関わるのが好きだし、子どもといる瞬間がいちばんありのままでいられるということに気がつきました。だから、大人になっても、子ども心を忘れることなく子どもと関われる人であり続けたいですね。
あとは、ジェネラリストとして広く活動を続けていきたいです。その問題の重要性を感じた誰かが、少しずつ動けたら、社会は一歩ずつよくなっていくのかなと思っていて。起業みたいに大きなことはできなくても、常にアンテナを張って0.1ミリでも人の心を動かせる人でありたいです。
そして何と言っても、子どもが自由に意見を言える環境を作りたいです。小学生のとき、心から言いたいことはあるのに発言が怖くて、紙に自分の思いを殴り書きしていたんです。自由に思いを発信できる場所を実現していきたいですね」

AYAのプロフィール
年齢:17歳
出身地:川崎市
所属:川崎市子ども会議、川崎若者未来プロジェクト9、10期生
趣味:ダンス、謎の絵を描く
特技:小さい子とすぐ仲良くなれる
大切にしている言葉:あなたは挑戦しては失敗する。挑戦しては失敗する。挑戦しては失敗する、を繰り返す。しかし本当の失敗は、あなたが挑戦することを辞めることだ。
Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa






