
「気になる10代名鑑」の1189人目は、KONOKAさん(15)。「性=ウェルビーイングにつながるもの」という視点で性教育についての発信活動に取り組んでいます。なかでもカナダ留学で日本との違いに気づいたというKONOKAさんに、活動のきっかけやこれからのヴィジョンについて聞いてみました。
KONOKAを知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?
「タブーとされがちな性を『ウェルビーイングにつながるもの』として捉え直してもらうため、発信活動やイベントの開催に力を入れています。
わたしは、性は本来人間らしさに結びついたとても身近なテーマだと思っているんです。そうした考えのもと、Instagramで性について発信したり、ユースクリニックで専門家にお聞きした知見をもとにイベントを開いたりしていて。
ユースクリニックという場所はあまり知られていないですが、若者が性や身体について気軽に相談できる、町の保健室みたいなところです。これまでに何度も訪問し、専門家や利用者の方とディスカッションしてきました。
また、2025年夏には文部科学省主催の留学支援プログラム『トビタテ!留学JAPAN』を活用して、性教育をテーマにカナダに留学しました。カナダでは大学生が運営する施設に大学生が行って、フランクに話したり相談したりするんです。それも日本ではあまり見られないことだなと思います」
Q2.活動を始めたきっかけは?
「過去に友人から性被害の相談を受けたことがあり、わたし自身もトラウマとなるような怖い経験をしたことが大きなきっかけです。
当時、わたしはどう対応したらいいのか、誰に相談すればいいのか、まったく知らなくて。それどころか、その経験が性被害だとも気づかず、『自分が悪かったのかな……。』と悩んでしまって。この経験から、正しい知識を持つことは、自分や大切な人を守る力になるのではないかと思うようになり、まずはジェンダーや性教育に関するセミナーやイベントに参加することから始めました。
なかでも、若者の性や妊娠にまつわる課題に取り組んでいらっしゃる、一般社団法人ソウレッジの元代表・鶴田七瀬さんのお話を聞いたことが印象に残っていて。『どんな状況でも被害者が悪いことはない』という一言が、わたしにとってすごく救いになったんです。
その言葉を支えに、自分や友人と同じような辛い体験をする人を無くすため、活動を始めました」

Q3. 活動をする中で悩んだことはありますか?
「活動を始めた当初は、性というタブー視されがちなテーマを探求することが怖くて……。
周囲からどう見られるのだろう、何か否定的なことを言われるのではないか、と不安ばかりが先に立っていました。実際、身近に社会課題、ましてや性教育に関心を持っている同世代は少なく、自分の活動に自信を持てない時期もありました。
そんな中で、性教育の普及に取り組むさまざまな人と出会い学んでいくうちに、気づけばその怖さも吹き飛ぶくらい、性教育が大好きになっていきました。
やがて、ワークショップを開催した際にも、多くの人が集まって楽しんでくれて。『自分の活動が誰かにとって意味のあるものになっているのかも……!』と感じられた出来事です。
いまでも迷ったり躊躇してしまう瞬間はありますが、それでも自分が大切だと思うことを貫く気持ちを軸に据えています」
Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?
「性について学ぶことで、自分や周りの人を大切にできる人が増え、思いやりが自然と連鎖していく社会にしたいです。
ユネスコが出している包括的性教育のキーコンセプトには、人間関係、価値観など日常生活に直接結びつく項目が多くあるんです。日本では、体の仕組みや避妊の仕方など、リスク管理が重きを置かれますが、本当はそれ以上に、幸せやウェルビーイングにつながる教育のはずなんです。だからこそ『性被害は自分には関係ない』と思っている人にも、とても身近な話題だと伝えたいです。
性教育が重たいものではなく、ゆくゆくはエンタメみたいな存在になっていけば嬉しいですね」

Q5.将来の展望は?
「大学進学後も、今後の人生もずっと、何らかのかたちで性教育に関わり続けていきたいです。
性教育を医療と紐づけすぎると、それだけだと治療に寄りすぎてしまい、ウェルビーイングの視点から離れてしまう気がしていて。今後は、発信やイベントと並行して、社会学の視点から性教育を捉えることで、社会の構造や人々の行動そのものを変えるアプローチも探っていきたいです。
かつてのわたしは、性のことで悩み、立ち止まってしまうこともありました。でもいまは、自分で学び、行動することで、性教育を心から楽しめているんです。
これからも、楽しみながら道を切り拓いていきます」

KONOKAのプロフィール
年齢:15歳
出身地:東京都
所属:市川高等学校
趣味:音楽を聴くこと、メイク、ファッション
特技:行動力、傾聴力、責任感
大切にしている言葉:与えられたチャンスは掴む
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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami






