
こんにちは、現在ニューヨークの大学で演劇を専攻しているみちほです。
現在留学をしている10代・20代のリアルをお届けする企画「Steenz Abroad」。先日、夏休みが終わり学校に戻ってきました。今回は夏休み中に格闘していた、ニューヨークでのアパート探しについてお話します。
ルームメイトは必須!
『プラダを着た悪魔』や『スパイダーマン』、『Friends』など、ニューヨークを舞台にした映画やドラマを見たことがある人も多いはず。誰もが憧れるニューヨークでの暮らしですが、登場人物たちが狭いアパートでルームメイトと暮らしているシーンを見て「なんで一人暮らしじゃないんだ?」と疑問に思ったこと、ありませんか?
私もそう思っていたひとりでした。でも、この夏アパートを探しをして分かったことは、若者がルームメイトなしでニューヨーク、特にマンハッタンに住むのは、ほぼ不可能ということ。わたしもアパートを探し始めてすぐに、自分の予算だけで払える家賃のアパートがひとつもないことに気が付きました。そこで、私は1年生の時に一緒に寮に住んでいたルームメイトに声をかけて、お互いの予算内でギリギリ住めるアパートが見つかりそうだったので同居を決意。

私の周りもほとんどの人が2,3人で住んでいて、多い人だと5人で暮らしている場合もあります。日本では社会人でルームシェアをする人は少ないですが、ニューヨークでは学生はもちろん、社会人でもルームシェアはごく普通の選択肢です。
恐怖のマンハッタン
先ほど「ニューヨーク、特にマンハッタンで一人暮らしはほぼ不可能」と書きましたが、Queens(クイーンズ)、Brooklyn(ブルックリン)、Bronx(ブロンクス)まで足をのばせば少し話は変わってきます。この3つの地域はマンハッタンの中心部から電車で30分〜1時間半くらい。このあたりまでいくとかなり家賃が下がって、アパートも見つかりやすくなります。

ただし、わたしの大学があるのはマンハッタン。リハーサルが終わるのは真夜中近く、地下鉄での通学はわたしも親も不安だったため、マンハッタンでアパートを探すことにしました。これが恐怖の始まりでした。

マンハッタンと言っても広く、私の大学があるのはUpper West Side(アッパー・ウエスト・サイド)という高級住宅街。そのあたりはそもそも賃貸物件の数が少なく、予算内のアパートを見つけるのに一苦労。そして私たちの条件に合うアパートはもっと少なく、
- エレベーターはあるけど、アクセスが悪い。
- 家賃は安いけど洗濯機がないのでコインランドリーを使わなきゃいけない。
など、完璧な物件を探すのはとても大変でした。さらに事を複雑にしていたのは、夏休みの間わたしは東京、ルームメイトは電車で6時間かかるニューヨーク州北部の実家に帰っていたため、すぐに内見予約ができなかったこと。多くの物件は内見が契約の必須条件なので、ルームメイトが週末にマンハッタンにいけるタイミングを調節している間にどんどん他の人に契約されてしまって、最終的に契約に辿り着くまで2ヶ月もかかってしまいました。
エージェントとバトル
無事に内見も終え、契約してもいいと思える物件が8月頭に見つかって安心していたのも束の間。今度はエージェントとのバトルです。
ニューヨークでは物件と直接契約するのではなく、エージェントを通すのが主流で、エージェントなしでは何もできません。まずはデポジット(保証金)を支払いましたが、その後に突然エージェント料の値上げを要求されました。もちろん「そんなのおかしい!」と抵抗しましたが、提示された料金を払わないと契約に進めないと言われてしまい、家賃が予算よりも少し安かったこともあり、渋々割増のエージェント料に応じました。
さらに手続き中、今度は家賃の値上げを提案されました。エージェントによると「家主が独自に顧客を見つけてきて、彼らがあなたたちよりも高い家賃を払えると言っている。でもあなたたちが同額払えるなら、物件を譲る」とのこと。怪しすぎる……と感じたわたしたちは契約を断って、別の物件を探すことに。
するとエージェントが「やっぱり元の家賃でいいから契約してほしい」と連絡が。この時点で怪しさMAXだったのですが、金額的には問題がなかったのと、学期の始まりが迫ってきていて、これ以上物件探しをすることは難しいと考え、結局その物件を借りることに決めました。

結果的に今のアパートは気に入っているので、長期間戦った甲斐があったなと思っています。ただ、契約が切れてまた物件探しをすることを考えると気が滅入ってしまいます……。
これからニューヨークでアパート探しをする方は、長期戦を覚悟して、ルームメイトを探し、エージェントには強気の姿勢で戦うことをお勧めします!
次回は私が大学で専攻しているステージマネジメントについて、より詳しくお話しできればと思います。 最後までお読みいただきありがとうございました!
島﨑みちほのプロフィール
ニューヨークの大学に通う東京都出身の大学1年生。演劇の舞台制作、特に照明・舞台監督・プロデュースを勉強中。
文中写真引用:New York Post、Parking.com






