「気になる10代名鑑」の871人目は、KENTAさん（19）。中学3年生でパルクールの自由さに魅了され、現在は自分のスタイルで挑戦を重ねる日々を送っています。パルクールの良さを広め、多くの人に運動を楽しんでもらいたいと考えているKENTAさんに活動の中で大切にしていることなど詳しく伺ってみました。
KENTAを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は？
「自分が行き着いたいろんな場所で、自分のパルクールを表現することです。パルクールがとても大好きで楽しいと感じているので、生活の一部として、ほぼ毎日1時間くらい練習しています！
高校生のとき、日本選手権の予選に出場したんですが、大舞台で多くのお客さんに見られながら自分の表現ができた経験は、パルクールをはじめてよかったと感じた瞬間でもありました。それ以来、大会に出るときは特に、お客さんを楽しませたり盛り上げたりすることを意識するようになりました。
いまの目標のひとつは、パルクールを通してCM出演すること。パルクールの魅力を、多くの人に届けることができたらカッコいいなと考えています」
Q2. 活動を始めたきっかけは？
「中学3年生のときに、テレビで初めてパルクールを見たのがきっかけです。『かっこいい！』と一瞬で心を掴まれました。
実は、小学2年生から6年生のときに体操競技を習っていて、バク転ができたんですよ。このスキルを活かせないかなと思って、最初は壁を蹴ってバク宙する技に挑戦しました。まずはバク宙を安定してできるようになることを目標に、ひたすら練習を重ねたり、YouTubeでやり方やコツを調べたりしながら、試行錯誤していました」
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Q3.どんなことをテーマに活動をおこなっていますか？
「どんな場所でも自分のスタイルで走り抜くことをテーマにしています。パルクールのスタイルは本当に人それぞれで。最近では、大きなトリックを披露することが高く評価される傾向があるんですけど、僕としては、パルクールは本来“自由に走り抜く競技”だと考えているので、評価を気にするのではなく、自分が納得できる形で、自分らしく走り抜く。それでお客さんから歓声をもらえるのが、何より嬉しいです。
また、いちばん楽しいと感じるのは、パルクールを通じて、新たな自分を発見できたとき。『こんなこともできたんだ』『こんな距離を飛べたんだ』と、これまで気づかなかった可能性に出会えるのが大きな魅力です」
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Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください
「自分のやりたい動きが思うようにできずに1日が終わってしまうと、本当に辛いです。例えば『今日は絶対にここを飛び越えよう』と決めていても、ジャンプ力は足りているはずなのに、恐怖心が邪魔をして飛び越えられない。それで1日が終わってしまうと、すごく嫌な気持ちになります。
パルクールでは、気持ちと体が強くリンクしていると感じています。『失敗したらどうしよう』という恐怖感が湧いてくると、飛び越える直前で足が止まってしまうこともあって。でも最近は、そういうときには『まずは何も考えずに身体を動かす』ということを意識するようにしています。
『怪我したらそのときに考えればいい』と切り替えたことで、逆に怪我をしたことはありません！まず行動することで、気持ちの壁を超えやすくなったと思います」
Q5. 将来の展望は？
「将来的には、パルクールに限らず、誰もが運動する時間を確保できる社会になってほしいです。最近の日本社会は、働き過ぎだと感じていて。僕自身、他の分野では得意だと胸を張れることがあまりなかった中で、パルクールを通じて、さまざまな人との出会いでコミュニティが広がったり、自分の価値を感じられるようになったりしました。運動がもつ可能性や、人とのつながりの大切さを強く実感しています。
運動は体だけでなく心も豊かにするものなので、それをもっと身近に感じられる環境が必要だと思っています」
KENTAのプロフィール
年齢：19歳
出身地：神奈川県横浜市緑区
趣味：料理
特技：料理
大切にしている言葉：継続
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Photo：Nanako Araie
Text：Honori Kukimoto
