世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、最終処分場に関する問題に目を向け、改めて考えたい「ゼロウェイスト」の実践事例についてご紹介します。
あと50年で東京都の最終処分場がいっぱいになる?
2024年9月、東京都23区が家庭ごみの有料化を検討しているという報道が話題となりました。それには、東京都の家庭ごみの終着点となる東京湾の最終処分場が、あと50年ほどで満杯になると言われていることが背景にあります。
「50年」と聞くとまだまだ先のことのように思えますが、前もって有料化を行うことで、排出量の削減を促すことが狙いです。実際、既に有料化を実施している地域では排出量が減少している例も多く、東京都もその流れに追随しようとしています。
しかし、有料化はあくまで対策のひとつに過ぎません。問題の根本的な解決のためには、ごみそのものの量を減らす必要があります。そこで今回は、廃棄物をなくす取り組み「ゼロウェイスト」に着目し、家庭ごみを減らすためのアクションを紹介します。
デイリー使いの洗剤は量り売りで!「エコストア」のリフィルステーション
最初に紹介するのは、ニュージーランド発の「ecostore(エコストア)」が展開する、商品を量り売りで販売するリフィルステーションです。
環境に優しい洗濯洗剤などを取り扱う「エコストア」のリフィルステーションは、商品の空ボトルや、蓋が密閉できる容器を店舗に持ち込めば、100gから購入することができます。
「必要なモノを必要な分だけ」購入できる量り売りは、詰め替えパックよりもさらにごみを削減できるのだそう。毎日のように使うものだからこそ、環境に配慮した買い方ができれば、日々の暮らしと心を整えることにもつながりそうですね。
衣服は修理して長く愛そう!「パタゴニア」のリペアプログラム
アウトドアブランド「Patagonia(パタゴニア)」は、「#新品よりもずっといい」をキャッチコピーに、さまざまな衣類の修理に関する取り組みを行っています。
自社製品にかぎらず、衣類全般の廃棄を減らすことを目的としたこの取り組み。例えば、自社サイト上では製品のお手入れ方法やボタンの直し方などのノウハウを紹介し、製品が壊れた際でも、買い替えではなく修理することを促しています。他にも、責任ある消費について考えるプロジェクト「Worn Wear College Tour」では、イベントなどへの出店を中心に、専門スタッフによるリペアレクチャーやワークショップを実施しています。
生ごみから美味しい野菜がつくれる「LFCコンポスト」
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最後に、生ごみを焼却処分せずに再利用する「コンポスト」について紹介します。微生物の力により、野菜の切れ端などを堆肥へとリサイクルするコンポストは、生ごみの排出量そのものを削減できる、とても効果的なアクションです。
さまざまな商品が発売されていますが、中でも、ローカルフードサイクリング株式会社が販売する「LFCコンポスト」は、植物や野菜を育てたことがない園芸初心者にも使いやすいことで人気の商品。自立するトートバッグのような形になっていて、生ごみをバッグに入れて堆肥を生成後、そのままそこに野菜を植えて育てることが可能です。ベランダでも扱いやすいファスナー付きで、おしゃれなデザインも魅力的。コンポストデビューにもぴったりです。
手軽にできる地球に優しいアクションで、ゼロウェイストな暮らしにシフトしよう!
日本中で課題となっている、ごみの最終処分場のニュース。今回は、ゼロウェイストにつながる身近なアクションを3つ、ご紹介しました。毎日の生活の中で当たり前に行うごみ出しの「その後」は見えづらいもの。すでに家庭ごみが有料化されている地域の人も、まだ家庭ごみが有料化されていない地域の人も、これをきっかけにごみとの付き合い方を見直す機会としてみませんか。
Text:kagari