「気になる10代名鑑」の829人目は、井上滉太朗さん(19)。ソロプロジェクト『Pastel Tang Club』として、音楽活動を行っています。音楽を通じて“情けなさ”と“荒々しさ”を表現することがテーマだと話す井上さんに、活動についてあれこれ聞いてみました。
井上滉太朗を知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「『Pastel Tang Club』という名義で、音楽活動をしています。作詞・作曲、編曲、すべての楽器の演奏、ミックス、リリースから、アーティスト写真やアートワーク、ミュージックビデオの制作まで、すべて自分ひとりでやっている、ソロプロジェクトです。
もともと中学から高校時代に『TNT’s Session』というバンドをやっていたんですけど、大学受験を機に活動を休止して。受験が終わったあとも、いろんな事情があって活動を再開することができなかったんです。でも、それまで自分の考えとか思想は全部音楽を通じて消化してきたから、自然とそのあとも音楽を続けるという選択肢しかなかったというか。
ソロという形を選んだのは、ひとりで演奏した方がこだわりやすいなって思ったからです。だからこそ、レコーディングとかは本当に大変なんですけど、そのぶん音源はどこよりも妥協せず作っている自信があります」
Q2. 活動をはじめたきっかけは?
「小学6年生のころ、ビートルズのコピーバンドをやったことがきっかけです。
学校で1年に1回、有志発表みたいな場があって、そこで演奏したんです。自分がドラムを、同級生の友だちふたりがギターをやって、友だちのクラスの担任の先生にベースをお願いして。
そのときはただ、中学受験から逃れたくて、現実逃避できる場所を探していて。それがバンドっていう形に行き着いただけだったんですけど、結果的に、そのおかげで音楽の楽しさに気付くことができました。それからも中学、高校と吹奏楽部のパーカッションパートに所属してドラムは続けていたし、そのあと、ギターとかベースもやるようになって、中学1年生から作曲も始めました」
Q3.活動のテーマを教えてください。
「“情けなさ”と“荒々しさ”を表現することです。
それって、基本的に人間が内に秘めたがるものだと思うんですよ。どちらも結局、恥ずかしさに行き着くものじゃないですか。でも、それをずっと隠しているのはもったいなっていうのを、ずっと思っていて。恥ずかしい部分をも、まっすぐ、表現していきたいんです。
でも、自分の中では、まだそういう部分を完璧に出すことができていなくて。だからこそ、それを表現できる音楽家をカッコいいなって思うし、憧れていますね。」
Q4.活動の中で印象的だった出来事を教えてください。
「高校2年生のとき、組んでいたバンド『TNT’s Session』で『青二祭』というイベントに出させていただいて、渋谷ストリームホールという、キャパ500人の会場で演奏したことです。TNTとしてはそれが最初で最後のライブだったんですけど、やっぱり人前に立って演奏するのって楽しいなって思ったし、これだけの人数の前でライブをしたことで、度胸がつきました。
あとは、大学1年生のとき、ジャズサークルでの活動に力を入れていて。そこでのセッションを通じて、ひとりひとりがもつオリジナリティにこそ魅力がある、ということに気付きました。高校生のときとかは、自分が作った曲だからって、自分のこだわりを周りの人にも押し付けちゃっていたんです。でも、それぞれの演奏の個性にこそ、良さがあるんだって分かって。音楽的に大人になることができたなと思います」
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Q5. 今後の展望は?
「大きな夢とかがあるわけじゃないんですけど、音楽とか映像とか、やっぱりそういう分野に興味があるので、ただそれを純粋に、まっすぐやっていきたいです。
でも、たとえば映像作品をつくるとなったら、ひとりでできるかっていうとそうじゃなくて。いろんな人たちの力を借りて作っていくものだと思うので、関わってくれる人たちへの感謝は忘れずにいたいなと思っています」
井上滉太朗のプロフィール
年齢:19歳(2004年12月15日)
出身地:東京都
所属:Pastel Tang Club
趣味:ジンバブエの切符集め
特技:フラフープ
大切にしている言葉:寝れる時には寝る、食える時には食う、時にはだらだらしてもいいよ
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Photo:Nanako Araie
Text:Fuka Hagai