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手書きPOPと創作パン。そこにしかない街のパン屋さんで繰り広げられる、トング片手の真剣勝負【キヨトカナのLOST IN PASSAGES】

手書きPOPと創作パン。そこにしかない街のパン屋さんで繰り広げられる、トング片手の真剣勝負【キヨトカナのLOST IN PASSAGES】

知らない街のパン屋さん

知らない街を歩くときって、なんだか少しドキドキしちゃう。普段なら見過ごしちゃうような、ありふれた場所だとしても、初めての街だと全部が新鮮で、歩いているだけでも新しい冒険になるんだよね。

でも、この街の「いつもの風景」を知らないのは、ワクワクする反面、少し不安になるときもある。例えば、お店の中が見えなくて謎めいた飲食店や、値段がわからないレストランに入るのって、勇気が必要。「せっかくだし!」って思っても、ドアを開けるのに少しだけ躊躇しちゃったりしちゃう。

でも、そんなわたしでも、パン屋さんだけは別!🍞

明るい店内にはおいしそうなパンが並んでいて、どこか見覚えのある安心感がある。知らない街のパン屋さんでも、あの香りが漂っていると温かく迎えてくれる気がして、どこか安心させてくれる存在なんだよね。

知らない街に行ったなら、ローカルなパン屋さんを少し覗いてかない?

高校生だったわたしが吸い込まれるお店

そんなパンの香りに誘われて入ったのは、窓にキュートな絵が描かれている、JR生麦駅近くのパン屋 「ベル エポック」。フランス語で「美しき時代」とか「古き良き時代」って意味らしくて、わたしにとっても、まさに良き時代だった高校生活のお供だったパンをいつも買っていたお店。

窓ガラス越しでもわかる、おいしそうなパンたちが、学校帰りの高校生をキャッチして、自然と店内に吸い込まれちゃう。どんなに魅力的な呼び込みや、強引にも思える声換けよりも、何倍も効果があるよね。

品揃え豊かなパンを目の前にすると、そこからは真剣勝負。さあ、今日は、どのパンを連れて帰ろうか。トレーを持って、トングをカチカチ鳴らしながら、ズラっと並んだパンを吟味する。考えごとをするときに、シャーペンの芯を出してしまうあの感覚と似てるなぁって感じる。

パン屋に響くあのカチカチ音を聞くと、この店いちばんのパンを奪い合う戦いに参加してる感覚になって、「絶対、この勝負に勝ってやる」っていう気持ちになっちゃう (笑)。

ベル エポックのおすすめパンは、「横浜鶴見あげパン」! 小学校の思い出のパンといえば、給食のきなこ揚げパンだけど、高校時代で思い出すのは、この丸い揚げパン。駅までの帰り道、このパンを食べながら帰ったことを思い出すなぁ。

表面にたっぷり砂糖が塗られてて、かぶりついたときに「ジュワッ」とする食感もたまらない。

スイーツ系の甘いパンも好きだけど、ごはん系のしょっぱいパンも好き。どっちもそろったパン屋さんがわたしの好み。そして選ぶときのポイントは、必ずスイーツ系とごはん系、それぞれ選ぶこと!

ごはんを食べた後はデザートを食べなきゃ区切りがつかないと感じるわたしにとって、ランチにも、その後のデザートにもなってくれるパンは、一石二鳥の解決策なのだ✌🏻‎

手書きの値札に込められた思い

街のパン屋さんの好きなところがもうひとつある。それは、手書きの値札。ひとつひとつの名前やおすすめコメントには愛情が感じられる。しかも、どれも信じられないくらい安い。この日も、4つもパンを買って、860円。お得感がすごい!

ベル エポックの暖色の光に照らされているパンの中には、子どもたちに人気なキャラクターのパンもある。手作りだからこそ、顔の表情が少しずつ違っていて、好みの顔を選ぶのも楽しい。わたし自身も、普段から何かを作るのが好きだから、「これをつくってる人も楽しんでるかも」って、ついつい作り手の気持ちを想像してしまう。

どのパンにも、ほんのちょっと、作り手の遊び心があって、見ていて飽きないの。みんなはどんなパンがワクワクする?⟡.·

おいしいパンを買えたらロンリーピクニックの始まり

たくさん悩んで、パンを選んだら、そのままウキウキしながら公園へ。スプーンもフォークもいらない、片手で食べられるパンは、ピクニックにぴったり! 昼間の公園は子どもたちが走り回る元気な声で賑やかだけど、そんな場所がすごく落ち着く。木陰の少し涼しいベンチを見つけたら、さあピクニックのスタート!

ちなみに、キヨトは日焼けが苦手なので、日陰が必須です^_−⭐︎

おしゃれなお皿や豪華なお弁当を、かわいいレジャーシートに並べて、友達とワイワイ写真を撮りながら楽しむピクニックも素敵だよね。でもわたしは、パンを片手にふらっと公園のベンチに座って、「子どもたちの体力って無限だなぁ、すごいなぁ」なんて考えながら、ひとりでぼーっと過ごすピクニックが大好き‪。

写真映えするようなピクニックじゃないし、わざわざインスタに上げたりしないけど、なぜか心の中には、しっかりと素敵な思い出が残っている気がする。

パンを買ってどこ行こう

みんなはパンを買ったらどこへ行く?

まっすぐ家に帰って食べるのもいいよね。海の近くに住んでいる人は、海辺にでも行くのかな。波の音を聴きながら、海風ピクニックもたまらんだろうなぁ。

そういえば、公園の数が減ってるっていうニュースを見た。それに、せっかく公園を見つけても、飲食やキャッチボール、犬の散歩禁止の看板があったりして、「じゃあ何ができんねん!」とツッコミたくなる(笑)。いつかはそんなふうに、気軽に立ち寄れる公園も減ってしまうのかな。悲しいなぁ。

公園でのロンリーピクニックが終わって、散歩に出かけようとした時、揚げパンの最後のひと口を砂場に落としちゃった (;;)

ご機嫌ななめなわたしには、お気に入りの音楽と歩きやすいスニーカーがあれば、たちまち元気になります。 気を取り直して、駅まで散歩しよっかな。

今回訪ねたのは…

ベル エポック

昭和58年創業。おすすめメニューは、横浜鶴見揚げパン(130円)とチュロス(110円)。200円以上買い物をすると、パンの耳をもらえるというのも、温かなパン屋さんの証拠です。

住所:神奈川県横浜市鶴見区岸谷1-23-7
営業時間:9002000
定休日:日曜日・祝日

キヨトカナのプロフィール

東京のはずれにある大学に、実家の車で通う大学3年生。
キャンプと銭湯、愛犬のLINEスタンプづくりが趣味。音楽を聴きながら散歩するのが最高の癒しで、髪色は月に2回はチェンジする:vサイン::肌色-2:

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https://steenz.jp/20002/

Photo:Nanako Araie
Hair&Make-up:Kotomi Goshima
Direction:Yukiho Wakao
Text:Kana Kiyoto

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